株式会社ファイブスターズ アカデミー
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不覚にも、電車で本を読んでいて、感動のあまり涙をこぼしてしまうことがあります。これは本当に困ります。私は黒井千次の『時間』を最後に、小説は一切読まない主義を貫いていますが、先日ノンフィクションを読んでいてそんな事態に陥りました。こんなことは、門田隆将の『死の淵を見た男』以来のことです。『武士の家計簿』で一躍有名になった磯田道史の『無私の日本人』の中で、江戸時代の仙台藩下、吉岡宿という貧しい村を救うために私財を投げ打った9人の篤志家のことが紹介されています。まず発想が面白い。どんなに米を作っても結局年貢に取られてしまうので、それ以外の方法でみんなが豊かになる策を考えます。それがなんと、藩を相手に…
昨年の12月に『課長の悩み』というプログを書きましたが、その元ネタである産能大の課長意識調査について、最新版(2015年調査)の速報がアップされました。朗報がありました。プレイヤーの割合が半分以上という課長が少し減ったことです(48%→40%)。プレイヤーの仕事の割合は20%~40%くらいという課長がもっとも多く、全体の3割を占めます。ちなみに、プレイヤーの仕事は全くしていないという課長は1.4%しかいませんでした。みんな、何らかの手仕事は持っているのですね。ところで今回のアンケートでは、3年前と比べて職場がどう変化しているかについても質問しています。「業務量が増加している」がトップ(54%)…
社会の様々な不正や不合理に鋭く切り込む気鋭のジャーナリスト岩瀬達哉が、どういう風の吹き回しか最近企業人事に関する著書を出版するようになりました。従来のビジネス書とは異なり、本音の話がてんこ盛りなので実に面白い読み物となっています。ある大手銀行の人事担当役員は、頭の中に自分なりの5つの人事評価ポイントがあると語ります。5つの中には「問題解決力」や「統率力」などは入っていませんので、恐らくそれらの能力はすでに一定レベルに達しているという前提なのでしょう。つまり、部長クラスといった上級管理職への登用の際に、チェックすべき評価ポイントという位置付けだと思われます。そのひとつが「泥被り度」です。出世レー…
日本とアメリカでは、マネジメント方法にどんな違いがあるのでしょうか。以前、邦銀と外資系の銀行の両方に勤めたことがあるという人の話を聞いたことがあります。すると、本社の頭取や役員を支店に呼んで、取引先を招待したパーティーのときに顕著な違いを感じたそうです。パーティーそのものの運営ではありません。終了後のことです。まず邦銀ですが、これはパーティーが始まる前から緊張感が漂っています。何せ本部から役員が来るのですから、もし万一粗相があったりしたら、責任者が地方に飛ばされるのは火を見るより明らか。どうしても招待客よりも、役員の一挙手一投足の方に目がいってしまいます。やがてパーティーは無事終了し、二次会に…
あなたは学生時代、勉強が楽しかったですか?かつて、タイで工場の立ち上げを担当した人の話です。円高がどうしようもない水準まで進んだため、日本の製造業はこぞってアジアに生産拠点を設けました。しかし、言葉の壁に加え、国民性や生活習慣などの違いに悩まされます。この人もなんとかしようと独学でタイ語を勉強し、カタコトでもいいから現地の言葉で語りかけるよう努めたそうです。そのことで、オペレーションを覚える時間は格段に短縮されました。これで自信を得た彼は、日本の生産現場でやっている様々な工夫をすべて教えます。驚いたのは、教えたことを完全に吸収しただけでなく自主的に勉強会を開き、QCサークルのような活動を立ち上…
同期入社のA君があなたより先に課長に昇進しました。A君が実力、人望ともに課長に昇格するに足る人物ならば納得もいきますが、明らかにそうでない場合はあなたの心中は穏やかではありません。「なんであいつが?」という妬みの感情が沸き起こります。でも、「他の同期もまだ昇進していないから」と考え直し、なんとか仕事への意欲を奮い立たせます。この妬みという感情を持つのは、人間だけではないそうです。ネズミを狭い檻に閉じ込めて、ストレスホルモンの値を計測します。自由を奪われているので結構高い数値が出ますが、これを基準値としていろいろ環境を変えてみます。まず、その檻の前に自由に動き回れるネズミを放ち、檻の中のネズミの…
何度聞いても、その意味が理解できない言葉があります。「一億総活躍社会」日本の全国民が活躍する社会って、一体どんな状態のことを言うのでしょう。想像がつきません。だいたい自民党だって、安倍首相しか活躍していないではありませんか。一方イメージしやすいのは、ちょっと前まで言われていた「一億総中流社会」。しかし、それは高度成長期のこと。今はどうなっているのでしょうか?2011-12年のOECD加盟24カ国の比較をみてみましょう。ノルウェーがもっとも格差が小さく、逆にもっとも格差の大きいのはメキシコです。日本はというと、下から6番目つまりワースト6で、先進国で日本より格差の大きい国はアメリカとイギリスしか…
父親はその息子を、音楽の道にだけは進ませたくありませんでした。なぜなら、音楽には何の価値もないと思っていたからです。息子が一生懸命貯めたお金で買ってきたギターを、「悪魔の遊び道具のひとつ」と決めつけて返品させてしまいます。一度は自分と同じ牧師にしようと考えましたが、思い通りにはなりませんでした。後に“ブルースの父”と呼ばれたW・C・ハンディは、不況で鋳物工場の職を失ったのを契機に、仲間と四重唱団を編成して万博博覧会があるシカゴを目指して貨物列車に潜り込みます。しかし、間もなく制動手に見つかり物寂しい構内に入れられてしまいます。哀れな4人が線路脇で悲しそうに歌い出すと、制動手は彼らを不憫に思い再…
腰痛は、腰の痛みではありません!腰ではなく、脳だけが感じている痛みです。以前、NHKスペシャルを見ていたら、こんな話が紹介されて本当に驚きました。そのメカニズムはこうです。外科的治療によって腰の筋肉や椎間板の問題は完治していても、脳が腰の痛みを記憶していて、「痛みを感じるかも」という不安心理が痛みの記憶を蘇らせているというのです。脳の一体どの部分が作用しているかというと、「背外側前頭前野」という部位です。「背外側」と反対側の「腹内側」の方は、今まで何回もやりましたよね。「腹内側」に損傷を負った人は、リスクを回避することができずに破滅的なギャンブラーになったり、怒りをコントロールすることができま…
私はFacebookをやりません。それには理由があります。ブログやFacebookを頻繁に更新して、芸能人でもないのに自身の私生活情報をやたらと公開する人がいますが、これは度し難いナルシストです。そもそも、自己主張の場ということであれば、私にとってはこのブログで十分すぎるほどです。他人が読むに値するモノを書くというのは大変苦しい作業で、週に一回のペースでも厳しいくらいです。でも、Facebookをどうしてもやりたくない理由は別にあります。それは“友達”という言葉に引っかかるからです。こんなにたくさん“友達”がいるぞ、とネットワークの広さを自慢する人もいますが、“友達”とは一体何を指すのでしょう…
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