株式会社ファイブスターズ アカデミー

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5☆s 講師ブログ

囚人と看守

前回のミルグラムの実験と同様、心理学界ではタブー視されている実験をもうひとつご紹介しましょう。スタンフォード大学のジンバルドーが行ったものです。参加者を看守役と囚人役に分けます。、今度はトリックはありません。そして、実際の刑務所にかなり近い施設を作り、そこで生活させるのです。看守役は看守として、そして囚人役は囚人として。その際、芸が細かいのは、リアルな囚人体験をしてもらうことです。彼らはバトカーで護送され、指紋を採取された上で囚人服を着せられ、ご丁寧なことに片足には鎖がまかれました。一方、看守役にも制服が支給され、実際の看守のように振舞うことが要求されます。実験が進むにつれ、囚人役はどんどん卑…

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アイヒマンの実験

それまではパランス感覚に優れた常識のある人だったのに、営業部門に異動したとたんに、鬼軍曹のようになって数字、数字とわめきたてる。そんな人っていますよね。心理学界では、かなり有名な割りには、触れることさえタブー視されている実験があります。イェール大学のスタンリー・ミルグラムが行った実験です。まず、参加者を教師役と、生徒役とに割り振ります。実はこれにはトリックがあり、被験者はすべて教師役が当たるようになっています。つまり、生徒役になった人はすべて「サクラ」なのです。そして、教師役は、電気ショックのスイッチを入れなければなりません。スイッチを入れると、隣室にいる生徒役の人に電気が流れる仕組みとなって…

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ソロモン・アッシュの同調実験

昼ごはんを食べに行って、他の人がみんな同じメニューを頼んだりすると、あなたもつられて同じものを注文していませんか?このような同調は、昼ごはん程度なら問題ないのですが、なんと、明らかに間違っていることまで他人に合わせてしまう傾向があるのです。2枚の紙を用意し、1枚目には3本の、明らかに長さの違う直線を描きます。もう1枚の紙には、3本のうちのどれかと同じ長さの直線を描きます。さて、ここからが実験です。2枚の紙を同時に見せて、3本の直線のうち、もう1枚の紙に書かれている直線と同じ長さの直線はどれかと聞くのです。明らかに長さが違うので、通常では誤った回答をする率は0.7%でした。ところが、8人のメンバ…

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フット・イン・ザ・ドア

前回のドア・イン・ザ・フェイスは、最初に過大な依頼事をして断られた後に、ハードルの低い依頼をすると、OKがもらいやすいということでした。今回は、まったくその逆で、ハードルの低い依頼から始めるというテクニックです。スティンプソンらのグループは、まず最初に、大学生に環境に関するアンケートをお願いしました。そして次に、その関連で木を植えるボランティア活動に参加してほしいと頼みます。すると、アンケートを断った人は、ボランティア活動も断わりましたが、アンケートに答えた人は、ボランティア活動についてもOKする人が結構出てきたのです。これは一貫性の原理といって、人間は一度ある行動をとると、次の行動についても…

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ドア・イン・ザ・フェイス

アメリカのチャルディーニが行った実験です。まず大学生に、2年間、毎週2時間のボランティアを持ちかけます。当然断りますよね。ところが、そのあとに、今度は1日だけ子供を動物園に連れて行くボランティアを依頼します。すると、50%の人がOKしたのです。これは、最初に大きな依頼事を提示されると、そのあとに提示される小さな依頼事に関しては、OKされやすくなるという現象です。でも、冷静になって考えると、OKしてしまった依頼事も、結構大きな依頼事ではあるのです。もう一度、整理してみましょう。まず一方が、過大な依頼をします。当然断られます。その後、今度は大幅に譲歩した依頼をします。すると、依頼された側も、なにか…

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吊り橋理論

遊園地に行くと、家族連れに混じって、結構な数のカップルがいます。なぜカップルは、キャーキャーいうようなスリリングな乗り物に乗りたがるのでしょう。これも心理学で説明がつきます。ダットンとアロンによって発表された学説で、別名「恋の吊り橋理論」とも呼ばれています。まずは、独身男性を集めます。そして、深い渓谷に架かる、揺れる吊り橋を渡らせるのです。かなり怖いですよね。ところが、中央付近まで行くと女性が待っていて、アンケートに協力してほしいと話しかけます。そして、結果に関心があるようなら、後で電話をしてくださいと電話番号を伝えます。すると、ほとんどの男性が電話をしてきました。一方、同じ実験を、まったく揺…

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バーナム効果

「あなたは、いつもは親しい友達と仲良く話していますが、時々一人になりたいと思うときがありますね」占い師にこんな風に言われたら、「いいえ」と答えられる人はいないでしょう。そして、「この人、私のことをズバリと言い当てた!」と、ついつい思い込んでしまいます。ところが、これはバーナム効果といって、誰にでも当てはまるような曖昧なことを、自分だけに当てはまると思いこんでしまう心理現象です。その昔、アメリカで、興行師のバーナムと言う人が、「誰にでも当てはまる要点というものがある」と言ったことから名づけられたそうです。また、フォアという心理学者が、冒頭に示したような文章をいくつか学生に見せ、当たっているかどう…

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ヤンキース・ドットソンの法則

「ヤンキース・ドットソンの法則」とは、心理学者のロバート・ヤンキースとJ・D・ドットソンが、ネズミを使って行った実験で分かった法則です。まず、ネズミに黒と白の目印を区別するように訓練します。次に、ネズミが教えられた区別を間違えた時には、電気ショックを与えます。すると、電気ショックを受けたくないネズミは必死で学習し始めます。その時、電気ショックの強さを次第に強くしていったら、強くするほど正答率も高くなりました。いわゆる「ムチ」による成長ですよね。ところが、あるピークを超えてしまうと、今度は逆に正答率が低下するではありませんか。つまり、電気ショックが最適な水準なら好ましい刺激としていい結果が得られ…

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「右脳を鍛える」は不可能?

心理学の話題ではありませんが、脳の話が出たので今回は脳科学についてちょっと・・・。書店に行くと、「右脳を鍛える」というような題名の本がズラリと並んでいます。ところが、脳科学者の中で、このような本を信じている人はまずいません。なぜなら、右脳だけ鍛えることは難しいからです。脳は構造的に、脳梁という「橋」で右脳と左脳が結ばれています。そして、一方の脳の情報は、「橋」を渡って反対側の脳にも連係されています。ですので、片方の脳だけ鍛えることは、事実上不可能です。私の考えを言うと、題名に「脳」とついている書物の95%くらいは、非科学的なものだといっていいでしょう。「右脳の活性化」と言う話に対しても、もう少…

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キメラの顔

心理学の実験に使うもので、キメラの顔という不思議な顔のイラストがあります。私の研修でも内容によっては、このイラストを使います。悲しそうな顔と、うれしそうな顔をタテに真っ二つにして、それぞれを逆に張り合わせたものです。これをタテに並べたものを一瞬だけ見せて、どちらが幸せそうか質問します。理屈で考えると、どちらにも悲しそうな要素と嬉しそうな要素が含まれているわけですから、確率は1/2、つまり大勢の人に実施すれば半々に分かれると思いますよね。ところが実際は、右顔面が嬉しそうな顔の方を選ぶ人が圧倒的に多いのです。つまり、私たちは、相手の感情を読もうとするとき、その人の右顔面を見て判断しているということ…

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