株式会社ファイブスターズ アカデミー

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村上 徹

悪人エジソン(1)

トーマス・エジソンと言えば、白熱電球や蓄音機を発明した有名な発明王。また、「天才は99%の汗と1%のインスピレーションに他ならない」の名言で知られる努力の人でもありました。しかし、実業家としてのエジソンの実像は全く違っていました。競争相手に打ち勝つために、夥しい数の犬や猫を殺戮した「殺人鬼」ならぬ「殺犬鬼」・「殺猫鬼」だったのです。電球の発明で十分な富と名声を得たエジソンは、次に電気を普及させるために発電事業に挑みますが、これを契機に「電流戦争」が勃発します。「直流」と「交流」の戦いです。最初は、エジソンの提唱する「直流」が圧倒的に優勢でした。直流はプラスとマイナスが固定されているため、電気の…

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人生の二つの扉

はっきり言って、これは誤訳だと思うのです。キース・ジャレットが21歳の時リリースした初のリーダーアルバム、“LifeBetweenTheExitSigns”の邦題のことです。正しくは『人生の二つの扉』ではなく、『出口標識間の人生』と訳されるべきです。そもそもジャケットには、背中合わせに立つ二人のキースの頭上に、それぞれの出口を指差している標識が二つ写っているのですから。ただ、この題名でアルバムが売れたかどうかはわかりませんが・・・。「二つの出口」の意味するところは、そのメンバー構成から推し量ることができます。ベースはオーネット・コールマン派のチャーリー・ヘイデン。片やドラムスはビル・エバンス派…

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遅刻がきっかけで(2)

佐久間象山は、日本で初めて電池を作った人物です。1850年(嘉永7年)、ペリーは横浜村で日米和親条約を結ぶに際し、幕府に寄贈したモールス電信機のデモンストレーションを行いました。その時、象山もその場に居合わせていたのです。日本が鎖国している間に、世界の文明は遥か先に進んでしまっていました。しかし、それは絶対に埋められない距離ではありません。その証拠に、この電信機の電源となっていた「液体電池」なるものを、象山は自作してみせたのです。石黒から西洋の発明品の素晴らしさを伝え聞いた先蔵は一念発起し、昼は叔父の工場に勤めながら夜は決して遅れない時計の開発に没頭します。睡眠時間3時間という壮絶な日々を乗り…

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遅刻がきっかけで(1)

最近、時計を持たずにスマホで時間管理をする若者が多くなりました。でも、もしスマホの電池が切れてしまったら、今何時なのかわからなくなりますよね。今回は、この電池と時計の切っても切れない関係に纏わる話です。入学試験に遅刻したことがきっかけで、世紀の大発明を成し遂げた男がいます。3才で父親を亡くした屋井先蔵(やいさきぞう)は、1875年(明治8年)11才で東京神田旅籠町にある時計店に奉公に出ます。しかし、先輩女中から浴びせられる容赦ない叱咤と罵声によって体調を崩し、失意のうちに一旦故郷の新潟に戻ります。でも先蔵は挫けませんでした。その2年後には再起を期して、長岡の矢島時計店に再び丁稚として奉公に上が…

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ポンコツ経済学者

2012年12月に第二次安倍内閣が発足し、低迷する日本経済の立て直し策の目玉として「アベノミクス」が発表されました。その主眼は、大胆な金融政策と機動的な財政政策、さらには民間投資を喚起する成長戦略というものでした。最後の成長戦略というのは、そもそも何が成長分野かわからないので無理がありますよね。今のところ財政出動はほとんどされていませんが、思い切った量的緩和の方はすぐに実行されました。これは、それまでの日銀の金融政策を真向から否定するものだったため、“日銀擁護派”の経済学者たちからは一斉に反対の声が上がりました。この時、海外での評価はどうだったのでしょうか。村上尚己の著書に、2013年1月24…

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男の脳と女の脳

男の脳と女の脳では、一体どこが違うのでしょうか?巷に跋扈する“トンデモ脳科学”は論外としても、かつて科学的に常識とされていた男女の脳の性差が、最近の研究で真っ向から否定される事態が起こっています。それは、金科玉条のごとく言われてきた「脳梁」の太さの問題です。脳梁とは、左右の脳を繋ぐ「架け橋」のようなもの。これがあるおかげで左脳の情報は右脳に行くことができるし、その逆もまた可能となるわけです。かつて、てんかん患者の治療と称して、脳梁を切断したり前頭葉を切除するという荒っぽい手術が行われたことがあります。一時的に患者は大人しくなりましたが、同時にやる気も失ってしまうなど人格まで変わってしまうため現…

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3カ月のパートが

今回はウィスキー造りの世界で、職人として認められた女性の話です。2014年9月のブログで紹介した『ラフロイグ』は、ウィスキー好きなら誰でも知っているアイラの名酒。しかし、もとから有名だったわけではありません。1815年の創業以来細々とした経営が続く、スコットランドではどこにでもあるような小さな蒸留所のひとつに過ぎませんでした。転機となったのは創業から100年近く経ち、創業者一族に連なるイアン・ハンターが社長に就任した1908年。それまではブレンド業者向けの樽詰めしか販売していませんでしたが、一般向けボトルの発売に踏み切っただけでなく、なんとアメリカ大陸進出にも乗り出します。その積極策がようやく…

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肝っ玉かあさん

最近のビジネスシーンにおける女性の活躍は、目を見張るものがあります。でも、完全なる男社会のはずのウィスキー造りの世界でも、かつて大活躍した女性たちがいたのです。まずは、スコッチ界の「肝っ玉かあさん」と呼ばれた人のお話しです。ジョン・カミングが農業の傍ら『カードゥ』を造り始めたのは、今から200年ほど前のこと。当時ウィスキー造りは農閑期の副業として盛んに行われていましたが、周辺の農家も含めて当然のごとく密造でした。彼らにとっての天敵は、お上の査察団。ところが、カミングの妻ヘレンのリスクマネジメントは実に大胆なものでした。まず査察団が巡回に来ると、自宅を宿として提供したい旨慇懃無礼に申し出ます。そ…

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心の空腹感

「感謝」の気持ちを持つことを教えるのは、とても難しいことです。そもそも「感謝」というのは自然に沸き起こる感情であり、人から教えられるものではありません。鎌田實の本の中に、「なるほど、こんな方法もあるんだな」と感心させられるエピソードが紹介されていました。四国の小さな小学校の校長だった竹下和男が、PTA総会で「子供が作る“弁当の日”を実施します」と宣言したのは2001年のこと。途端に、ブーイングが沸き起こります。「包丁や火を扱って、もし事故が起きたらどうするんだ」「共働きの母親には負担が重すぎる」「そのために早起きすると勉強に差し支える」様々な反対意見に対して竹下は静かに、しかし毅然とした口調で…

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成功はゴミ箱の中に

5種類のミルクセーキを同時に作れる「マルチミキサー」という飲食店向けの機械の、しがないセールスマンにすぎなかったレイ・クロックが、あるハンバーガーショップに興味を引かれたのには理由があります。この店が使っているのと同じミキサーをくれという注文が、毎日のように舞い込んできたからです。ロサンゼルス郊外サンバーナーディノにあるその店は、なんとこのミキサーを8台も使っていました。「よほど繁盛しているのだろう。一体どんな店なのだろうか?」彼がすぐに現地に赴いたことは言うまでもありませんが、その時の行動が少しばかり人と違っていました。まず開店前に到着し、しばらく店の外観を観察します。最初に不思議に思ったの…

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