株式会社ファイブスターズ アカデミー
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キャリア研修でよく目にするのが『キャリア・アンカー』という言葉。その意味は、キャリアを選択するときに最も大切にしたい価値観や欲求のことです。別の言い方をすると、最も犠牲にしたくない価値観や欲求のことでもあります。もう少しアカデミックな表現だと、周囲が変化しても自己の内面で不動なものという説明もあります。でも、どれもよくわかりませんよね。これを提唱したエドガー・シャインは、『キャリア・アンカー』を以下の8つに分類しました。①管理能力(要は、管理職をやりたいという欲求)②技術的・機能的能力(専門職を貫きたい)③安全性(会社にしがみついていたい)④創造性(企画や開発は大好き)⑤自律と独立(命令される…
これほど面白く、そして考えさせられるビジネス番組が、かつてあったでしょうか。以前、NHKのBSプレミアムで放映されていた『覆面リサーチボス潜入』です。社長がメガネやかつらで変装し、転職を考えている職場体験者という触れ込みで、自社のあちこちの現場に潜入するのです。そして、その転職ドキュメンタリーという体で、カメラが密着取材します。発祥はイギリスだそうですが、CBSネットワークがアメリカ版『アンダーカバー・ボス』を制作したところ大反響。今度はNHKが、日本版をリメークしたというわけです。でも、いくら何でも自分の会社の社長なのだから、すぐにバレるだろうと思いますよね。ところが、プロのメイクさんの手に…
2013年の日本法規情報という会社のアンケート調査によれば、上司への不満の1位は「人間的に尊敬できない」で、44%を占めたそうです。次いで「ミスを人のせいにするなど責任転嫁する」の21%、さらに「上司が仕事を押し付ける」が「上司がパワハラをする」と同率の14%で続き、「仕事が出来ない」も5%ありました。第1位の「人間的に尊敬できない」に関しては、具体的にどういう場面でそう感じたのか想像がつきません。まさか社会的不適合者ということではないでしょう。少なくとも、通常の社会生活を営んでいるわけですから。私自身の経験で思い当たることがあるとすれば、あまりの多忙感や数字のプレッシャーから余裕をなくしてし…
たとえば霧や あらゆる階段の跫音のなかから、遺言執行人が、ぼんやりと姿を現す。━━これがすべての始まりである。鮎川信夫の『死んだ男』は、戦死した親友の森川義信を悼んだ詩です。鮎川自身は傷病兵としてなんとか生きて帰還しますが、もう一人の詩人は「生きているにしても、倒れているにしても僕の行手は暗いのだ」という便りを残してビルマで戦病死しました。鮎川の代表作とも言うべき詩ですが、詩論『すこぶる愉快な絶望』を読むと、詩集として正式に上梓されるまで、何回も何回も書き直されたことが記されています。もしかしたら、鮎川の詩作の原点は、死んだ者たちへのスウィートな追憶のリフレインではないかと私は思うのです。そし…
流行のアドラー心理学を読むと、なるほどと納得させられることが多くあります。例えば、すべての感情は何か目的があって作られるという話です。こんなケースを考えてみましょう。部下が初歩的なミスをしたので、あなたが怒鳴ったとします。普通に解釈すると、部下がミスをしたことが原因で「怒り」という感情が引き起こされたと考えますよね。ところがアドラー心理学は、その「目的は?」と問いかけるのです。「いやいや、目的なんかないよ。ただ単に部下がミスをしたから怒ったんだ」とあなたは答えます。しかし、その答えは間違っています。あなたには何らかの目的があったはずなのです。例えば、部下を完全にコントロールできていなかったから…
後にアメリカ心理学会の会長を務めたマーティン・セリグマンが、まだ若手の研究者だった頃、手がけていた実験について予想もしなかった反論を受けました。その時の研究のテーマは、「人はどんな時、無気力になるか」でした。しかし、人体実験に踏み切るだけの勇気がなかったので、実験対象はもっぱら犬でした。まず、音や電気ショックなどの不快な刺激を与えます。その刺激は、犬がどんなことを試みようと止むことはなく、その代わり何もしなくても唐突に止んだりします。つまり、自分ではコントロールできない不快刺激というわけです。一度この条件づけをされた犬は無気力になってしまい、次に自分で刺激をコントロールできる仕掛けに入れられて…
「他部署で“優秀”と評価された若手でも、この部署に来ると必ずしもそうではないんです」ある行政機関の管理職の言葉です。一般にビジネスの世界で“優秀”と言われる人は、利害関係者の調整能力に優れた実務家です。たとえば、あるプロジェクトが立ち上がると、いち早く関係者の間を立ち回り、実現の可能性が高い完成形のイメージ作りをします。また、関係者の間で利害が対立しそうな問題があると、全員の妥協が得られそうな最大公約数を探ります。そしてそこを“落としどころ”と定め、微調整を繰り返しながら交渉していきます。短期間で一定の形に仕上げるので、一見するとどんな部署でも重宝がられる“優秀”ビジネスパーソンに見えますが、…
その男は、ジャズクラブのオーナーとギャラのことで揉めてはドアノブを引きちぎったり、ライフルをぶっ放したりと大暴れ。デューク・エリントンの楽団にいたときは、ナイフを持ったバンドのメンバーに、ステージ上で追いかけ回されたこともあります。一度はベースを抱えたまま逃げ出しますが、防火用の斧を持って舞い戻ると、そのトロンボーン奏者の椅子を真っ二つに。気に入らない演奏をしたメンバーを殴りつけることなど日常茶飯事でした。しかし不思議なことに、殴られたメンバーはなぜか彼を慕ってついて行くのです。怒れるベーシスト、チャールズ・ミンガスを形容するときよく使われる言葉が、“武闘派”“反骨”などです。確かに怖い男でし…
ある講師が、マネージャー研修でこんな課題を出したそうです。「あなたが今まで、部下育成にもっとも成功した事例を教えてください。 いつ、どんな場面で、その部下がどう育ち、 そのときあなたはどんな支援をしたかまで詳しく書き出してください」しかし、意外な結果となってしまいました。実績のあるマネージャーほど書けないというのです。彼らは口をそろえてこう言います。「優秀な部下がたまたま私の下で、勝手に育っただけ」これをきっかけに、「育てる」ということの意味を考えてみました。私は、上司や先輩の背中を見て学んだ世代です。丁寧には教えてもらえないので、見よう見まねで失敗を繰り返しながら仕事を覚えました。そのときの…
スポーツで目覚ましい成果を上げた人が、よくビジネスパーソン対象の講演会の講師に招かれます。スポーツとビジネスは、そんなに共通点が多いのでしょうか。個人競技はどうかわかりませんが、団体競技の監督とビジネスの管理職に関しては、組織マネジメントという面で確かに共通するところはありそうです。かつてスポーツの世界では、「鬼」と恐れられるほどの怖い監督が多くいて、厳しい練習に明け暮れたものです。しかし、近年はスポーツにも科学的な理論が取り入れられて、「根性論」はすっかり影を潜めてしまいました。それに伴い、監督のマネジメント方法もずいぶんと変わったように感じます。特に最近はプロだけでなく、学生などのアマチュ…
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