株式会社ファイブスターズ アカデミー
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今年1年間、心理学のお話にお付き合いいただき、誠にありがとうございました。思えばこのブログも、昨年の2012年は経済の話でした。MV=PTという素朴な貨幣数量説を基に、日銀の姿勢を相当鋭く批判しました。しかし、どうせ何を書いても世の中変わりはしないと、絶望的な気持ちでシリーズを終えようとしたまさにその時、劇的な変化が起こりました。安倍総理が誕生し、なんとなんと日銀副総裁に岩田規久男氏が就任するという日銀にとっては、天地がひっくり返るような事態が起きたのです。なにせ、日銀にとっては「地球上で最大の天敵」が、上司として赴任したのですから。岩田氏は、それまで日銀の権威に対して一切妥協することなく信念…
今回は問題2の解説をしますが、念のためもう一度問題を見てみましょう。【問題2】カードの片面には「飲み物」、もう片面には「年齢」が書かれていて、次のような規則があるとします。『飲んでいるのがビールならば、20才以上でなければならない』今、「ビール」、「コーラ」、「22才」、「16才」の4枚のカードが提示されています。この規則が正しいことを確かめるに、どうしてもめくらなければならないカードはどれでしょう?【解答2】これはカンタンですよね。「ビール」と「16才」でした。前回、「4」のところで、裏が子音もありうるという話は推測しづらかったと思います。しかし、今回は「22才」の人が「コーラ」を飲んでいる…
認知心理学の中に「演繹的推論」に関する研究があります。以前やった「3つのドア」のようなクイズだと考えて下さい。えっ? また論理パズルなの? と、面倒に思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、これから実に不思議な体験をしていただきます。同じロジックで構成されている2つの問題の正答率が、なんと20倍近くも違うのです。まず問題1は、有名な「ウェイソンの選択問題」です。そして、次に問題2にチャレンジしてみて下さい。【問題1】カードの片面には「数字」、もう片面には「アルファベット」が書かれていて、次のような規則があるとします。『アルファベットが母音であるならば、その裏の数字は偶数である』今、「E」、「…
前回、第7番染色体のFOXP2という遺伝子の一部が、第11番染色体に乗り移ってしまうと自閉症を発症すると書きました。自閉症になると、他人に心があるということを理解しづらくなります。ですので、この遺伝子が「人の心がわかる遺伝子」ではないかという結論でした。しかし、自閉症の原因遺伝子は他にもあることが分かりました。スウェーデンで、自閉症とアスペルガー症候群の人合わせて男性141人、女性18人を対象に遺伝子解析が行われました。その結果、ある家系でニューロリギン4という遺伝子に異常があることが確かめられました。異常と言っても、点突然変異と言って、DNAの文字がたったひとつ違うだけです。後に、ニューロリ…
「人の心がわかる遺伝子」が特定されたわけではありませんが、候補のひとつと思われるものは見つかっています。それは大変面白いことに、一般には「言語遺伝子」として知られているものです。第7番染色体の長腕部分にある「FOXP2」という遺伝子です。なぜわかったかというと、イギリスにKEという家系がいたのですが、なんと家系の半数は、難読症とか識字障害と言われる「ことば」に関する障害がありました。残りの半数は問題がなかったので、これは遺伝病であることが分かります。そこで原因遺伝子のスクリーニングが始まり、ついにFOXP2が突き止められたわけです。この遺伝子は鳥にもあります。オスの鳥がメスを求めてさえずるのは…
前回、ミラーニューロンのお話しをしました。相手が手を振るのを見た時、自分が手を振った時と同じ細胞が発火するのでした。これは、手を振るという動作だけでなく、「感情」にも当てはまります。例えば、相手の悲しそうな表情を見た時、自分が悲しい思いをしている時と同じ細胞が発火するのです。これを、一般には「共感」と言います。今、被験者に、つらそうな表情をしている顔の写真を見せます。その時の脳の変化をfMRIで観察します。すると、脳の中の島皮質という部位の血流が増えていました。ということで、島皮質は、感情に関係していることが分かります。実は、島皮質は不快な感情に関係しているところで、現在かなり研究が進んでいま…
ここまで論じてきた「心の理論」ですが、最近は脳科学からのアプローチも盛んです。現在、脳研究のトップランナーのひとりで、あの名著「脳の中の幽霊」の著者として知られるラマチャンドランは、ミラーニューロンの働きですべて説明できると主張しています。ここから先は、ちょっと心理学っぽくなくなりますが、我慢してください。私の個人的意見ですが、心の働きを脳機能で説明できなければ、心理学は「科学」とは言えないのではないかと思っています。ではまず、ミラーニューロンからご説明しましょう。ある研究者がサルの頭に脳波計を接続して、人間がアイスクリームを食べている姿を見せました。残念ながらこの実験は失敗でした。なぜなら、…
前回、相手の視線を認知するということは、きわめて高度な知性であるとお話しました。発達心理学の研究によると、赤ちゃんは生後9カ月で、他人の視線を認識するそうです。例えば、お母さんが「車」を見ながら、「くるま」と言ったとします。このとき、赤ちゃんは、お母さんが何を見ているかを瞬時に確認します。つまり、母親の目を見て、視線の方向を確かめます。それから、その視線をたどっていき、やがて「車」に行きつきます。これを視線追従と言います。また、一度赤ちゃんの目をしっかり見て、話しかけてから視線を移すという実験では、生後6カ月でも視線追従したそうです。このように、赤ちゃんは、相手の目を見て視線を認識するという、…
さて、このテーマの最大の関心事、すなわち「サルは人の心を読むことができるのか」という話に戻りましょう。プレマックが、サルは人の心を「読める」という論文を発表した時は非難轟轟でした。中には、彼の人格まで傷つけるような反論もあったそうです。このような攻撃的な反論をすること自体、人の心を読めていないような気もしますが・・・・それはさておき、現在は、否定派はどうも旗色が悪いようです。人の心、つまり人間の心が読めるかどうかは定かではありませんが他のサル、つまり「他人」ならぬ「他サル」の心は読めるようなのです。今、それぞれ檻に入った2頭のサルを向き合わせて、真ん中にエサを置きます。「よーい、ドン!」で檻の…
前回、サリーとアンの誤信念課題が解けないのは、「人には心がある」ということを理解できないからだと書きました。つまり、自分以外の他人にも、彼らなりにいろいろな考えがあるということが理解できないのです。自閉症の人も同じです。相手がどう思うかということを推測することが出来ないのです。ですので、他人とコミュニケーションをとるのが非常に苦手なのです。ただし、この問題は私たちにも当てはまります。相手の気持ちや考えを推し量るのが苦手で、自分の都合だけで決めてしまう強引な人って結構いますよね。自閉症のように知能障害が伴うものは別として、そうではない程度の軽いものは、「アスペルガー症候群」という名前が付けられて…
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