株式会社ファイブスターズ アカデミー
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前回、チョコレートはストレスに効くという説は、やや眉唾ものであると書きました。なぜでしょうか。それは、血液-脳関門の問題があるからです。私たちの脳には、変な物質が入り込まないように厳重な警備体制が敷かれています。もしも、食品の中に含まれている物質が、いとも簡単に脳に効いてしまうと大変なことになりますよね。そこで、胃腸で消化されて血管を通って脳に運ばれてきた物質は、脳の中にある関所のような関門で検問を受けることになります。この検問のチェックがやたら厳しくて、ほとんどの物質は脳には入り込めずに、再び血管を通って体内を巡る旅に出ることになります。実際に、この関門を通れるのは、アルコールとかニコチンと…
少し前のことですが、テレビを見ていたら「ストレスに打ち勝つ」といううたい文句で、チョコレートのCMが流れていました。本当にチョコレートを食べるとストレスが緩和されるのでしょうか。一応、その理論的根拠としてあげられているのが、GABA(ギャバ)という物質です。正式名称はγ-アミノ酪酸と言います。びっくり遺伝子の回で触れましたが、私たちの脳には「抑制神経系」というものがあります。一般に脳が活動するということは、脳細胞が発火して活性化することを言いますが、抑制神経は全く逆で、発火を抑える働きをします。つまり、悩み事があってどうにもならないというのは、脳細胞が異常に発火してしまっている状態のことなので…
かつて「K・Y」という言葉がはやりましたよね。空気が読めないということは、話していても相手の気持ちが読めないということです。でも、自分の身に置き換えてみると、気持ちを汲み取りやすい相手と、そうでない相手がいることもたしかです。そして、このときの脳の働きも解明されつつあります。今回ご紹介するのは、ストループ課題という実験です。パソコンの画面上に、 dog という文字が3つ表示されたとしましょう。このとき、あなたは「3」のボタンを押さなければなりません。例えばmurder(殺人) などという犯罪がらみの文字が出ると、ボタンを押すまでの反応時間が長くなる傾向があるそうです。たぶん、感情が入ってしまう…
理屈ではうまく言えないけれど、なんとなく嫌な予感がすることってありますよね。この「予感」っていうのは、科学的に根拠があるのでしょうか。結論から言うと、よくわかっていません。ただ、非科学的と切り捨ててしまうのも、ちょっと問題なんです。今回ご紹介するのは、心理学では大変有名な「アイオワ・ギャンブリング課題」です。今、あなたの目の前には、裏返しに伏せたカードの山が、4つあります。左からA、B、C、Dとしましょう。好きな山から1枚ずつカードを引いていきますが、どの山もほとんどは【当り】で、10枚に1枚の割合で【はずれ】があります。AとBの山の場合、【当り】が出ると1万円もらえます。【はずれ】だと12万…
前回、幽体離脱について、その脳内メカニズムを紹介しましたが、今回は神様が見えるメカニズムの話です。アンドリュー・ニューバーグという人が、「脳はいかにして〈神〉を見るか」(PHP研究所)で紹介している話です。チベット仏教やフランシスコ修道会の、修行を積んだ偉いお坊さんや修道女の頭に、SPECTという特殊な装置をつけます。彼らが瞑想をして、「神が見えた!」瞬間に合図をしてもらいます。と同時に、隣室に控えている科学者たちが点滴の管に放射性の薬品を注入すると、SPECTを通して脳のどの部分の血流が変化しているかがわかる仕組みです。これによると、頭頂葉近くの大脳皮質にある「方向定位連合野」という部分の活…
最近は脳の研究が進んだせいか、「金縛り」を怪奇現象だと信じている人はほとんどいなくなりました。しかし、「幽体離脱」となると、なにか科学では解明できない神秘的なものを感じてしまいますよね。ところが、これも単なる脳内現象なのです。脳の、頭頂葉と後頭葉の境界付近に「角回」というところがあります。なんと、右脳のこの部分を刺激すると、誰でも簡単に幽体離脱が経験できるそうです。しかし、なぜ脳にこんな機能がついているのでしょうか。東京大学准教授の池谷祐二氏の見解はこうです。他人の視点から自分を見るというのは、自分を客観的に見るということに他なりません。つまり、「どうしてうまくいかないのだろう」とか、「自分の…
あなたは何歳まで、「おねしょ」してました?小さいお子さんをお持ちの方にとっては、梅雨時などは本当に困りますよね。さて、この夜尿症にも型があって、Ⅰ型というのは7歳過ぎまで毎晩3回かそれ以上おねしょをしてしまう患者です。アイバーグが、デンマークで400家族を対象に調査したところ、11家系でⅠ型が見つかりました。結構多いですよね。そして、その原因遺伝子についても大体の位置が分かっています。13番染色体長腕部分の、q13からq14バンドの間に存在するそうです。ウーン。おねしょまで遺伝だったとは・・・・ちなみに、このqというのは地図の番地を表す住所表記のようなもので、X染色体の長い腕の方がq、短い腕の…
ちょっと用事を思い出してコンビニに立ち寄ったら、おいしそうなデザートが目につきました。思わず手に取りたい衝動としばしの間格闘した後、見事にその誘惑に打ち勝った私は、決然と踵を返して店の外に出たのでした。こんな自分をほめてやりたいなどど思っているうちに、はっと思い出しました。そうだ! 買い物があったのだ!こんな経験ってありません?えっ!? お前だけだろって? すみません・・・実は、このモノ忘れについても遺伝子の影響があるようです。ショウジョウバエの中に、異常にモノ忘れが激しい健忘症のハエがいます。「アムネジック」というそうですが、amnという遺伝子に異常が見つかっています。ヒトで、このamn遺伝…
ちょっと驚かしただけでも、飛び上がって驚く人がいます。何もそんなに大げさに・・・・と思ってしまいますが、これもどうやら遺伝らしいのです。遺伝性びっくり症候群というのは、正式にはラター症候群といいます。なんでも、アメリカのメーン州のムースヘッド湖畔に、フランスから移住した人々の集落に大変多いそうです。彼らは、ちょっとした音でも飛び上がって驚きます。原因は第5染色体上にある、グリシンの受容体の異常です。グリシンというのは抑制性神経の伝達物質なので、これに異常があると感情のブレーキがうまく利かずに、興奮しっぱなしということになってしまいます。もしかしたら、すぐかっとなる「瞬間湯沸かし器」タイプの人な…
一生懸命ジムに通ってマッチョな体になったら、その筋肉は子どもにも遺伝するのでしょうか。残念ながら、これは獲得形質といって遺伝しません。昔、ある学者が、何代にもわたってネズミの尻尾をちょん切ってみましたが、生まれてくる子どもはみんなちゃんと尻尾が生えていたそうです。以前、球技の能力も遺伝しないと書きました。これも獲得形質のようです。では、運動能力はすべて本人の努力で決まってしまうのでしょうか。実はそうともいえないのです。オリンピック症候群という病気?が報告されています。これはエリスロポエチン(EPO)の受容体に遺伝子変異が起こるものです。本来は508個のアミノ酸で作られるのですが、変異が起こった…
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