株式会社ファイブスターズ アカデミー
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ワールドカップ本大会の2ヶ月前という、ギリギリのタイミングというにはあまりに遅すぎる時点で、ハリルホジッチ日本代表監督が解任されました。直接の理由は、ベルギー遠征の結果が予想以上に悪かったことと、選手と監督の間に溝ができたことだそうですが、本当でしょうか。ベルギー遠征に関して言えば、そもそもウクライラには手も足も出ないのは想定どおり。一方、マリ戦の前半は、ハリルの看板である「縦に早い攻撃」がいい形で現れていました。MFからFWに縦パスが入ると、それをワンタッチで後ろに落とす。それをまたワンタッチで逆サイドのFWに振る。このFWもまたワンタッチでバックパスすると、今度は中央に縦パス。マリのディフ…
『人生の実力』という、ちょっと変わった題名の本を見つけ、思わず手に取りました。ビジネスパーソンなら、仕事ができるかどうかが「人生の実力」なのでしょうが、著者はホスピスで2500人以上の死を看取った柏木哲夫。果たして、ホスピス医が言う「人生の実力」とは、どのようなものなのでしょうか。柏木が「人生の実力」について考えさせられたのは、67才の入院患者が亡くなった時でした。早くに両親を失い、結婚生活で苦労し、仕事では同僚に裏切られた上に、それが原因でリストラされてしまうという、不幸を絵に描いたようなこの男は、亡くなる2週間ほど前、回診に来た柏木に感謝の言葉を述べます。「入院したときの痛みがすっかりとれ…
「最近の若手社員は、言われたことしかやらない」ベテラン管理職が、よく口にする不満です。管理職にしてみれば、もっと自発的、積極的に仕事に取り組んでほしいという期待の裏返しなのでしょうが、確かに困った問題です。似たようなことですが、東南アジアに進出した企業が、現地採用の社員を使いこなすのに苦労しているという話も聞きます。こちらはもっと深刻で、仕事を指示してもその通りやらないというのです。指示内容が理解できないのではなく、「大した仕事ではないので、この程度で十分だろう」と自分で勝手に判断してしまうらしいのです。それでも、仕事を引き受ける社員はまだいい方で、「私よりAさんの方が楽な仕事をしているから、…
太宗は、トップとして耳の痛い話を聞くことに抵抗はなかったのでしょうか。また部下の方も、勇気を持って意見具申するときに、何の躊躇もなかったのでしょうか。実は、太宗はその辺にも十分配慮していたようです。自分の顔が強面であることをよく知っていたので、部下と接する際は常に温顔を心がけていました。また、話す時はできるだけ彼らを近くに座らせるようにしたそうです。笑顔で接することと、部下との物理的な距離を縮めることの科学的な効果は、最近になって心理学によって解明されました。いつの時代も、組織のトップになるということは重大な責任を負うことです。しかし一方では、同時にとんでもなく大きな権限を手に入れることでもあ…
中国の唐の時代、太宗(たいそう)という非常に人望の厚い皇帝がいました。この皇帝の言行録として編纂されたのが『貞観政要(じょうがんせいよう)』で、組織のトップに必要とされる心得が全て網羅されていることから、帝王学の教科書とも言われているそうです。中国には古くから「諫臣(かんかん)」という職制がありました。その主な仕事は皇帝の政治に対して意見をしたり、忠告したりすることです。目上の人の過失を指摘して忠告することを「諫言(かんげん)」と言いますが、おそらくその語源とも関係しているのでしょう。昔の皇帝は意外にも謙虚な人が多かったのかと思いきや、そうではありません。正直に意見具申した諫臣はほとんどが左遷…
グリニッジ・ビレッジにあるジャズクラブ「カフェ・ボヘミア」にいた客は、突如ステージに上がってきた大男を見て驚きます。なにせ、ついさっきフロリダからアムトラックに乗ってニューヨークに着いたばかりの無名のアルト・サックス奏者が、事もあろうに今をときめくオスカー・ペティフォード率いるグループに飛び入り参加しようというのですから。迎え撃つホレス・シルヴァーや、ケニー・クラークといった錚々たるメンバーの中には、この田舎者を一丁揉んでやろうと意地悪な薄ら笑いを浮かべる者さえいました。案の定、ペティフォードのカウントで始まった『四月の思い出』は、とんでもなく速いテンポ。ところが、ソロの順番がその飛び入りに回…
ビジネスでは、素早い判断を求められる場面が多々あります。この判断で本当に良かったのかと、後から不安になることもしばしば。でも、自分の判断が間違いだったとは認めたくないので、「これでよかったのだ」と正当化したい心理がどうしても働いてしまいます。このことを心理学用語で、「認知バイアス」と言います。この認知バイアスを回避して、客観的に振り返るにはどうしたらよいのでしょう。ミシガン大学のリーとシュバルツによれば、手を洗うことが認知バイアスのリセットに有効なのだそうです。彼らは、40人の大学生に30枚のCDからベスト・アルバムと思うものを10枚選ばせ、ランクづけさせました。その際、5位か6位のどちらかの…
「仕事がないなら、残業しないで帰っていいよ」新入社員の頃、先輩からかけられた優しい言葉を今でも覚えています。私には、その先輩が神様のように見えました。仕事がないからといって一人だけさっさと先に帰ったりしたら、「“組織人”としての自覚が足りない」と上司から延々と説教された頃の話です。だから、みんな自分の人事考課に悪影響を及ぼさないようにと、仕事がなくてもとりあえず居残っていたものです。ところが、時代は変わりました。最近の新入社員は、上司や先輩から「仕事がないなら、残業しないで帰っていいよ」と言われると却って帰れなくなるのだそうです。どういうことでしょう。どうやら、「仕事がないなら」という前提条件…
ニュートンとフックの遺恨試合の第2ラウンドは、悪意に満ちたフックの言いがかりから始まります。惑星の円運動について、意地悪な質問をしつこく吹っ掛けたのです。随分と粘着質な性格ですよね。このとき、まだ発表はしていないとは言え、すでに「引力の逆2乗法則」を完成させていたニュートンは、フックよりはるかに先を行く答えを知っていました。しかし、法則が未発表だったためやむなく逃げを打ちます。実験から遠ざかっていることを言い訳にして、「質問には答えられない」とかわそうとしたのです。でも、さすがにそれだけではまずいと思ったのか、ある思考実験を提案します。それは、「もし物体が地球の中を中心に向かって落下するとした…
科学史におけるニュートンの功績と言えば、何と言っても「微分積分法」と「万有引力」の発見ですが、彼がこの研究を完成させたのは、なんと24歳の時。ペストの大流行によりケンブリッジ大学が一時閉鎖されたため、やむなく故郷の田舎町ウールスソープに戻っていたわずか2年余りのうちに、彼はこの世紀の大発見をすべて完了してしまいます。1666年のことでした。ところが、なぜかニュートンはこの発見を論文として発表することはしませんでした。これが後の大混乱の原因となります。世紀の大発見を発表しないなんて、「落体の法則」の時のガリレオと同じですよね。そもそも「万有引力の法則」というのは、ほとんどガリレオとケプラーが発見…
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