株式会社ファイブスターズ アカデミー
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前回、信用創造について、銀行の貸出モデルをもとに解説しました。今回は、そもそも銀行業がどのようにして始まったかについて、その経緯をご説明しましょう。銀行の前身となったのは、ヨーロッパの「金(きん)細工職人」です。金細工の職人のところには、泥棒から金(きん)を守るため、立派な金庫がありました。これから先は混乱を避けるため、「金」と表記した場合は金属の「きん」を指し、お金については「現金」と表記することとします。では、お話に戻りましょう。金細工職人の家には立派な金庫がありましたが、一般の人は金庫など持っていません。そこで、金を持っている人は心配なので、金細工職人のところに行き、その立派な金庫で、一…
前回、各銀行の日銀当座預金残高を増やしてやることが、すなわちマネタリーベースを増やすことであり、大量の現ナマを供給したのと同じ効果があると書きました。今回は、その理由を説明しましょう。今、日銀がA銀行に対して供給するマネタリーベースを、1億円増やしたとします。A銀行の日銀当座預金残高は1億円増えます。A銀行の法定準備金はたっぷりありますので、これを遊ばせておいても利益は生まれません。よってA銀行は、1億円を貸し出そうとします。今、A銀行が、ある会社に1億円貸し付けたとしましょう。A銀行の帳簿には、1億円の貸出実績があったと記録されます。それはすなわち、1億円がマーケットに出回ったことを意味しま…
このブログで「インフレにするにはマネーサプライを増やすこと」と説明してきましたが、これも経済学的には正確ではありません。マネーサプライというのは、日本中に出回っている現金通貨だけでなく、信用創造により生み出されたお金も含まれます。これを操作するとなると、膨大な量のマネーを動かす必要があります。そこで、ベースマネーとか、マネタリーベースという考え方が採られています。これは、信用創造の基となるお金をコントロールしようということです。具体的に言うと、各銀行の日銀当座預金残高に対する資金供給をコントロールすることです。なんだか難しくなってきましたね。信用創造と言う言葉については、後で説明します。まず、…
昨日は、私の住む町で「綾戸智絵」さんの野外コンサートがありました。ジャズシンガーと言われて久しい綾戸さんですが、今年で15周年を迎えたということでした。とても50代半ばとは思えないくらい、若々しく、エネルギッシュな方でした。素晴らしいその歌声だけでなく、彼女の大阪弁の語りにすっかり巻き込まれた1時間でした。講師として特に特筆すべきは、彼女の語りにあるさりげない「笑い」です。市中の神社の境内に特設された会場で、熱唱の途中「カァ~カァ~」とカラスの鳴き声が入ってしまったのですが、それを綾戸さんは、とっさに歌詞の中に取り入れ、自分も「カァ~カァ~」と鳴きながら「カラスも一緒に歌ってくれますがな」と。…
今まで、このブログでは「日銀はインフレを実現することが重要」と書いてきましたが、もっと正確に言いましょう。「インフレを実現する」ことではなく「人々がこれからインフレになると予想する」ような雰囲気を実現することです。経済学的には、「予想インフレ率」という考え方があります。ご説明しましょう。経済学のテキストをひも解くと、予想インフレ率とは以下のように定義されています。(予想インフレ率)=(普通国債の利回り)―(インフレ連動債の利回り)まず、インフレ連動債の説明をしましょう。普通国債というのは、利回りが決まっています。ですので、満期(=償還)までの間に高いインフレ率になってしまうと、資産運用としては…
暑い暑いと汗をかきながら新橋の事務所まで通勤したのがウソのように、周りはすっかり「秋模様」となっています。私の大好きな「スイカ」の代わりに「ナシ」が、「冷し中華」の代わりに「うどんすき」が、「アイスコーヒー」の代わりに「ホット」が、食卓に上るようになりました。ところが、これから「食欲の秋」に突入しようかという矢先に「胃痛」に見舞われました。ここ何十年かは、何を食べても「胃痛」になることなんてなかったのに!です。まさに、盤石を誇っていた私の「胃」になにが?という不安に駆られたのは事実です。そのため、昨晩は「夕食」をひかえて、まんじりともせず秋の夜長を過ごしました。「元気」だけが取り柄の私も、さす…
藻谷浩介氏のベストセラー「デフレの正体」によれば、デフレの原因は日本の人口が減少し続けていることだそうです。つまり、人口が減少してモノが売れなくなったため、値段を下げざるを得ないという理屈です。本当でしょうか?結論から言うと間違いです。もしこの論が正しいとするなら、人口が減少している国はすべてデフレになるはずです。安達誠司氏の「円高の正体」(光文社新書)に、その研究が掲載されています。ご紹介しましょう。氏は1988年以降、生産年齢人口が減少している国を調べています。どのくらい人口が減っているか見てみましょう。グルジア―0.7%,モルドバ―0.6%、ブルガリア―0.5%、そして日本が―0.4%、…
財政政策を決定するのは政治家ですが、金融政策を決定するのは中央銀行です。今や、日本の景気の行方は日銀が握っているといっても過言ではありません。2012年2月26日の「インフレで自殺する人はいない」というプログの、フィリップス曲線のところでお話ししたように、2~3%の適切なインフレ率は、景気を良くして失業率を低く抑えることができます。だから世界中の中央銀行は、インフレ目標にコミットしているのです。ところが、日銀は最後の最後までインフレ率にはコミットしませんでした。そして、2012年2月に、ようやくコミットしたのですが、その数値は、0%~2%と言いながらも、当面は1%を目途とするというものでした。…
前回、デフレは消費を縮小すると書きました。今回は、インフレの影響についてみてみましょう。今、もしインフレ率が3%だとすると、今100万円の商品は、1年後には103万円に値上がりしているはずです。さぁ、どうしますか?1年間、買うのをガマンしますか?しませんよね。即買いしますよね。つまり、インフレは消費を拡大するのです。いかがですか?インフレは、消費(需要)を増やすことを通じて、経済活動を活発化させ、そのことを通じて景気を良くして、結果として失業者を減らすのです。ここで、今までのまとめをしてみますね。景気をよくするには、財政政策と金融政策の二つがありました。財政政策は赤字国債を発行するなどして、公…
需要不足を解消する方策は二つあり、一つは政府支出、すなわち公共事業でした。これは、「投資」に働きかけるのでしたね。経済学では、財政政策と言います。ケインズ経済学といえば、これを指します。今回はもうひとつの方法である、金融政策についてお話しましょう。一般的には、中央銀行が金利を引き下げる方法を言います。企業は、銀行の貸出金利が下がるとお金が借りやすくなるので、新工場を建設するなどの設備投資を考え始めます。つまり、金利を引き下げることによって、企業の投資意欲を刺激して、結果として民間投資を活発化させることです。しかし、現在のように、金利がゼロに近くなるほど低くなってしまうと、少々金利が下がっても誰…
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