株式会社ファイブスターズ アカデミー

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村上 徹

姿勢反響

前回、相手との共通点をつくる、A-B-Xモデルについてお話しました。そして、「オウム返し」によって、「言葉」を共通にするテクニックを紹介しました。今回は、その上級編で、「姿勢」を共通にするテクニックです。親しい者同士が向き合っておしゃべりしていると、お互いの姿勢がまるで鏡に映したように反響し合います。これを最初に見つけたのは、動物行動学者のデズモンド・モリスです。あの名著「裸のサル」を書いた学者として、動物行動学の世界では知らない人がいないほどの超有名人です。これを逆に考え、アメリカの心理学者がこんなことを研究しました。親しくない者同士がおしゃべりするとき、一方がこっそり相手の姿勢を真似たとし…

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A-B-Xモデル

前回はフェスティンガーという人の「接近性の法則」についてお話しました。まず、距離の近い人と親しくなるということでしたね。ところがニューカムの実験は驚くべきものでした。新築の学生寮に多くの新入生を入居させるにあたり、出身地の同じ学生や趣味の同じ学生をわざと離れた部屋に割り当てたのです。当然最初のうちは、「親しい人は誰?」と聞いたら、みんな部屋が近くの人をあげました。しかし1年もすると、同じ出身地の人や趣味が同じ人と親しくなっていたのです。お互いの部屋は、距離的にはかなり離れているにも関わらずです。つまり、お互いの共通点があると、距離のハンデを超えて親しくなるのです。これを図解すると、AさんとBさ…

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接近性の法則

職場で配置換えがあったりして、新しいメンバーと仕事するときなど、誰と最初に親しくなりますか?多くの場合、席が近くの人ですよね。フェスティンガーという心理学者は、「接近性の法則」というのを発見しました。ある新築の2階建てアパートがありました。全室が同時に埋まったのですが、しばらくして入居者全員に「誰と親しいですか?」という質問をしてみました。するとほとんどの人が「隣人」と答えたのです。つまり、人はまず、距離の近い人と親しくなるということです。合コンの時など、あなたの興味を引く異性がいたとしても、遠く離れた座席のままでは親しくなるのは難しいです。ですので、勇気をもって「席替えタイム」を提案しましょ…

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今年こそよい年に・・・

あけましておめでとうございます。毎年、正月には「今年こそよい年に・・・」と思うのですが、こと経済に関しては、ここ20年間ずっと裏切られ続けています。ある小説家が、言いました。「日本には何でもある。しかし、希望だけがない」しかし今年は違います。ようやく経済学に関する高い見識をもった内閣が誕生し、景気の命運を握っている日銀を正しい方向に導こうとしています。2%のインフレ目標もアコードも、10年以上前から経済学者が主張していたものです。今年は、財政出動ではなく、金融政策の威力を実感する1年になります。長く円高に苦しめられ、経営そのものが危うくなっていたメーカーも今年は一斉に業績回復する年になります。…

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日銀のバランスシート

日銀が株を買ってはいけないという主張する人の主な根拠は、もし株が下がった場合、中央銀行のバランスシートが毀損してしまい日本国の信用が損なわれる、というものです。私は二つの理由で、この主張は間違っていると思います。まず、一つ目。そもそも、多くの国民の生活が毀損しているのに、日銀のバランスシートだけがピカピカの優等生であることに、一体どれほどの価値があるのでしょう。アメリカのFRBは、2012年9月にQE3を発表しました。これは、中央銀行が住宅担保証券を、この先ずっと買い続けるということを宣言したのです。アリメカではサブプライムローム問題発生以来、住宅担保証券の価格はかなり低迷しています。この誰も…

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日銀が株を買う?

前回、お金を借りようとしない企業や、貸出に応じない市中銀行の姿勢が問題なのではなく、やはり日銀に責任があると言いました。今回はこの理由を述べます。まず問題を整理しましょう。そもそもは、市中銀行のブタ積みが問題でした。これを少なくすることを考えればいいわけです。銀行が有効に資金を活用しようとする際、企業への貸し出しだけが活用手段ではありません。現に、今はかなりの部分が国債の購入に回されています。だから、日本国債がチョー高値になっているわけです。10月に日銀があらたなマネー供給のパイプを作ったのは、資金が国債購入ではなく、企業貸出に向かってほしいという狙いがあるからです。そこで、こう考えてみてはど…

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修正ソロスチャートに関する疑問

修正ソロスチャートに関するブログの回で、疑問を持った人もいると思います。その疑問というのは、以下のようなものです。日本で、銀行貸し出しが進まない限り、円安にならないのだとしたら、それは借りようとしない企業や、貸そうとしない銀行の問題であって、日銀の責任ではないだろうと。その疑問に答える前に、まず修正ソロスチャートとは何かについてもう一度おさらいしましょう。そもそもソロスチャートというのは、日米の中央銀行が、市中銀行に対してどれだけのマネタリーベースを提供しているかという比率を求め、それを時間の経過とともに折れ線グラフとして表します。次にドル/円レートの推移を時間の経過とともに折れ線グラフにする…

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勝率99.4%

前回同様、岩田規久男著「日本銀行デフレの番人」(日経プレミアシリーズ)からご紹介します。まず、前回のおさらいをしましょう。日銀の物価目標は、前年比上昇率0%~2%です。そして、コアインフレ率で毎月の達成度合いを見ると、10勝158敗となり、勝率はわずか6%にすぎませんでした。でも、日銀を擁護する人々はこう言います。「それほどインフレ率の誘導は難しいのだ」と。本当でしょうか。そんなにも物価の安定、つまりインフレ率の誘導は難しいのでしようか。そこで、今回は、海外の中央銀行の勝率を見てみます。岩田氏が分析したのは、アメリカ、イギリス、オーストラリアでした。どの国もインフレ率は1~3%に目標設定してい…

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10勝158敗

このブログで、日銀の政策の問題点を指摘してきました。しかし、みなさんの中には、「詳しくはわからないが、日銀だって精一杯やっているはずだ。金融政策というのは複雑なので、一概に責任は問えない」とお思いの方も多いのではないかと思います。なるほどその通りです。でも、自民党の安倍総裁が、日銀に対して量的緩和を推し進めるという方針を打ち出した途端、一気に円安、株高が進みました。ということで、「詳しくはわからないが、日銀も精一杯やっているはずだ」という考えについて一度冷静に検証してみる必要がありそうです。でも、どうやって検証したらいいのでしょう。一般に、ビジネスでは目標が設定されています。日銀の目標とは何で…

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マッカラム・ルール

経済成長率には、実質成長率と名目成長率の2種類があります。実質成長率というのは、それこそ産業構造だとか、企業の成長力とかに関係します。ですので、金融経済学が頑張れる部分は限られてきます。一方、名目成長率というのは、インフレ率を加味したものですのでこれは金融経済学の守備範囲です。日本政府が、名目成長率をいくらにするかという目標を立てた場合、それが達成できるかどうかは、日銀がどの程度のマネタリーベースを供給するかにかかっています。この関係を表したのがマッカラム・ルールです。経済学を学んだ人なら誰でも知っているルールです。再三紹介している安達氏の「円高の正体」に、名目成長率が2%および4%を目指した…

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