株式会社ファイブスターズ アカデミー

まずはお気軽に
お問い合わせください。

03-6812-9618

村上 徹

延長12回ウラ(2)

狩野の空振りで、「振るなよ」という空気が球場を覆い尽くしますが、この時テレビ中継の解説を務めていた星野仙一の見解は、ちょっと違っていました。星野は、最初のストライクを振っていけるかどうかがポイントだと考えていました。そして、狩野が初球を空振りするのを見届けると「振ったからいいですよね。思い切って振りましたからチャンスはありますよ」と、球場のムードとは真逆のことを言い始めます。はたして星野の言葉どおり、狩野は豊田の2球目をバット一閃。快音を残し、糸を引くようなライナーがサードの頭上を越え、レフト線のフェアグラウンドでワンバウンドします。プロ入り初ヒットがサヨナラ打。狩野にとっては、生涯忘れられな…

続きを読む

延長12回ウラ(1)

同点で迎えた延長12回のウラ、2アウトながら満塁の大チャンス。日本のプロ野球では延長は12回までと決められていますから、後攻めのチームにもう負けはありません。最悪でも引き分け。最後のバッターにヒットが出ればサヨナラ勝ちですが、たとえヒットが出なくても四球を選べば勝利です。ところが、悪いことに打順はピッチャーに回ってしまいました。この時、代打要因としてベンチに残っていた野手は、プロ入りしてから一本もヒットを打っていない控えのキャッチャーただひとり。出場回数が極端に少ないこの選手には、難易度の高いサインではなく、極めてシンプルなサインを出す必要があります。もしあなたが監督だったら、ヒット狙いで「打…

続きを読む

頭のよくなる字体

2016年8月の『頭のよくなる薬』の回でリタリンという薬を紹介しましたが、これは結構な劇薬なので簡単に処方してもらえるものではありません。また、青魚に含まれる不飽和脂肪酸がいいらしいという話もしましたが、あくまで遺伝子に作用するのではないかという推論でしかなく、具体的な結果が得られたわけではありませんでした。でも今回は、「これをすれば必ず頭がよくなる」ことが、統計数字によって証明された画期的なお話です。2011年に『コグニション』に掲載されたディアマンド・ヤーマンとオッペンハイマーらの論文は、なんと「読みにくいフォントの文章を読むと暗記力がアップする」というもの。彼らは、被験者にエイリアンの特…

続きを読む

乾坤一擲の挑戦

清水の舞台から飛び降りるくらいの覚悟で、福沢諭吉を3人も召集して手に入れた『ロイヤル・ハウスホールド』とともに、至福の時を過ごしているときでした。 突然、ある疑問が閃めいたのです。 「こんな、女子供が飲むような“ヤワな”スコッチばかり飲んでいていいのだろうか?」 たしかに、ジェームズ・ブキャナンの口当たりのよいブレンドを堪能するだけなら、1/30の価格の『ブラック&ホワイト』で十分。 今の私に必要なのは、「快適」ではなく「修行」ではないのか。 そうだ。 スコッチの神様は、私に苦難に満ちた修行の旅に出ろと言っているのだ。 そして、次に脳裏に浮…

続きを読む

目立ちたくない

「失敗したくない」に加えて、最近の新入社員に見られる傾向が「目立ちたくない」です。私見ですが、これは子供の頃の「いじめ」に原因があるのではないでしょうか。昔はジャイアンのようないじめっ子がいたものですが、今のいじめは全く違います。ある日突然、仲良しグループの中で「仲間外れ」という現象が出現します。何か一つでも他のメンバーと違うところがあると、その違和感が引き金となってしまうようです。だから彼らは、自分がいじめられる立場にならないように、ひたすら集団の中に埋没しようとするのです。実は前回お話しした「失敗したくない」という心理も、裏を返せば失敗すると目立ってしまうからです。当然、逆のケースもありま…

