株式会社ファイブスターズ アカデミー
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たとえば霧や あらゆる階段の跫音のなかから、遺言執行人が、ぼんやりと姿を現す。━━これがすべての始まりである。鮎川信夫の『死んだ男』は、戦死した親友の森川義信を悼んだ詩です。鮎川自身は傷病兵としてなんとか生きて帰還しますが、もう一人の詩人は「生きているにしても、倒れているにしても僕の行手は暗いのだ」という便りを残してビルマで戦病死しました。鮎川の代表作とも言うべき詩ですが、詩論『すこぶる愉快な絶望』を読むと、詩集として正式に上梓されるまで、何回も何回も書き直されたことが記されています。もしかしたら、鮎川の詩作の原点は、死んだ者たちへのスウィートな追憶のリフレインではないかと私は思うのです。そし…
流行のアドラー心理学を読むと、なるほどと納得させられることが多くあります。例えば、すべての感情は何か目的があって作られるという話です。こんなケースを考えてみましょう。部下が初歩的なミスをしたので、あなたが怒鳴ったとします。普通に解釈すると、部下がミスをしたことが原因で「怒り」という感情が引き起こされたと考えますよね。ところがアドラー心理学は、その「目的は?」と問いかけるのです。「いやいや、目的なんかないよ。ただ単に部下がミスをしたから怒ったんだ」とあなたは答えます。しかし、その答えは間違っています。あなたには何らかの目的があったはずなのです。例えば、部下を完全にコントロールできていなかったから…
後にアメリカ心理学会の会長を務めたマーティン・セリグマンが、まだ若手の研究者だった頃、手がけていた実験について予想もしなかった反論を受けました。その時の研究のテーマは、「人はどんな時、無気力になるか」でした。しかし、人体実験に踏み切るだけの勇気がなかったので、実験対象はもっぱら犬でした。まず、音や電気ショックなどの不快な刺激を与えます。その刺激は、犬がどんなことを試みようと止むことはなく、その代わり何もしなくても唐突に止んだりします。つまり、自分ではコントロールできない不快刺激というわけです。一度この条件づけをされた犬は無気力になってしまい、次に自分で刺激をコントロールできる仕掛けに入れられて…
「他部署で“優秀”と評価された若手でも、この部署に来ると必ずしもそうではないんです」ある行政機関の管理職の言葉です。一般にビジネスの世界で“優秀”と言われる人は、利害関係者の調整能力に優れた実務家です。たとえば、あるプロジェクトが立ち上がると、いち早く関係者の間を立ち回り、実現の可能性が高い完成形のイメージ作りをします。また、関係者の間で利害が対立しそうな問題があると、全員の妥協が得られそうな最大公約数を探ります。そしてそこを“落としどころ”と定め、微調整を繰り返しながら交渉していきます。短期間で一定の形に仕上げるので、一見するとどんな部署でも重宝がられる“優秀”ビジネスパーソンに見えますが、…
その男は、ジャズクラブのオーナーとギャラのことで揉めてはドアノブを引きちぎったり、ライフルをぶっ放したりと大暴れ。デューク・エリントンの楽団にいたときは、ナイフを持ったバンドのメンバーに、ステージ上で追いかけ回されたこともあります。一度はベースを抱えたまま逃げ出しますが、防火用の斧を持って舞い戻ると、そのトロンボーン奏者の椅子を真っ二つに。気に入らない演奏をしたメンバーを殴りつけることなど日常茶飯事でした。しかし不思議なことに、殴られたメンバーはなぜか彼を慕ってついて行くのです。怒れるベーシスト、チャールズ・ミンガスを形容するときよく使われる言葉が、“武闘派”“反骨”などです。確かに怖い男でし…
ある講師が、マネージャー研修でこんな課題を出したそうです。「あなたが今まで、部下育成にもっとも成功した事例を教えてください。 いつ、どんな場面で、その部下がどう育ち、 そのときあなたはどんな支援をしたかまで詳しく書き出してください」しかし、意外な結果となってしまいました。実績のあるマネージャーほど書けないというのです。彼らは口をそろえてこう言います。「優秀な部下がたまたま私の下で、勝手に育っただけ」これをきっかけに、「育てる」ということの意味を考えてみました。私は、上司や先輩の背中を見て学んだ世代です。丁寧には教えてもらえないので、見よう見まねで失敗を繰り返しながら仕事を覚えました。そのときの…
スポーツで目覚ましい成果を上げた人が、よくビジネスパーソン対象の講演会の講師に招かれます。スポーツとビジネスは、そんなに共通点が多いのでしょうか。個人競技はどうかわかりませんが、団体競技の監督とビジネスの管理職に関しては、組織マネジメントという面で確かに共通するところはありそうです。かつてスポーツの世界では、「鬼」と恐れられるほどの怖い監督が多くいて、厳しい練習に明け暮れたものです。しかし、近年はスポーツにも科学的な理論が取り入れられて、「根性論」はすっかり影を潜めてしまいました。それに伴い、監督のマネジメント方法もずいぶんと変わったように感じます。特に最近はプロだけでなく、学生などのアマチュ…
不覚にも、電車で本を読んでいて、感動のあまり涙をこぼしてしまうことがあります。これは本当に困ります。私は黒井千次の『時間』を最後に、小説は一切読まない主義を貫いていますが、先日ノンフィクションを読んでいてそんな事態に陥りました。こんなことは、門田隆将の『死の淵を見た男』以来のことです。『武士の家計簿』で一躍有名になった磯田道史の『無私の日本人』の中で、江戸時代の仙台藩下、吉岡宿という貧しい村を救うために私財を投げ打った9人の篤志家のことが紹介されています。まず発想が面白い。どんなに米を作っても結局年貢に取られてしまうので、それ以外の方法でみんなが豊かになる策を考えます。それがなんと、藩を相手に…
昨年の12月に『課長の悩み』というプログを書きましたが、その元ネタである産能大の課長意識調査について、最新版(2015年調査)の速報がアップされました。朗報がありました。プレイヤーの割合が半分以上という課長が少し減ったことです(48%→40%)。プレイヤーの仕事の割合は20%~40%くらいという課長がもっとも多く、全体の3割を占めます。ちなみに、プレイヤーの仕事は全くしていないという課長は1.4%しかいませんでした。みんな、何らかの手仕事は持っているのですね。ところで今回のアンケートでは、3年前と比べて職場がどう変化しているかについても質問しています。「業務量が増加している」がトップ(54%)…
社会の様々な不正や不合理に鋭く切り込む気鋭のジャーナリスト岩瀬達哉が、どういう風の吹き回しか最近企業人事に関する著書を出版するようになりました。従来のビジネス書とは異なり、本音の話がてんこ盛りなので実に面白い読み物となっています。ある大手銀行の人事担当役員は、頭の中に自分なりの5つの人事評価ポイントがあると語ります。5つの中には「問題解決力」や「統率力」などは入っていませんので、恐らくそれらの能力はすでに一定レベルに達しているという前提なのでしょう。つまり、部長クラスといった上級管理職への登用の際に、チェックすべき評価ポイントという位置付けだと思われます。そのひとつが「泥被り度」です。出世レー…
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