株式会社ファイブスターズ アカデミー
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今回はデジカメを買うときの不思議な行動についてです。ネタ元は前回同様、パコ・アンダーヒルの著書です。デジカメというと、一般的に男性が買っていくケースが多いだろうと想像しますが、実際の購入者の男女比は同じくらいだそうです。ただ、売り場を訪れるのは圧倒的に男性が多く、その多くはカタログをもらって帰るそうです。つまり、家に帰ってからじっくり比較・検討してから機種を決めるタイプが多いようです。女性はそんな面倒くさいことはしません。その場で気に入ったものがあるとすぐに買ってしまいます。ところで、このデジカメを買うときの行動について、男性と女性で決定的に違っていることがあります。これが不思議なんですよね。…
今回は脳の話ではありません。マーケティングの研究者の中には、私たちがモノを買うときについついしてしまう、不思議な行動について研究している人がいます。日本で大手の広告代理店と組んで様々な実験をしている、パコ・アンダーヒルの著書から拾ってみました。家電量販店に監視カメラを設置して消費者行動を観察すると、いくつかの不思議な行動が観察できるそうです。まず、最初は洗濯機売り場です。品定めする人は、なぜか必ずフタを開けて中を覗き込むそうです。なぜそんなことをするのかは謎ですが、これにより実に不都合なことが起こりました。家電製品には必ずPOPが貼り付けられていますが、洗濯機の場合はだいたいフタの上につけられ…
前回同様、ネタ元はリチャード・レスタック著 高橋則明訳「はだかの脳」(アスペクト)です。まず基礎知識として、以下の確認をしておきましょう。私たちの言語脳は、一般には左の脳にあります。左脳というのは、右目と太いパイプでつながっています。よって、右目から入ってきた文字情報は、左脳に送られますので、比較的すぐに反応する傾向にあるのです。では実験についてお話しましょう。カリフォルニア大学での実験は、コンピューターの画面の右か左に文字を提示するというものです。賢明な読者の皆さんは、今の話からして、画面の右側に文字が提示されたら反応が早いだろうと予想したことでしょう。その通りなのですが、ご丁寧にちょっとし…
不思議なもので、ブランド品と聞くと、どうしてもノーブランドのものよりは立派に見えてしまいます。このとき、私たちの脳の中ではどのような変化が起きているのでしょう?C・プリビルらの研究グループは、日本の高級ブランドの小売店の顧客を対象に、fMRIで脳の様子を調べました。まず、顧客を「小売店に強い愛着を持つ」グループ、「まあまあ愛着のある」グループ、「ほとんど愛着はない」グループの3つに分けて、「はい」か「いいえ」で答えられる質問をします。すると、強い愛着を持つグループだけが、眼窩前頭皮質、側頭極、紡錘状回、扁桃体などで活性が上がりました。こられは、思考、感情、記憶に関わる領域です。ちなみに取引銀行…
今回は、経済行動と脳の話です。ベイラー大学のリード・モンタギューの研究は、おなじみのペプシ・チャレンジです。これは、80年代にアメリカで流されたCMです。ペプシコーラとコカコーラの二つを、ブランド名を隠して飲ませ、どちらがおいしいかを判断してもらうものです。普通にやると、ペプシを選ぶ人が多いのです。だから、ペプシはこれをCMに使ったわけです。モンタギューの研究では、このとき報酬を感じる腹側被殻の活性が上がっていました。単純に「うまい!」と感じたものを素直に選んだといえます。ところで、彼は、もうひとつの実験を試みました。それは、どちらがコカコーラか事前に教えてしまうのです。すると、コカコーラを選…
前回に引き続き、ポジティブ・シンキングが脳にどのような影響を与えるかのお話です。モントリオール大学のエリザベス・ペロー・リンクの研究を紹介しましょう。7人の男優に、「悲しい」「うれしい」「中立」のうちのどれかの感情になってもらいます。そして、そのときの脳の様子をPETで観察し、どのような変化が現れたかを観察します。なんと、「悲しい」と「うれしい」のときには、セロトニン合成能が異なるパターンを示したそうです。つまり、様々な感情は脳の電気化学的作用に影響を及ぼしている可能性があります。ということは、「うれしい」という気持ちでいると、幸せを感じるホルモンであるセロトニンがドバドバ出てくるということで…
ポジティブ・シンキングは、とても大切なことです。同じ場面に遭遇しても、それをどう解釈するかで、どうやら脳の反応する場所が違うらしいのです。出典は、リチャード・レスタック著 高橋則明訳「はだかの脳」(アスペクト)です。ジョン・ガブリエリという人の実験を紹介しましょう。まず病院のベッドに寝ている患者の写真を見せます。あるグループには、「治る見込みなし」と説明し、その患者になることを想像させます。すると、左脳の扁桃体の活性が上がります。ここは恐怖に関係する場所です。そしてもうひとつ、左脳の前頭前皮質の活性も上がります。ここは、想像に関係します。つまり、恐怖を想像していることが分かります。一方で、別の…
今回の話のネタ元は、田沼靖一氏の「死の起源遺伝子からの問いかけ」(朝日選書)です。最初に登場するのは前回お話したdaf-2遺伝子ですが、今回はdaf-16という遺伝子にも登場いただきます。daf-2はインスリン受容体とそっくりです。ということは、ここでもカロリー摂取と寿命は関係あるようです。一方、daf-2は、daf-16遺伝子を抑制する働きがあります。daf-2にキズがつくと、daf-16の抑制ができなくなります。するとどうなるかというと、SOD活性が異常に高まるのです。SODとはスーパー・オキシド・ディスムターゼの頭文字で、活性酸素を取り除く役割をしています。そして、たくさんの活性酸素が取…
寿命遺伝子の研究でひっぱりダコの生物がいます。それは、エレガンス線虫という虫です。エレガンスという名前の由来は、なんでもくねくね進むその軌道が、数学のサインカーブのようにきれいだからとか。彼らの寿命に影響を与えている遺伝子は3つあります。ひとつは、daf(ダフ)-2遺伝子です。何でも「冬眠モード」と「通常モード」の切り替えに関係しているようです。ここにキズがあると、冬眠モードに入りやすく、しぶとく長生きするそうです。ということは、よく眠る人ほど長生きってことになるのかな?次に、clk(クロック)-1遺伝子。これを変異させると、生体リズムがゆっくりとなります。脱糞回数も1.5倍の間隔になります。…
しばらくぶりに「遺伝子」の話に戻りましょう。今回から数回に分けて、寿命遺伝子のお話をしたいと思います。ネタ元は、この分野の第一人者である、順天堂大学の白澤卓二氏の著書です。寿命や、老化のスピードに影響を与える遺伝子はいくつか見つかっています。しかし、私たちの寿命がその遺伝子によって左右されるかというと、必ずしもそうではありません。一卵性双生児は遺伝子が全く同じであるという話は、すでにしました。もし私たちの寿命が、遺伝子によって決定づけられるとするならば、双子の寿命も同じということになってしまいます。ところが、そうなりません。白澤氏によれば、老化に占める遺伝的要因は25%に過ぎないそうです。つま…
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