続きを読む

失敗したくない

新入社員が配属されてから1カ月以上が経ち、そろそろ新しい環境にも慣れた頃。あなたのチームの新人クンも元気にやっているでしょうか?ここ数年で就活の環境は大きく変わりました。就職氷河期の頃の就活戦線は、敗北に次ぐ敗北という心が折れそうな苦い経験の連続でした。彼らにとって、これほど思い通りにいかない経験というのは、もしかしたら生まれて初めてのことだったかもしれません。ともあれ、大変な環境に置かれたことで、ある程度のストレス耐性が養われたことは数少ない成果のひとつでした。就活で繰り返し失敗体験を強いるのがいいことか悪いことかは別として、「失敗したくない」という意識が非常に強い最近の若者にとっては、人間…

続きを読む

残業を減らす方法(2)

吉越はなんと、残業した人数に応じた金額を、各部門にプールされているボーナスの財源から順次減らしていくという強硬手段に出ました。つまり、ある特定の部署がいつも残業していると、その部署のボーナスの財源がどんどん減っていき、その結果一人当たりのボーナス支給額が減るのです。一見するとずいぶんひどい強権発動のように見えますが、見逃してはならないのは、この施策によって売上も利益も増加したことです。重要なことは、仕事量とか労働時間ではなく「結果」です。社員は、決められた労働時間の中で最大の結果を出すために、自らの判断で無駄な仕事をどんどん割愛していったのです。これこそ真の意味での「働き方改革」です。もう一人…

続きを読む

残業を減らす方法(1)

かつて日本の職場には、基本的に「残業するのが当たり前」という共通認識がありました。そこに突然「働き方改革」なる黒船が押し寄せ、「残業を減らせ!」の至上命令が下りますが、残業を前提にした働き方が染みついている現場は大混乱。仕事量を減らすことができれば苦労はないのですが、それは無理な相談というもの。かと言って、人員増はもっと無理。結果、上からの「残業を減らせ!」の命令は、管理職をスルーしてそのまま部下に直接伝えられることと相成ります。しかし部下にしてみれば、仕事量が変わらないのに残業を減らせと言われても、何をどうしていいのかさっぱりわかりません。能率アップするにも限界があります。つまり、部下一人一…

続きを読む

カロリーゼロは逆効果

ダイエットコーラに変えたのに、ちっとも痩せない!かつてサッカリンが開発されたとき、これで世の中から肥満体がいなくなると大いに期待されたものですが、結果は見ての通り。いや、それどころか最近の研究では、カロリーゼロは却って逆効果かもしれないという驚きの報告までされています。2008年、スウィザーとディビットソンは、ラットにサッカリン入りのヨーグルトか、砂糖入りのヨーグルトを与え、それぞれの群の様子を観察しました。どちらも、ヨーグルトを食べた後には自由に動き回ることができ、しかも好きなだけエサを食べられる環境下に置きます。この時、カロリーゼロのサッカリン入りヨーグルトを食べたラットの方が、なぜか太っ…

続きを読む

数字の奴隷

過労死のニュースが後を絶ちません。職場でメンタル不全者が出ても、誰も驚かなくなりました。日本の職場を、そこまで追い詰めているのは一体何でしょう?私は、「数字」ではないかと思うのです。組織に与えられた今年度の数字は、どんなことがあってもやり遂げなければならない必達目標です。そしてその数字は、今年度の目標の利益額から逆算されたものです。社長自ら窓ガラスがビリビリ震えるほどの大声で、「チャレンジ!」と怒鳴りつけた結果、わずか3日で100億以上の利益をひねり出した事業部もありました。もちろん、会計上の数字をいじっただけの話ですけど・・・。まさに、「無理が通ればコンプライアンスが引っ込む」。今や「数字原…

続きを読む

初めての方へ研修を探す講師紹介よくある質問会社案内お知らせお問い合わせサイトのご利用について個人情報保護方針

© FiveStars Academy Co., Ltd. All right reserved.