株式会社ファイブスターズ アカデミー

まずはお気軽に
お問い合わせください。

03-6812-9618

村上 徹

それは本当に短所?

ユニリーバが、自社の有力ブランドである『Dove』を訴求するために制作した、『ダヴ・リアル・ビューティー・スケッチ』というCMが人気を集め、YouTubeで2億回以上閲覧されたそうです。FBIの似顔絵捜査官でもある法医学画家のジル・ザモーラが、証言を基に女性の肖像画を描くというものですが、そのやり方がちょっと変わっています。最初は、カーテン越しに女性本人が話す、「自分の顔の特徴」を手がかりに描きます。次に、その女性と直前に会った他人が話す、「自分が会った女性の顔の特徴」を基に描きます。その後女性本人は、出来上がった2枚の絵を見せられるのですが、その時あることに気づくのです。それは、自分では短所…

続きを読む

ほめるコツ

フツーの管理職が、フツーの部下を育てる時に最も効果的なのが、「ほめて育てる」指導法です。ところが、この「ほめる」という指導法には、とても重要なコツがあります。場合によっては、スパルタ教育より難易度が高いとも言えます。まず、あなたがほめるべき点は、部下が最もほめてほしいと思っている点と一致していなければなりません。もし、一致していなかったら、部下はきっとこう思うでしょう。「オレのこと、何も見てないじゃないか!」つまり、「ほめる」という行為は、日頃から部下の行動を詳細に「観察」していなければできないことなのです。さらには、ほめ言葉にも注意が必要です。「言われて嬉しいほめ言葉」というのは、人によって…

続きを読む

スパルタ教育

リオ・オリンピックで、シンクロの井村雅代監督が素晴らしい結果を残しました。すると世の管理職の中に、井村監督のスパルタ教育を礼讃する人が増え始めました。厳しい指導こそが、たくましい部下を育てるのだと。この主張をする人は、だいたい50代以上。すなわち、若い頃に上司から怒られて育った人たちです。彼らは、現在の管理職研修で教わる「ほめて育てる」という指導法には、少なからぬ違和感を覚えている人たちでもあります。自分たちは怒られて、怒られて、時には叩かれて育ったのだ。それでも上司や先輩に食らいついて、一生懸命に仕事のコツを盗んだのだ。今の若い奴らの中にも、そういう風に育てた方が伸びるのがいるはずだ。やれパ…

続きを読む

作家とウィスキー(2)

前回は『ルパン』での太宰の撮影秘話をお話ししましたが、『ルパン』と言えばやっぱり坂口安吾。自宅では、作業服と昔の大工の前垂れを合体させたような、「安吾服」なる奇妙な創作服の大きなポケットに常にサントリーの角瓶を忍ばせていたそうです。しかし、『ルパン』ではもっぱらジンと卵黄とレモン、そして少々の砂糖を加えたゴールデンフィズというカクテルを好みました。開高健と山口瞳は、もともとサントリーの前身である寿屋の宣伝部員。ですので、ウィスキー好きなのは当たり前。「『人間』らしく やりたいナ トリスを飲んで 『人間』らしくやりたいナ 『人間』なんだからナ」このコピーで一躍名をあげた開高が最も愛したのは、スコ…

続きを読む

作家とウィスキー(1)

黒井千次の『時間』を最後に、小説は読まないという主義を貫いて、もう40年近くになりますが、今回は作家とウィスキーの関係について考えてみたいと思います。なぜそんな気になったかと言うと、三鍋昌春のこんな文章を目にしたからです。「ウィスキーとは基本的に舞台装置で飲む酒ではない。飲み手の知性を引き出し、自我に向かっていざなってくれる酒である。誰と一緒かとか料理の相性はどうかといった外面ではなく、飲み手自身の心の内面との対話に導く」深いですね。ちなみに三鍋は作家ではなく、某洋酒メーカーの部長です。ウィスキーの前では、誰でも自然に文学的センスが磨かれるのかもしれません。作家の酒癖については、矢島裕紀彦の著…

