株式会社ファイブスターズ アカデミー

まずはお気軽に
お問い合わせください。

03-6812-9618

村上 徹

200年先の評価

なんともしょっぱいスコッチです。キャンベルタウンで作られるシングル・モルト『スプリングバンク』。キンタイア半島の突端にあるキャンベルタウンは、かつて30を超える蒸留所が軒を連ねるスコッチの一大産地でした。近くにあるアイラ島を遥かに凌ぐほどの規模で、NHK朝ドラの『マッサン』のモデルとなった竹鶴政孝も、ここにあるヘーゼルバーン蒸留所で修行しています。それほどまでに隆盛を誇った名産地なのに、現在はたった3つの蒸留所を数えるのみ。しかも、当時から絶え間なく操業を続けているのは、スプリングバンク蒸留所だけです。人の世は栄枯盛衰と言うけれど、あまりにも急激な凋落ではありませんか。その原因は二つあります。…

続きを読む

頭のよくなる薬

今回は、『IQ遺伝子』(2009年6月)や、『IQを高める食事』(2009年7月)の続編です。有力なIQ遺伝子が見つかりました。それは、delta-6desaturase(Δ6不飽和化酵素)という、体内の不飽和脂肪酸を増やす酵素の遺伝子です。不飽和脂肪酸というのは、健康食品のCMでお馴染みのDHAとかEPAとか言う奴です。この遺伝子を持っている人は、不飽和脂肪酸をたくさん作ることができるのです。ということは、この遺伝子を持っていない人は、いくら青魚を食べても効果ないってことでしょうか?あるいは、だからこそ食べなければならないということ?いずれにせよ、これからの研究でその辺が明らかにされると思い…

続きを読む

心配ないさ

故郷に向かう列車がスピードを落とし、左に大きく弧を描いて、やがて青々とした森の中へと入ろうとした時でした。イヤホンから流れていた音楽が、明るい曲調に変わります。ウィントン・ケリーの『イッツ・オール・ライト』。ケリーは、15才でR&Bのピアニストとしてプロのキャリアをスタートさせますが、その後女性シンガーのダイナ・ワシントンの伴奏者やディジー・ガレスピーのバンドを経て、マイルス・デイヴィスに見出されます。「ケリーは煙草につける火のような存在だ。彼なくして煙草は吸えない」マイルスにそこまで言わしめたケリーは、ジャズ史を塗り替えるような数々の名アルバムに参加するうちに、やがてジャズシーンには欠かせな…

続きを読む

サボっても降格しない

家電メーカーのシャープが経営難に陥り、台湾の企業に買収されました。しかし、これから軌道に乗るまでには、乗り越えなければならない壁がまだいくつもあるように思います。シャープの失敗を見ていると、成功体験が却ってマイナスに作用する怖さを思い知らされます。2011年7月の地上デジタル放送への切替に伴い、ほとんどの家庭がテレビを買い替えざるを得なくなりました。どのメーカーのテレビも飛ぶように売れたのは、当たり前と言えば当たり前です。中でもシャープは「世界の亀山モデル」を売りに、高画質の『アクオス』で一気に業績を伸ばしました。シャープでは、この大ヒット商品を開発した人物が功績を認められ社長に就任します。と…

続きを読む

大いなる静寂の谷間

JR九州が、『ななつ星in九州』という超豪華な寝台列車の運行を開始したのは、今から3年前の2013年秋。当時メディアで盛んに取り上げられたのは、記憶に新しいところです。しかし私は、「夜行列車」という言葉にあまりいい思い出がありません。貧しかった学生時代、“寝台”などは夢のまた夢。固いボックス席で10時間以上も揺られて帰省するのは、苦痛以外の何ものでもありませんでした。それでも、座席に座れるのはまだましな方です。遠藤賢司が『夜汽車のブルース』でフォークギターを激しくかき鳴らすあのリズムは、かつて彼が夜行列車の固い床に新聞紙を敷いて寝たとき、一晩中鳴り響いていた蒸気機関車の鼓動をイメージしたものだ…

