株式会社ファイブスターズ アカデミー

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村上 徹

ツイッター化する社会

最近、テレビ画面の一部に、視聴者のツイッターが流れる番組をよく目にします。どんなことをつぶやいているのか見ていると、ほとんどが感情的な内容でしっかりした論理を展開しているものは皆無です。そもそも140字という制約がある上、テレビに採用されるとなればせいぜい一行程度の短いもの。ですので、キチンとしたロジックを展開することは不可能です。しかし、中には感情論までにも至らず、まるで脊髄反射のような薄っぺらいものさえあります。ですので、ツイッターがきっかけで深く考えさせられたり、自分の意見を見直すなどということは絶対にありません。見ていて、「ああ、この人はこんな意見なんだ」と解釈すれば、それで終わりです…

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最弱と最強の分岐点

ある大企業の社長の訓示です。「予測不可能な時代だからこそ、私が目指しているのは最強の組織。すなわち軍隊だ!」この社長の頭の中には、軍隊とは完璧なトップダウン型の組織で、上官の命令一下、隊員が迅速に行動するというイメージが出来上がっているのでしょう。私もそう思っていました。ところが、部下が上官の命令に唯々諾々と従うだけという軍隊は、“最弱”なのだそうです。『アメリカ海軍に学ぶ最強組織のつくり方』の著者マイケル・アブラショフは、海軍で「最もダメな軍艦」という烙印を押された誘導ミサイル駆逐艦ペンフォルドを、わずか数ヶ月のうちに「アメリカ艦隊最高の艦」と言われるまでの地位に引き上げた奇跡の艦長です。一…

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浮気遺伝子

電車の中で、スーツを着たサラリーマンが、夢中になってコミックを読んでいます。しかも、週刊の少年マンガ。あまりカッコいいものではありませんよね。コミックというと、ウィスキーをテーマにした『BARレモン・ハート』ぐらいしか読みませんが、それでも『北斗の拳』のケンシロウの名前くらいは知っています。そのケンシロウが一度敗れたという、サウザーという敵役がいるそうです。なぜケンシロウが敗れたのかと言うと、サウザーの臓器が鏡に映したように、左右反転しているのだそうです。生物学の専門用語では『内臓逆位』と言うそうですが、これを引き起こすサウザー遺伝子なるものがショウジョウバエで見つかりました。「サウザー」と命…

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他責の人

課題が達成できなかった時や、プロジェクトが失敗に終わった時、必ず他人のせいにする人がいます。他人とはすなわち、自分の上司だったり部下だったり、ときには状況そのものが犯人にされるケースもあります。誰が見ても主たる原因はその人自身にあるような場合でも、自分のことは棚に上げて他人への不満や不平を言い募ります。これを「他責」といいます。一方、これとは反対に自分のことを責めすぎる人もいます。確かに責任の何割かは免れませんが、まるで自分がA級戦犯であるかのように反省し倒しています。こちらは「自責」といいます。ところが心理学では、「他責」「自責」という言葉ではなく、「他罰」「自罰」という言い方をします。そし…

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「元社長」という名刺

もう10年以上前のことですが、定年間近の先輩が老後準備の一環で、地域の写真サークルに入りました。そして、休日に参加した撮影会で、驚くべき名刺を受け取ったというのです。メンバーのほとんどは現役をリタイアした人たちですので、当然名刺など持っていません。しかし、新規にサークルに加入した参加者の中に、ひとりだけ自分の名刺を配りまくっている人がいました。驚いたのはその肩書きです。「○○株式会社 元社長」皆さんどう思いますか?私は大笑いしてしまいましたが、せっかくの機会なのでいま少し掘り下げてみましょう。現役サラリーマンにとって、名刺は自分の存在証明のようなものです。なかでもその肩書きは、“仕事人間”にと…

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腕時計はしない

最近、時間はスマホで見るからという理由で、腕時計をしない若者たちが増えています。しかし、打ち合わせ中や、客先での商談の場でこれをやると、そんなにメールが気になるのか、と周りから顰蹙を買うことがありますので気をつけましょうね。今回は、別の意味で「腕時計はしない」という人の話です。太平洋戦争真っ只中の昭和19年(1944年)2月、強権を振るう東条英樹首相は、陸相と参謀総長をも兼務するという暴挙に出ます。現代で言うと、原爆やミサイル実験を繰り返し、総参謀長でさえあっさりと粛清してしまう、あの国のトップのようなものでしょうか。この措置は、戦況が悪化した末の苦肉の策でしたが、政務と統帥を一元化するのは明…

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I was born

詩人とは、何と鋭い感性の持ち主なのでしょう。吉野弘の『Iwasborn』を読んだ時、改めて生命の何たるかについて考えさせられました。英語を覚え始めたばかりの少年が、ある夏の日の夕暮れ、父親と一緒に寺の境内を歩いているときに身重の女性とすれ違います。少年は、その大きなお腹の中の胎児を想像しながらこう言います。━━やっぱり Iwasborn なんだね━━ 怪訝そうに少年の顔をのぞき込む父親に、こう続けます。 ━━Iwasborn さ。受身形だよ。正しく言うと人間は生まれさせられるんだ。自分の意志ではないんだね━━ 父親は黙ったまま暫く歩いた後、突然蜉蝣(かげろう)の話をし始めます。━━蜉蝣という虫…

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祭りの後

熊本地震に関するネット記事を見ていたら、地震直後に取材していたあるテレビ局のアナウンサーが、現地で調達した弁当を食べたということが問題視されていました。報道陣だって人間なのだから、食事くらいはするでしょう。なぜこのことが批判されるのかと最初は疑問に思いましたが、すぐに私の考えが間違っていることに気づきました。震災直後は食糧がかなり不足していたため、避難した住民の多くが満足な食事をとれなかったことを思い出したからです。そう言えば、自分たちの食糧を持参せずに現地に乗り込んだため、空腹の挙げ句に官邸に食糧支援を訴えて批判された副大臣もいました。そもそも大挙して現地に押しかけた報道陣は、どうやって食糧…

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エイリアンは実在する!?

前回、人類が言葉を手に入れたのはサルから進化して440万年後、今から10万年ほど前だと書きました。大変不思議に思うのは、なぜ440万年も経ったある日、突然人類は言葉を手に入れたのかということです。これは学術的にも大きな謎です。このことについて、以前書いた『人の心がわかる遺伝子(1)、(2)』(2013年11月)の中で、言葉は宇宙からもたらされたのではないかという説を紹介しました。オカルトではありません。地球惑星物理学の権威で、地球外生命体研究の第一人者である松井孝典の仮説です。どういうことかと言うと、地球に飛来した隕石に何らかのウイルスがついていて、そのウイルスに感染したために、遺伝子が突然変…

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言葉はいつ手に入れた?

カエルは、目の前を飛ぶ虫を実に器用に捕まえます。でも、止まっている虫を捕まえることはできません。飛んでいる虫より、止まっている虫を捕まえる方が楽なのにと思いますがそうではありません。なぜなら、カエルには止まっている虫が見えないからです。視覚のしくみは、実に複雑で興味深いものです。人間の場合、止まっているものに反応する細胞と、動いているものに反応する細胞の両方があるので、止まっているものも動いているものも両方見えます。私たちは普段、目に映ったものを「見た」と判断しますが、この時脳の中ではまるでコンピュターのように実に複雑な活動が行われているのです。まず目から入ってきた様々な情報は、要素別にいった…

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