続きを読む

番犬か狂犬か

ウォール街をはじめとする支配階級の利権の番犬、ヒラリー。片や何をするかわからない狂犬、トランプ。アメリカは、富裕層が支配する閉塞感に満ちた社会体制をこのまま維持する者を選ぶのか、それとも体制をぶっこわしてくれそうな狂暴な破壊者を選ぶのかという、究極の選択を迫られたわけです。クリントンが勝てば、生活は相変わらず苦しいままで、必死で稼いだお金はウォール街に横取りされるだけ。一方、トランブが勝てば、アメリカで最も危険な男の手に核のボタンを委ねることになります。究極の選択は、狂犬の勝利で終わりました。当初は泡沫候補と見られていたトランプを、モンスターにまで育ててしまったのは一体何だったのでしょうか。そ…

続きを読む

会社の中で偉くても

Jリーグチェアマンの村井満のユニークな発想の原点は、かつて勤務していたリクルートにありました。彼はリクルートの本質を、「変化」であると断言します。あなたの会社の本質は何ですか?間違っても「変化」ではありませんよね。変化しているのは、会社を取り巻く環境の方です。環境が激変しているにも関わらず、伝統的なビジネスモデルを踏襲している企業はヤマほどあります。いや正確に言うと、社長が退任するまでの何年間かだけ、伝統的なビジネスモデルが維持できればそれでよいのです。そこには、10年後や20年後といった長期の視点は欠落しています。なぜなら、その時には「自分はもういない」からです。企業が変わらなければならない…

続きを読む

真ん中にMを置け

Jリーグチェアマンの村井満が、「PDCAの真ん中にMを置け」と主張しています。つまり、「PDCA」ではなく、「PD“M”CA」だと言うのです。PDCAは、どこの会社でも金科玉条の如く祭壇に祀られていますが、「真ん中にMを置く」とは一体どういうことでしょう?Mとは「ミス」のことだそうです。すなわち、最初からミスのないPDCAは大した成果をもたらさないということです。これはかなり意外な発想です。一般には、ミスを犯さないために綿密なP(計画)が立てられます。そして、D(実行)の最中も常にC(評価)を行って、A(改善)という微修正を繰り返します。すべては、ミスを最小限に抑えるためにPDCAを回すのです…

続きを読む

内的な死

男性の平均寿命は80.2歳、女性は86.6歳だそうです。その長い人生の中で、ピークというのは一体何歳頃なのでしょうか?判断力などの総合的な能力は、経験が豊富なほど有利なため、中高年の方が高いように思います。しかし、情熱とかエネルギーといったものは、若いときのそれには到底及びません。それからもう一つ、若いときにピークを迎えるのが、「感性」というものではないかと私は思うのです。長編の落語を聴いていて、ふとそんなことを考えました。怪談『真景累ヶ淵』。全編97章からなる超大作です。六代目三遊亭圓生の噺を、8話目の『聖天山』までYouTubeで聴きました。8時間以上かかりましたが、あっという間に引き込ま…

続きを読む

父を超える

以前、ブルーノートの70周年を記念して結成された、ザ・ブルーノート・セブンというグループのアルバムを聴いていた時、テナーサックス奏者がラヴィ・コルトレーンという人だということに気がつきました。もしかしたらと思ってライナーノーツを読んだら、案の定あのジャズの巨人ジョン・コルトレーンの息子。ところが、驚いたことに彼がサックスを手にしたのは、なんと二十歳を過ぎてからなのだそうです。何でも父親の『ソウル・トレーン』を聴いて感化されたのがきっかけとのこと。ということは、それまであの名アルバムを一度も聴いていなかったことになります。いくら早世したとはいえ、あれほど偉大な父親でさえ、息子にとっては大して存在…

続きを読む

初めての方へ研修を探す講師紹介よくある質問会社案内お知らせお問い合わせサイトのご利用について個人情報保護方針

© FiveStars Academy Co., Ltd. All right reserved.