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村上 徹

モノ忘れ遺伝子(酒好きには朗報)

ちょっと用事を思い出してコンビニに立ち寄ったら、おいしそうなデザートが目につきました。思わず手に取りたい衝動としばしの間格闘した後、見事にその誘惑に打ち勝った私は、決然と踵を返して店の外に出たのでした。こんな自分をほめてやりたいなどど思っているうちに、はっと思い出しました。そうだ! 買い物があったのだ!こんな経験ってありません?えっ!? お前だけだろって? すみません・・・実は、このモノ忘れについても遺伝子の影響があるようです。ショウジョウバエの中に、異常にモノ忘れが激しい健忘症のハエがいます。「アムネジック」というそうですが、amnという遺伝子に異常が見つかっています。ヒトで、このamn遺伝…

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びっくり遺伝子

ちょっと驚かしただけでも、飛び上がって驚く人がいます。何もそんなに大げさに・・・・と思ってしまいますが、これもどうやら遺伝らしいのです。遺伝性びっくり症候群というのは、正式にはラター症候群といいます。なんでも、アメリカのメーン州のムースヘッド湖畔に、フランスから移住した人々の集落に大変多いそうです。彼らは、ちょっとした音でも飛び上がって驚きます。原因は第5染色体上にある、グリシンの受容体の異常です。グリシンというのは抑制性神経の伝達物質なので、これに異常があると感情のブレーキがうまく利かずに、興奮しっぱなしということになってしまいます。もしかしたら、すぐかっとなる「瞬間湯沸かし器」タイプの人な…

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運動能力遺伝子

一生懸命ジムに通ってマッチョな体になったら、その筋肉は子どもにも遺伝するのでしょうか。残念ながら、これは獲得形質といって遺伝しません。昔、ある学者が、何代にもわたってネズミの尻尾をちょん切ってみましたが、生まれてくる子どもはみんなちゃんと尻尾が生えていたそうです。以前、球技の能力も遺伝しないと書きました。これも獲得形質のようです。では、運動能力はすべて本人の努力で決まってしまうのでしょうか。実はそうともいえないのです。オリンピック症候群という病気?が報告されています。これはエリスロポエチン(EPO)の受容体に遺伝子変異が起こるものです。本来は508個のアミノ酸で作られるのですが、変異が起こった…

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酒好き遺伝子

今回は、お酒の話です。プリンストン大学のシルバーらの実験で、水を好むネズミとアルコールを好むネズミと、2つの系統があることが確かめられました。もし、ヒトにも同じ遺伝子があると仮定すると、男性では第2、第9染色体、女性では第17染色体があやしいそうです。気になりますね。ところで、そもそも酒好きというのは、お酒に強い人がなるものです。酒に強いかどうかは、アセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH2)の遺伝子を持っているかどうかで決まります。これは、第12染色体の一部が、ほんのちょっと違うだけで起こります。日本人では、40%がこの酵素を持たないそうですが、訓練?によって飲めるようになったという人もいますよ…

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IQを高める食事

マサチューセッツ工科大学のオローワンという人は、人間の脳が発達したのは、血中の尿酸濃度が高くなったためだという仮説を発表しています。これにより尿酸が中枢神経を刺激して脳の発達を促したというのです。たしかに欧米の研究によると、大学教授などIQの高い人の尿酸値は高いそうです。ニュートンやダーウィン、さらにはアレクサンダー大王も痛風だったと聞くと、なかなか説得力がありますよね。イギリスに、Mensaという集まりがあります。IQ148以上の人たちが加入できるそうですが、このメンバーのうち1355人を解析したところ、小児自閉症や近視のほかに痛風が多いという特徴がありました。ということは、「痛風の人はIQ…

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IQ遺伝子

そもそも、IQ(知能指数)は遺伝で決定されるのでしょうか?もしYESといわれると、なにか絶望的な気になりますよね。プロミンの研究によれば、100%遺伝子が同じ一卵性双生児の場合、IQの相関は85%もあったそうです。これが、遺伝子的には50%の相似性となる兄弟・姉妹では、相関は65%にまで落ちます。遺伝的相似がもっと低くなる第二等級親族や第三等級親族になればなるほど、IQの相関はどんどん低くなります。でも、ちょっと待ってください。ここには落とし穴があります。一卵性双生児というのは、ほとんど同じ環境で育っていますよね。ということは、先天的な要素だけでなく、後天的な要素も同じということになってしまう…

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遺伝しない性格

今回は、遺伝しない性格、つまり後天的につくられる性格についてみてみましょう。前回同様、石浦章一氏の説です。遺伝ではなく、後天的に作られる性格は、以下の3つです。まず、自己志向。わかりやすく言うと、自立心のことです。具体的には、自己責任を感じたり、臨機応変に対応することです。また、自己受容も含まれます。自己受容のできている人は、「もし自分が○○だったらよかったのに・・・」などと思うことはありません。自立心の弱い人に申し上げます。決して遺伝のせいにしてはいけません。でも、育った環境が原因だとすると、結局は親の責任ということになりますかね。次に、協調性。他人の気持ちを考えたり、同情したり、協力しよう…

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遺伝する性格

性格は遺伝するのでしょうか?なんとなく、するような、しないような・・・・今回ご紹介するのは、東京大学の石浦章一氏の説です。氏によれば、遺伝的な要因が認められのは、以下の3つの性格だそうです。ただ、100%遺伝で決まってしまうわけではありませんので、誤解しないでくださいね。あくまで、遺伝することもありうるという程度ですから。まず、新奇性追及。これは好奇心遺伝子の回でお話した、ドーパミン受容体のことです。具体的には、探究心の強さや衝動買い、さらには浪費癖なども関係するそうです。この辺については、あとで「酒好き遺伝子」や「禁煙できない遺伝子」というテーマで取り上げる予定です。ご期待ください。無視でき…

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浮気遺伝子

今回の脳内物質は、バゾプレッシンです。前回お話したオキシトシンと大変よく似た構造で、おなじ9つのアミノ酸から成り立っていますが、そのうちの2つが違うだけです。よって、この物質も恋愛などに関係しているといわれています。今回の話は微妙なテーマですので、もちろん人間の話ではありません。ハタネズミという動物の話ですが、同じ仲間でありながら行動が全く違う2種類がいるのです。まず、プレイリーハタネズミですが、こちらは一夫一婦制です。つまり浮気をしません。もう一方は、アメリカハタネズミですが、こちらのオスは風来坊のようなさすらい生活をしていて、たまたま出合ったメスとすぐ交尾をするそうです。とんでもない浮気者…

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人を信じるホルモン

以前、行動ファイナンスの話をしましたが、最近では経済学と脳科学が融合して、経済行動を脳のメカニズムから解明しようという動きが盛んです。2週間も脳内情報伝達物質の話をしましたので、ついでに少し触れておきましょう。今回は、オキシトシンという物質のお話です。この物質は、愛情に関係するホルモンとして知られています。ここではマネーゲームの際の作用について調べた、チューリッヒ大学のマイク・コスフェルドらの実験を紹介しましょう。あなたは、ゲームのプレイヤーです。胴元からあなたに、投資資金として12,000円が支払われました。あなたは、そのうちのいくらかを顧客に投資します。投資金額は、4,000円、8,000…

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