続きを読む

残業が多すぎる

安倍政権が、「ホワイトカラー・イグゼンプション」の導入を検討しています。これは大雑把に言うと、一定要件を満たした場合、ホワイトカラーの残業には手当てを払わないということです。世の中では、労働強化に繋がると反対意見も多いようですが、この案の意図するところはある程度理解できます。というのは、日本が他の先進諸国に比べて圧倒的に劣っているのは、ホワイトカラーの労働生産性の低さだからです。まずホワイトカラーとの比較のため、一般にブルーカラーと言われる工場のオペレーターを見てみましょう。彼らは、その一挙手一投足まできめ細かく管理されています。ベルトコンベアーで流れてくる仕掛品について、どちらの手で何秒以内…

続きを読む

肩書きより重いもの

中学校の理科の授業で、エンドウマメを掛け合わせる実験から遺伝の法則を発見したのは、メンデルという人物だと教わりました。この名前を覚えている人も多いのではないでしょうか。科学史に残る大発見をしたメンデルですが、驚くべきことに彼は学者ではありませんでした。いや、学者どころか学校の正式な教員にもなれず、アカデミックな肩書きとは生涯無縁の人だったのです。一体なぜなのでしょう。それは、彼にとっては肩書きよりもはるかに重いものがあったからです。「生物学」は、19世紀になってようやく産声を上げた比較的新しい学問です。それまでは「博物学」の時代でした。博物学とは、様々なモノを集めて比較し分類する学問です。言わ…

続きを読む

ツイッター化する社会

最近、テレビ画面の一部に、視聴者のツイッターが流れる番組をよく目にします。どんなことをつぶやいているのか見ていると、ほとんどが感情的な内容でしっかりした論理を展開しているものは皆無です。そもそも140字という制約がある上、テレビに採用されるとなればせいぜい一行程度の短いもの。ですので、キチンとしたロジックを展開することは不可能です。しかし、中には感情論までにも至らず、まるで脊髄反射のような薄っぺらいものさえあります。ですので、ツイッターがきっかけで深く考えさせられたり、自分の意見を見直すなどということは絶対にありません。見ていて、「ああ、この人はこんな意見なんだ」と解釈すれば、それで終わりです…

続きを読む

最弱と最強の分岐点

ある大企業の社長の訓示です。「予測不可能な時代だからこそ、私が目指しているのは最強の組織。すなわち軍隊だ!」この社長の頭の中には、軍隊とは完璧なトップダウン型の組織で、上官の命令一下、隊員が迅速に行動するというイメージが出来上がっているのでしょう。私もそう思っていました。ところが、部下が上官の命令に唯々諾々と従うだけという軍隊は、“最弱”なのだそうです。『アメリカ海軍に学ぶ最強組織のつくり方』の著者マイケル・アブラショフは、海軍で「最もダメな軍艦」という烙印を押された誘導ミサイル駆逐艦ペンフォルドを、わずか数ヶ月のうちに「アメリカ艦隊最高の艦」と言われるまでの地位に引き上げた奇跡の艦長です。一…

続きを読む

浮気遺伝子

電車の中で、スーツを着たサラリーマンが、夢中になってコミックを読んでいます。しかも、週刊の少年マンガ。あまりカッコいいものではありませんよね。コミックというと、ウィスキーをテーマにした『BARレモン・ハート』ぐらいしか読みませんが、それでも『北斗の拳』のケンシロウの名前くらいは知っています。そのケンシロウが一度敗れたという、サウザーという敵役がいるそうです。なぜケンシロウが敗れたのかと言うと、サウザーの臓器が鏡に映したように、左右反転しているのだそうです。生物学の専門用語では『内臓逆位』と言うそうですが、これを引き起こすサウザー遺伝子なるものがショウジョウバエで見つかりました。「サウザー」と命…

続きを読む

初めての方へ研修を探す講師紹介よくある質問会社案内お知らせお問い合わせサイトのご利用について個人情報保護方針

© FiveStars Academy Co., Ltd. All right reserved.