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村上 徹

ウソを見抜く心理学(3)

前回は、刑事のテクニックをご紹介しましたが、今回は検事です。元東京地検特捜部・副部長の若狭勝氏の書いた「嘘の見抜き方」(新潮社)からご紹介します。まず怪しいのは、質問には直接答えず、逆に質問で返すパターンです。例えば「オレを疑っているのか?」とか、「オレの言うことが信じられないのか?」という反問です。地方自治体の会議では、市長など行政のトップには反問権が与えられていないそうです。また、明らかに聞こえているはずなのに聞き返してくるというのは、時間稼ぎの可能性があります。しぐさでは、不自然な笑いがあげられます。不自然というのは、一瞬だけの笑顔とか、逆に数秒続く長い笑顔です。この、「感情の持続時間」…

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ウソを見抜く心理学(2)

前回は、心理学の知見をお話しました。今回は、刑事のお話をしましょう。北芝健氏です。氏は元警視庁の刑事です。彼の「落としの技術」(双葉社)によると、以下のようなしぐさの変化が現れるそうです。まず、緊張感が走るため、呼吸が浅くなったり早くなったりします。また、声帯が固くなるため、声のトーンが高くなることもあるそうです。しかし、時にはそれらをすべてクリアーするような、「ベテランの容疑者」?もいるそうです。ところが、そのベテランでも、滑舌が悪くなったため刑事にウソを見破られました。視線がどちらの方向を向くかも観察ポイントです。私の研修では、実際に脳科学の実験に参加してもらいながら体験します。具体的には…

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ウソを見抜く心理学(1)

私は10年前に「『売る力』の法則」(PHP研究所)という本を上梓しましたが、その中に「しぐさで見抜く」という一章を設けました。人間のちょっとしたしぐさが、どのような心理状態を表しているのかという研究や知見は結構存在します。それらを丹念に集めて、ひとつの章として構成したわけです。今回は、ウソをついたときのしぐさについて、最近の研究なども含めてお話したいと思います。まず、ウソをつくと、わずかではありますが体に緊張感が走ります。生理学的に言うと、交感神経が優位となります。すると、ごく若干ではありますが、体がこわばったり発汗したりします。ウソ発見器というのは、微量の電流を流して、手のひらの発汗作用を感…

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アンカリング効果

実際にあった、家庭用浄水器の販売話法です。「水道水には、微量ですが発がん性物質が含まれています。最近は性能のいい家庭用浄水器が開発されていますが、どうしても10万円はします。特に性能の良いものとなると、20万、30万するものもあります。でもわが社の新製品は、全く新しい除去機能を開発しましたので、なんと3万円台で提供できるのです」これだけ聞くと、とても安い感じがしますよね。これが、アンカリング効果です。別名フレーミング効果とも言います。要するに「10万円」というフレームが提示されると、その辺が相場なのだと思い込んでしまう効果です。すると、「3万円台」はずいぶん安く感じてしまいます。スーパーの特売…

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傍観者効果

深夜、あなたの家の近くで悲鳴が聞こえました。窓から様子を窺うと、女性が暴漢に襲われているではありませんか。急いで110番しようとしたあなたの目に、近所の人たちが大勢窓から顔を出しているのが見えました。さあ、どうします?こんなにたくさんの人が目撃しているんだから、きっと誰かが110番するだろうって思いません?実際にニューヨークで、38人もの人間が気づいていたにも関わらず、誰も警察に通報しなかったため、襲われた女性は殺されてしまったという事件がありました。マスコミは都会の非情さについて書き立てましたが、ラタネとダーリーという二人の心理学者は、大勢の人が目撃していたため、みんなが傍観者となってしまっ…

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囚人と看守

前回のミルグラムの実験と同様、心理学界ではタブー視されている実験をもうひとつご紹介しましょう。スタンフォード大学のジンバルドーが行ったものです。参加者を看守役と囚人役に分けます。、今度はトリックはありません。そして、実際の刑務所にかなり近い施設を作り、そこで生活させるのです。看守役は看守として、そして囚人役は囚人として。その際、芸が細かいのは、リアルな囚人体験をしてもらうことです。彼らはバトカーで護送され、指紋を採取された上で囚人服を着せられ、ご丁寧なことに片足には鎖がまかれました。一方、看守役にも制服が支給され、実際の看守のように振舞うことが要求されます。実験が進むにつれ、囚人役はどんどん卑…

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アイヒマンの実験

それまではパランス感覚に優れた常識のある人だったのに、営業部門に異動したとたんに、鬼軍曹のようになって数字、数字とわめきたてる。そんな人っていますよね。心理学界では、かなり有名な割りには、触れることさえタブー視されている実験があります。イェール大学のスタンリー・ミルグラムが行った実験です。まず、参加者を教師役と、生徒役とに割り振ります。実はこれにはトリックがあり、被験者はすべて教師役が当たるようになっています。つまり、生徒役になった人はすべて「サクラ」なのです。そして、教師役は、電気ショックのスイッチを入れなければなりません。スイッチを入れると、隣室にいる生徒役の人に電気が流れる仕組みとなって…

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ソロモン・アッシュの同調実験

昼ごはんを食べに行って、他の人がみんな同じメニューを頼んだりすると、あなたもつられて同じものを注文していませんか?このような同調は、昼ごはん程度なら問題ないのですが、なんと、明らかに間違っていることまで他人に合わせてしまう傾向があるのです。2枚の紙を用意し、1枚目には3本の、明らかに長さの違う直線を描きます。もう1枚の紙には、3本のうちのどれかと同じ長さの直線を描きます。さて、ここからが実験です。2枚の紙を同時に見せて、3本の直線のうち、もう1枚の紙に書かれている直線と同じ長さの直線はどれかと聞くのです。明らかに長さが違うので、通常では誤った回答をする率は0.7%でした。ところが、8人のメンバ…

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フット・イン・ザ・ドア

前回のドア・イン・ザ・フェイスは、最初に過大な依頼事をして断られた後に、ハードルの低い依頼をすると、OKがもらいやすいということでした。今回は、まったくその逆で、ハードルの低い依頼から始めるというテクニックです。スティンプソンらのグループは、まず最初に、大学生に環境に関するアンケートをお願いしました。そして次に、その関連で木を植えるボランティア活動に参加してほしいと頼みます。すると、アンケートを断った人は、ボランティア活動も断わりましたが、アンケートに答えた人は、ボランティア活動についてもOKする人が結構出てきたのです。これは一貫性の原理といって、人間は一度ある行動をとると、次の行動についても…

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ドア・イン・ザ・フェイス

アメリカのチャルディーニが行った実験です。まず大学生に、2年間、毎週2時間のボランティアを持ちかけます。当然断りますよね。ところが、そのあとに、今度は1日だけ子供を動物園に連れて行くボランティアを依頼します。すると、50%の人がOKしたのです。これは、最初に大きな依頼事を提示されると、そのあとに提示される小さな依頼事に関しては、OKされやすくなるという現象です。でも、冷静になって考えると、OKしてしまった依頼事も、結構大きな依頼事ではあるのです。もう一度、整理してみましょう。まず一方が、過大な依頼をします。当然断られます。その後、今度は大幅に譲歩した依頼をします。すると、依頼された側も、なにか…

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