株式会社ファイブスターズ アカデミー
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前回に引き続き、北原義典氏の「謎解き・人間行動の不思議」(講談社ブルーバックス)からの紹介です。あなたの前には、テレビが置かれていて、男性の顔がアップになっています。そして、この男性が「ma」と発音している映像が流れています。ところが、スピーカーから出てくるのは、「ka」と発声している音声です。さあ、あなたの耳には、なんと言っているように聞こえてくるでしょうか。①「ma」と聞こえる②「ka」と聞こえる③「pa」と聞こえる④何も聞こえない実際にやってみるとわかりやすいのですが、文章で書いただけでは想像しにくいですよね。まあそれでも、「③と④は、なしだな」と思われた方が多いのでは・・・・ところが、…
また、思い込みの話に戻りましょう。北原義典氏の「謎解き・人間行動の不思議」(講談社ブルーバックス)の中から紹介します。今2台のテレビがあり、左側のテレビを「A」、右側のは「B」とします。Aは、画面が真っ暗ですが、音は出ています。Bは、画面は映っていますが、音は出ていません。あなたは、少し離れて2台のテレビの真ん中に立っています。さあ、音はどんな風に聞こえてくるでしょうか。①Aの背後から聞こえる②AとBの両方から聞こえる③Aの背面から聞こえる④Bから聞こえる答えはあとで教えるとして、少し解説をしましょう。この実験は、聴覚と視覚のどちらが優位にあるかを調べるものです。えっ、早く答えを言えって?分か…
前回に続いてテレビ番組から、思い込みの事例を紹介しましょう。NHK総合の「みんなでニホンGO」という番組です。冒頭にクイズが出されました。巨人軍の長嶋さんが、現役選手を引退したときのセレモニーが映し出され、あの名言「我が巨人軍は、〇〇に不滅です」が紹介されました。問題は、〇〇の部分にはどんな言葉が入るかというものでした。これは簡単ですよね。 もちろん「永遠」に不滅ですよね。スタジオにいるほとんどの人がそう答えました。ところが、正解VTRを見ると、なんと「永遠」ではなく「永久」に不滅です、と言っているではありませんか。私はわが耳を疑いました。しかし、長嶋さんはまちがいなく「永久」に不滅です、と言…
先日テレビを見ていたら、大変面白い実験をしていました。NHK教育テレビの「サイエンスゼロ」という番組です。まず、2つの小さなコップが用意され、かき氷のシロップが入っていると説明を受けます。コップに入っている液体は、赤と緑です。もうこの時点で、誰だって「イチゴ」と「メロン」だなって思いますよね。実際、一口飲んだレポーターは、即座に「イチゴ」と「メロン」だと断言しました。次に、目をつむって2つのコップを飲ませます。すると、今度はレポーターが首を傾げています。なんと、どちらも同じ味がするというのです。種明かしをすると、どちらも同じ成分の甘い液体に、合成着色料で赤と緑を色づけしただけなのです。この着色…
好き嫌いというのも、思い込みと同じで、脳の中につくられた回路です。今回は、ハーモニカが大嫌いというだけで、人生最大の失敗をした男の話です。中山康樹氏の「ジャズメンとの約束」(集英社)で紹介されているその男の名前は、デイブ・デクスター・ジュニアといいます。彼は、キャビトル・レコードの敏腕プロデューサーでした。彼が見つけてきたミュージシャンは、ことごとくヒットを飛ばしていたため、社長は彼の「耳」を信頼して、I新人発掘の仕事を任せていました。ある変わった名前のグループから、再三デモのシングルが送られてきましたが、彼は取り合おうとはしません。会議の議題に上るたびに、デクスターの口から出る言葉は決まって…
前回は、脳の回路のおかげで、見えないものまで見えてしまう話をしました。今回は、色の話をしましょう。私たちの視野は結構広いですよね。頑張れば左右180度近くまで見えるような気がします。しかも視野全体がフルカラーです。目が不自由な人を除けば、途中から白黒になってしまう人なんていませんよね。ところが、人間の網膜の細胞を調べると、色を感じることのできる細胞は中心部分にしか存在していません。周辺部に行くと、明るさしか感じられない細胞ばかりです。つまり、本当は視野の中心部分しか、色がついていないはずなのです。でも、今見えている映像はフルカラーですよね。なぜなのでしょうか。それは、脳が、勝手に色をつけて編集…
思い込みというのは、脳の回路のしわざだという話をしました。実は、私たちが今見ているものも、本当にそこに存在するのか疑わしい場合もあるのです。目で見たものは、まるでテレビカメラのように、現実に存在するものを映し出していると誰もが思っていますが、そうではありません。脳という編集機能が備わっていて、理解しやすいように適当に編集してくれているのです。カニッツァの三角形という大変有名な図形があります。なんのことはない、鉤のようなものが3つ、凹んだ部分を真ん中に向けてそれぞ独立して置いてあるだけです。もっとわかりやすく言うと、鉤というよりも、丸い円に三角の切り込みのあるものです。昔流行った「パックマン」と…
思い込みの怖さについては、誰でも経験があるでしょう。なぜ私たちは、思い込みに捉われてしまうのでしょうか?答えは、脳の仕組みにあります。脳の中に、ある一定の回路が出来てしまうと、私たちはその考えに縛られてしまいます。これは、本人の努力だけでは改善できない場合もあるのです。昔、月面の写真が公開されたとき、太陽の光が影となって、人間の顔が浮き彫りとなっている一枚がありました。解説では、偶然そう見えるだけとなっていましたが、到底信じられませんでした。当時はなにやら霊的なものを感じましたが、今ならはっきり分かります。そうです。「顔細胞」のしわざですよね。ところが、この「顔の認知」についても、不思議なこと…
前回、部下ひとりひとりに対して、それぞれ一番うれしがるホメ言葉を使い分けている人物としてトミー・ラソーダという名前を挙げました。この人はメジャーリーグの監督だった人です。野茂投手がロサンジェルス・ドジャースに渡ったとき、でっぷりと太った監督がいたのを覚えている人も少なくないのではないでしょうか。あの監督こそ、トミート・ラソーダその人です。彼は支配下選手ひとりひとりについて、「言われてうれしいホメ言葉」を完璧に使い分けていました。その秘密はこうです。例えばジムという選手がヒットを打ったとしましょう。監督はすかさずベンチから「ジム、ワンダフル!」と声をかけます。しかし、ジムはあまり表情を変えません…
ホメる話を続けましょう。以前、管理職の研修をしていたとき、ある受講生がこう言いました。「私は部下をよくホメていますので、問題ありません」そこで私は聞きました。「部下それぞれを、何と言ってホメているのですか? ひとりずつ教えてください」彼の答えはこうでした。「いや、全員同じ言葉でホメてます」これは管理職として絶対やってはいけないことです。というのは、ホメられてうれしい言葉というのはひとりひとり違うからです。それぞれが一番うれしいと感じるホメ言葉を使わないと効果はありません。同じ言葉でホメるくらいなら、ホメない方がましです。部下のひとりひとりが、言われてもっともうれしいホメ言葉をキチンと使い分けて…
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