株式会社ファイブスターズ アカデミー
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前回、ミラーニューロンのお話しをしました。相手が手を振るのを見た時、自分が手を振った時と同じ細胞が発火するのでした。これは、手を振るという動作だけでなく、「感情」にも当てはまります。例えば、相手の悲しそうな表情を見た時、自分が悲しい思いをしている時と同じ細胞が発火するのです。これを、一般には「共感」と言います。今、被験者に、つらそうな表情をしている顔の写真を見せます。その時の脳の変化をfMRIで観察します。すると、脳の中の島皮質という部位の血流が増えていました。ということで、島皮質は、感情に関係していることが分かります。実は、島皮質は不快な感情に関係しているところで、現在かなり研究が進んでいま…
ここまで論じてきた「心の理論」ですが、最近は脳科学からのアプローチも盛んです。現在、脳研究のトップランナーのひとりで、あの名著「脳の中の幽霊」の著者として知られるラマチャンドランは、ミラーニューロンの働きですべて説明できると主張しています。ここから先は、ちょっと心理学っぽくなくなりますが、我慢してください。私の個人的意見ですが、心の働きを脳機能で説明できなければ、心理学は「科学」とは言えないのではないかと思っています。ではまず、ミラーニューロンからご説明しましょう。ある研究者がサルの頭に脳波計を接続して、人間がアイスクリームを食べている姿を見せました。残念ながらこの実験は失敗でした。なぜなら、…
今日は、「いい月いい日」ということで縁起の良い日にちです。これにあやかって、今日一日を「いい日にしよう!」と意気込んで出社しました。この週末「自分が考え間違えしていた!」と思うことに出会いました。男性にはご興味のないことと思いますが、題材は「お化粧」です。私の場合、研修でもお伝えしているように、洋服が派手なため、メイクはお化粧でなく、自称「特殊メイク」をしております。とは言うものの、実態はこの特殊メイクで自分のシミ、シワ、クスミを隠しているのです。ニューヨークシティで化粧品会社の広報を担当している米人の女性が、とある雑誌のインタビューで、「メイクというのは、とかく自分の欠点を隠そうとする人が多…
前回、相手の視線を認知するということは、きわめて高度な知性であるとお話しました。発達心理学の研究によると、赤ちゃんは生後9カ月で、他人の視線を認識するそうです。例えば、お母さんが「車」を見ながら、「くるま」と言ったとします。このとき、赤ちゃんは、お母さんが何を見ているかを瞬時に確認します。つまり、母親の目を見て、視線の方向を確かめます。それから、その視線をたどっていき、やがて「車」に行きつきます。これを視線追従と言います。また、一度赤ちゃんの目をしっかり見て、話しかけてから視線を移すという実験では、生後6カ月でも視線追従したそうです。このように、赤ちゃんは、相手の目を見て視線を認識するという、…
自分がお医者様から「余命あと○年」と言われたらどうする?と、さも他人事のように話題にすることはありますが、実際に、身近にそのようなことが起こったらどうするか?を、昨日体験しました。というのは、自宅のご近所で親しくしているご夫妻のご主人様(80歳の高齢者)が先日、病院の検査で、「余命、あと5年」と告知されたと言うのです。直接聞いたご主人は、かなりショックだったようです。しかし、当のご本人は至って冷静で、今後の自分の身の振り方の算段を考えているとのことでした。抗がん剤治療をしていくと、最後の一年は寝たきりになるため、動けるのは実質4年ということまで考えて、身の振り方を考えているというのです。自分に…
さて、このテーマの最大の関心事、すなわち「サルは人の心を読むことができるのか」という話に戻りましょう。プレマックが、サルは人の心を「読める」という論文を発表した時は非難轟轟でした。中には、彼の人格まで傷つけるような反論もあったそうです。このような攻撃的な反論をすること自体、人の心を読めていないような気もしますが・・・・それはさておき、現在は、否定派はどうも旗色が悪いようです。人の心、つまり人間の心が読めるかどうかは定かではありませんが他のサル、つまり「他人」ならぬ「他サル」の心は読めるようなのです。今、それぞれ檻に入った2頭のサルを向き合わせて、真ん中にエサを置きます。「よーい、ドン!」で檻の…
前回、サリーとアンの誤信念課題が解けないのは、「人には心がある」ということを理解できないからだと書きました。つまり、自分以外の他人にも、彼らなりにいろいろな考えがあるということが理解できないのです。自閉症の人も同じです。相手がどう思うかということを推測することが出来ないのです。ですので、他人とコミュニケーションをとるのが非常に苦手なのです。ただし、この問題は私たちにも当てはまります。相手の気持ちや考えを推し量るのが苦手で、自分の都合だけで決めてしまう強引な人って結構いますよね。自閉症のように知能障害が伴うものは別として、そうではない程度の軽いものは、「アスペルガー症候群」という名前が付けられて…
前回、誤信念課題については、4歳未満の子供は正解できないと話しました。なぜでしょう?それは、サリーに心があることを理解できないからです。そうなのです!人に心があるということを理解するには、結構高い知性が必要なのです。この課題は、4歳児から正解者が出始め、12歳でほとんど全員が正解できるようになります。でも、12歳になっても正解できない子供がいます。それは自閉症の子供です。自閉症の子供にとって、人に心があることを理解するのは困難なことなのです。この年齢に関しては大変よく知られた事実ですが、2005年に衝撃的な論文が出ました。クリスティン・オオニシとレネー・バイラジョンによれば、なんと生後15カ月…
発達心理学の世界では大変有名な「心の理論」についてご紹介します。この理論の定義づけ等をしたのは、バロン=コーエンですが、最初に問題提起したのは、プレマックという学者です。それは非常にセンセーショナルなテーマの論文でした。曰く、「サルは人間の心が読める」。いかがですか?心理学界あげて、話題騒然となったのは無理もありません。サルが心を読めるかどうかは後でお話しするとして、まず心の理論について説明しましょう。最もわかりやすいのが、「サリーとアンの誤信念課題」です。次の問題を解いてみて下さい。今、私たちは、テレビの画面を見ています。画面には、部屋の中でボール遊びをしているサリーという女の子がいます。サ…
今朝は、いつもより30分速い電車に乗って、7時には事務所に着きました。さすがに、駅やビルの周りには人気(ひとけ)がなく、さびしい感じがしました。今日は、珍しく手荷物を両手に抱えての出勤でしたが、駅ではエスカレーターに自動改札機、ビルの入り口では自動ドア、そしてエレベーター。何事もなく無事事務所に到着となりました。席について一服してから、何か飲み物をと思えば自販機で買えるし、最近では、近くのコンビニで挽き立てのおいしいコーヒーがテイクアウトできるし…本当に快適に生活させてもらっていると感じます。そして、究極は「ヒューマンセントリック」という文字通り、人間が感じるように機器がいち早く感知して、快適…
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