株式会社ファイブスターズ アカデミー
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電車の中で、スーツにネクタイ姿の立派なサラリーマンが、分厚い少年ジャンプを読みながらクスクス笑っています。これって、社会人としていかがなものかと思いますが、マンガを読んでるときに、脳のどの部分が活性化しているのか調べた研究があります。京都大学教授で、日本ワーキングメモリ学会会長の苧阪直行氏の「笑い脳」(岩波書店)によればスタンフォード大学のモッブスらは、fMRIでユーモアマンガを読んでいるときの脳の動きを見たそうです。それによると、ドーパミン作動性ニューロンを含む、側坐核、線状体などいわゆる報酬系といわれる神経系が活発に動いていたそうです。これらは幸福感や満足感と密接な関係があり、まさにマンガ…
泣くことと、笑うことは、抗ストレスホルモンのレベルを下げたり免疫機能を高めてくれるので、健康にとてもいいとお話しました。でもこれって、TPOも考えないといけませんよね。話は変わりますが、皆さんは新幹線などで移動する時、どうやって時間をつぶしていますか?私はいつも、携帯プレーヤーで好きなジャズを聞きながら読書にいそしんでいます。最近は内容の濃い経済学の本が出版されませんので、もっぱらミステリーを読んでいます。ちょっと前のことですが、古今亭志ん朝のDVDシリーズが発売されたと聞いて早速買い求めました。しかし相当の枚数がありますので、観るのも一苦労です。そこで妙案が浮かびました。新幹線での移動のとき…
前回は、ヒトの起源についてお話しました。サバンナでお互いが出会ったとき、戦うか逃げるかでしたよね。戦うにしても、逃げるにしても、ずいぶん体力を使います。ヘタしたら死んでしまいます。どちらにしてもいいことありません。そのときです。相手が笑顔だったら、「戦わなくていい、逃げなくていい、仲間だ!」というサインだったのではないでしょうか。つまり、私たちのDNAの中に、「笑顔は敵ではない」という情報が刷り込まれているのではないかということです。どうです。 なかなかよくできた仮説でしょ。えっ?誰の説かって?実はこれ、私の説なのです。いかかですか? この「村上仮説」。結構いい線いってると思うんだけど・・・
前回は、顔細胞のお話をしました。 今回は笑顔細胞です。なぜ笑顔にだけ反応する細胞があるのでしょう?実はよくわかっていませんが、これについてある仮説をご披露したいと思います。その前に、サルからヒトに進化したお話からはじめましょう。ヒトの起源については諸説ありますが、450万年~500万年前か、だいたいそのあたりではないかと言われています。今から450万年前に、安全な森を捨てて、危険なサバンナに出かけていった最初のサルが、人類の祖先と言われているのです。でも、彼はなぜ、そんな危険を冒したのでしょう?現在の動物行動学の答えは、拍子抜けするほど簡単なものです。それは「好奇心」だというのです。なんと、好…
私たちの脳の中に、人間の「顔」にだけ反応する細胞があることが分かっています。この細胞は、不思議なことに人の顔を認識すると、激しく興奮するのです。子どもの頃、カゼをひいて布団で寝ていたら、天井板の木目が人の顔に見えてきた。なんて経験ありませんか?これこそ顔細胞の働きなのです。この細胞のおかげで、私たちは車を正面からみても、ヘッドライトが目、ラジエーターが口と無意識のうちに人の顔に見立ててしまうのです。テレビで心霊写真のことをよく取り上げていますが、人の顔に見えるはずですよ。なんてったって、顔細胞がガンガン興奮しちゃうんだから・・・さて、これからが本題。実は、顔細胞とは別に、笑顔にだけ反応する「笑…
あるミニコミ誌を発行している方のお話です。この人は某大手工業新聞の部長だったのですが、「マスコミが景気を悪くしている」と主張して退職しました。というのは、景気見通しについて明るい記事を書くと、なぜか新聞の売れ行きが悪いとのことで暗い記事を書くようにプレッシャーをかけられるのだそうです。日本は本当に絶望大好きなのですね。今、この人は大阪で「日本一明るい経済新聞」というミニコミ誌を発行し、関西で頑張っている社長を取材して掲載しています。あるとき、いつも元気で、異常なまでに明るい社長がいたのでなぜそんなに明るいのか、と質問したそうです。すると社長はこう言いました。実は数年前、不渡りを出しそうになり、…
「なぜ笑うかというと、それは笑っていないと泣いてしまうからだ」ある小説家のエッセイです。文学的な表現としては味わい深いものがありますが、実はこれ、科学的にも根拠があるかもしれないのです。ジェームズ=ランゲ説では、表情が感情をコントロールするのでしたね。私たちはつくり笑顔をすることで、悲しい感情を和らげているのではないかと思うのです。私がいつも不思議に思うのは、電車に乗り損ねた人です。一生懸命走って駆け込み乗車しようとしたそのときに、非情にも目の前で扉が閉じました。普通に考えると、がっくりと肩を落として、落ち込みそうですが、ほとんどの人はテレ笑いでごまかそうとしますよね。なぜ笑うのでしょう?私見…
前回は、うれしいから笑うのか、笑うからうれしいのか、というお話をしました。今回は、後者(=笑うからうれしい)のジェームス=ランゲ説を弁護したいと思います。かつて心理学の実験で、つくり笑顔で心理テストに回答させると、真顔でやったときよりも明るい方向に回答する、という傾向が見られました。ストラックの実験でも、つくり笑顔でコミックを読むと、無表情で読んだときより面白く感じるという結果が得られました。まさに、「笑うから、より面白くなる」ということです。トムキンスという人は、顔面フィードバック説というのを唱えています。生体のフィードバックというシステムは、こんなことを言います。例えば、赤いランプが点いた…
人はうれしいから笑うのか?それとも笑うからうれしいのか?えっ?うれしいから笑うに決まってるだろうって?実は、正直どちらとも言えないのです。これって、脳科学の世界では、結構大真面目に考えている問題なのです。うれしいから笑う。これは、キャノン=バード説と言います。一方、笑うからうれしい。これは、ジェームス=ランゲ説といいます。今のところ、キャノン=バード説の方が有力です。というのは、ジェームズ=ランゲ説の場合、その表情を作ったときの感情をいかにして知るのか、という点が解明されていないからです。しかし・・・・最近の研究では、ジェームス=ランゲ説も見捨てたものではなくなってきているのです。詳しくは次回…
前回、笑顔は遺伝であると話しました。そもそも表情というのは、動物の中で人間だけが持っているものです。池谷裕二氏の「進化しすぎた脳」(講談社)によれば、人種を超えて世界共通な表情というのが6つあるそうです。それは、喜び、悲しみ、怒り、驚き、不安、嫌悪です。さあ、そこで問題です。皆さん方の中で、「喜びを感じたときはこういう表情をするのよ」とお母さんから教えてもらった人はいますか?もちろんいませんよね。そうなんです。ヒトの赤ちゃんは、人種を問わず、誰からも教えてもらっていないのにこの6つの表情ができるのです。ということは、笑顔も含めて表情というものは、遺伝子に書き込まれた情報なんです。ほら、やっぱり…
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