株式会社ファイブスターズ アカデミー
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さあ、このシリーズもいよいよ終わりに近づいてきました。このシリーズの第1回目で、セロトニンは幸福感など様々なものに関係していると言いました。その秘密についてお話しましょう。ネタ元は、高田明和氏の「『うつ』依存を明るい思考で治す本」(講談社)です。セロトニンの受容体は、1A、2A、2Cの3種類あります。1Aは、前頭葉、扁桃体、海馬などに分布し、主に精神の安定に関係しているそうです。2Aは、帯状回に分布し、うつの進行に関与していると思われます。2Cは、視床下部に分布し、満腹感と関係があるそうです。この3つのうち、どこの受容体の感受性が高いかは個人差があるそうです。だから、セロトニンが増えても、どの…
幸せを感じるホルモン「セロトニン」が不足すると、キレやすくなるというお話の続きです。今回のネタ元は、田中冨久子氏の「脳とこころのしくみ」(アスペクト)です。セロトニンは、抑制神経系に働く伝達物質なので、攻撃性を抑制するという話でした。そもそも、この攻撃性ということですが、田中氏はドーパミンが関与していると指摘しています。ドーパミンは快感を感じるホルモンですが、過ぎたるは及ばざるがごとしというとおり、出すぎはよくないのです。脳の中の扁桃体で分泌されるドーパミン量を調べたところ、オスのラットはメスの2倍以上でした。だから、オスラットは小さなストレスで攻撃的になるというのが氏の説です。ということは、…
さあ、幸福のホルモン「セロトニン」の第4回目です。前回同様、ネタ元は有田秀穂氏の「セロトニン欠乏脳」(生活人新書)からです。セロトニンが欠乏すると、うつ的傾向になることはお話しました。しかし、なんとキレやすくなったりもするらしいのです。実験用のネズミには2種類ありますが、体の大きいほうがラットで、小さいのはマウスです。普段は、この2種類を同じ飼育箱に入れても、仲良く暮らしています。ところが、大型のラットのセロトニン神経を破壊して、その飼育箱に小型のマウスを入れてみます。すると、なんとラットは、マウスを殺して食べてしまったというではありませんか。話は少し脱線しますが、この行動はラットにマリファナ…
あなたの顔は引き締まっていますか?今回のネタは、セロトニン研究の第一人者、東邦大学の有田秀穂氏の「セロトニン欠乏脳」(生活人新書)からです。顔に締まりがあるとか、ないとか良く言いますが、もともと地球には重力が存在するため、ほうっておくと私たちの顔は締まりなくたれ下がってしまうのです。それを食い止めているのは、顔の抗重力筋です。この筋肉が興奮すると緊張が高まり、顔つきに締まりがでてきます。この興奮をつかさどっているのが脊髄の運動神経で、その運動神経を支配しているのはセロトニン神経です。つまり、セロトニン神経の活性が下がると、顔つきが締まりがなくなり、姿勢も崩れてだらしなくなるというわけです。とこ…
輝子が恐る恐る読んだ父親の日記には、意外なことが書かれていました。 順風満帆に見えたサラリーマン人生でしたが、本人はかなり早い時期から銀行マンという職業は性に合わないと感じていたというのです。 彼の唯一の趣味は写真を撮ることでしたが、日記にはこの分野の賞を何度も取ったことや、アメリカのカメラ雑誌に作品が掲載されたことなどが書かれていました。 大手のフィルムメーカーから2回も招聘を受けますが、断ってしまいます。 2回目は「重役の椅子を用意する」とまで言われたのに・・・。 断りを入れた日のそれぞれのページには、全く同じ言葉が記されていました。 「我、妻子さえいなければ・・・」 …
幸福のホルモン「セロトニン」の第二回です。セロトニンが注目されるようになったのは、うつ病で悩む人が増えたことと関係があります。と言うのは、うつ病の人の脳内では、セロトニンの量が少ないことがわかったからです。現在、うつ病への最も有効な薬はSSRIというタイプの薬ですが、これは脳の中のセロトニン量を増やす働きをします。これはサルでも確認されています。ボスザルはセロトニン濃度が高いそうです。しかし、いったん失脚すると濃度は低下します。ところが、ボスに復活すると、また高くなるそうです。母ザルで見てみましょう。濃度の高い母ザルは、子どもをしっかり抱いています。しかし、低い母ザルは行動が気ままで、自分の子…
快感を感じるホルモンはドーパミンでしたね。今回は、幸福感を感じるホルモン「セロトニン」のお話です。脳内の情報伝達物質はヤマほどありますが、最近特に赤丸急上昇中の注目物質がセロトニンなのです。セロトニンには、様々な作用があることが知られています。例えば、眠気を誘う睡眠物質「メラトニン」の素でもあります。睡眠物質については、以前候補は40種類くらいあると書きましたが、このメラトニンは候補ではなく当選確実です。メラトニンが睡眠を誘う物質であることに、異論を唱える学者はひとりもいません。ということは、セロトニンが不足すると、セロトニンから作られるメラトニンも不足し、結果不眠症になってしまうわけです。ち…
マッチョマンは「しつこい」。その説を科学的に裏づけていたのは、須藤伝悦氏の「モーツァルトが求め続けた『脳内物質』」(講談社)という本でした。この本で須藤氏がスポットライトを当てている脳内物質というのは、快感ホルモンのドーパミンのことです。このドーパミンが作られる源となる物質のひとつに、カルモジュリンという物質があります。これは、カルシウム結合タンパク質です。骨粗しょう症というのは、骨からどんどんカルシウムが溶け出すため、骨がスカスカになる病気です。だから、予防のためには、一生懸命カルシウムを摂りましょうとなるわけです。一方、ここでいうマッチョマンとは、いわゆる「骨太の人」を言いますが、このタイ…
中学か高校か忘れてしまいましたが、保健体育の授業でクレッチマーの体型と性格の相関の話を習いましたよね。芥川龍之介のような細長型は「分裂気質」でした。なんとなくわかるような気がしますよね。田中角栄のような肥満型は「そううつ気質」でした。これもなんとなくイメージできそうですね。問題は、がっちりしたマッチョマンタイプです。ただ、マッチョタイプといっても、ジムで鍛え上げたというのではなく、いわゆる骨太といった感じの人のことです。クレッチマーはこのタイプを「闘士型」と呼んで、「てんかん気質」とか「粘着気質」と呼びました。つまり、マッチョマンタイプは、しつこい性格であるということです。私は、これがイマイチ…
モノが私たちの心を豊かにするのではありません。だから、優れたモノを開発したからと言って、性能のよさをアピールすれば売れるというわけではありません。そのモノが、生活のどんなシーンでどんな楽しい演出をしてくれるのか、それを消費者にイメージさせる必要があるのです。ある夏の日曜日に、こんな経験をしました。スーパーの紳士服売り場でブラブラしていたときのことです。そこには、大量の甚平がハンガーに吊るされていました。そして、そのハンガーの上に、四角いPOPが目立つように立てられていました。私は、てっきり新製品のPRだと思い込んでいました。例えば、汗をかいてもムレない素材を使ったとか、洗濯しても乾きが早いとか…
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