株式会社ファイブスターズ アカデミー
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社会的に大きなアクシデントが起こり景気が悪化すると、経済が回復するまでにかなりの時間がかかります。 過去、日本のGDPが元の水準に戻るまでに要した時間を見ると、東日本大震災は1年、リーマンショックは2年。 いずれも大変な「惨事」だったことがわかります。 ところが、それ以上にかかったのが、2014年に消費率を5%から8%に上げたときで、このときはなんと3年もかかりました。 つまり、消費税の税率アップというのは、経済的には大地震やリーマンショック以上の「大惨事」なのです。 日本のGDPの53%を占めるメインエンジンは「個人消費」。 消費税率のアップは、このエンジンを一気に冷やし…
そもそも、金融の世界では、誰かの負債は誰かの資産を意味します。 そこで、日本の借金問題についても、会計のバランスシートを使って考えてみましょう。 マスメディアは「国の借金」と大雑把な表現をしていますが、経済学の知識のある人なら、政府と中央銀行とは連結決算で考えるべきだということを知っています。 なので、政府と日銀を合算した「統合政府」のバランスシートを考えます。 現在日銀は、マーケットにお金を供給する目的から、国が発行する国債のほとんどを買い取っています。 つまり、政府の借金は、同時に日銀の資産として計上されているのです。 確かに政府の借金は莫大ですが、日銀や政府系機関を含…
日本が財政破綻する危険性はほとんどありませんが、今の日本は別の意味で危険な状態です。 問題は、日本が「借金大国」ではなく、「金貸し大国」である点です。 なぜ、「金貸し大国」になったのかというと、日本国内がジャブジャブの「金余り」状態だからです。 なぜ、金余りになったのかというと、日本国内でお金を必要とする企業が少ない、つまり「資金需要が少ない」からです。 なぜ、資金需要が少ないかと言うと、新しい事業に投資しようとする企業がほとんどないからです。 日本が「技術立国」として世界を席巻していた頃は、企業は技術革新のための投資を次々に行っていました。 企業の資金需要はきわめて旺盛だ…
日本が世界最大の債権国、つまり「金貸し大国」であるということは、日本から海外に資金が流出していることを意味します。 流出先のトップはアメリカ(200兆円)ですが、2位はケイマン諸島(66兆円)。 おそらく、日本の金融機関がケイマン諸島を経由して、様々な「デリバティブ商品」に投資しているのでしょう。 大丈夫なのでしょうか。 他人事ながら気になります。 日本が債権国であることは、決して好ましいことではありませんが、そのことについては後で話すとして、もう一度デフォルトを起こす国債の3つの条件の話に戻りましょう。 3つの条件は以下のものでした。 ①国内投資家が買ってくれない …
国の借金がついに1,220兆円を超えて、GDPの2倍に達しました。 新聞には、「財政破綻を避けるために、今すぐ財政再建に取り組むべきだ」という論評が踊ります。 そのために必要なのは、プライマリー・バランスの黒字化。 だから、たとえコロナ禍であろうとも、早急に歳出削減と増税に取り組む必要があるのだと。 本当でしょうか? 不安に駆られる気持ちはわかりますが、財政破綻が起きたら一体どんなことになるのでしょう。 また、財政破綻が起きる可能性は本当に高いのでしょうか。 今回は、経済学の観点から検討します。 まず、新聞の言う「国の借金」ですが、正確に言うと「中央政府の金融負債」…
それにしても、なぜ厚労省は「2類相当」の分類に拘り続け、またなぜ多くの病院はコロナ患者の受け入れを拒否したのでしょうか? 本来マスメディアが取材するべき問題は、こちらではないのかと思うのです。 再構築を急がなければならないのは、感染症区分に関する適切な判定と、医療機関の協力体制です。 憲法を改正して「緊急事態条項」を盛り込むことは、ロックダウンなどの人流を制限をする目的もありますが、医療機関に対して政府がもっと強い命令を下すためにも必要なことです。 政治家が、医師会からの巨額の政治献金を失う覚悟さえあれば簡単にできるはずです。 今回、明らかに潮目が変わったのは、2021年2月…
憲法というのは、改正することが難しい「聖典」なのでしょうか。 日本では、憲法改正をタブー視する人が大勢いますが、ドイツで憲法に当たる「基本法」は1945年5月の旧西独時代に制定されて以来、現在までになんと63回も改正されています。 80年近くの間、1回も憲法を改正していない国というのは世界に例がないのです。 改憲反対論者の中には、「憲法で戦争放棄を明記しているから平和が保てているのだ。だから、憲法に手をつけることはまかりならん」と主張する人もいます。 憲法に明記することで戦争が防止できるのなら、振り込め詐欺も憲法で禁止したらどうでしょう。 精神論だけで戦争を抑止できるとい…
山本七平の著書『あたりまえの研究』の冒頭で、3つのエピソードが紹介されています。 最初は、菊池誠が『こころのうしろ側』という題名で雑誌に寄稿した随想の一節です。 ホノルルから飛び立った飛行機の中で、菊池は隣に座ったアメリカ人の老婆から、宗教は何かという質問を受けます。 「父は浄土真宗という宗教を持っていたけれど、私はどんな宗教にもそれほど深くかかわらない」と答えると、相手は猛然と噛みついてきました。 「宗教がなくて、いったいどうやって子供を育てるのか?」 菊池も怯まず反論します。 「子供は、宗教がなくても立派に育てられると思いますよ。まごころ誠実さといったものは、宗教だけに…
学生たちの感想レポートをいくつか紹介します。 「いったん従う気に包まれたら、従わないメンバーに苛立つようになった」 「自分が従うモードに入った後に怠っている人がいたら、『真面目にやれよ』という気持ちになった」 「制服もロゴマークもつけていないくせに集団に紛れ込んでいる人を見ると、憎しみすら感じた」 「規律や団結を乱す人を排したくなる気持ちを実感した」 「はじめはためらいがあったのに、最後にはもっと人のいるところで目立ってやりたいと思うようになった」 「集団のなかでただ従えばいいという気楽さと責任感の薄れがあった」 お揃いの制服と統一行動が無言の同調圧力を生み、リーダーの指…
白いワイシャツに青いジーンズ。 統一された服装にお揃いのロゴマークをつけた250人の学生が、直立不動の姿勢で一斉に右手を斜め45度に挙げ、大声で「ハイル、タノ!(タノ万歳!)」と唱和します。 この掛け声は、もちろん「ハイル、ヒトラー!」を真似たもの。 これは、甲南大学文学部教授の田野大輔が行っていた、歴史社会学の授業のひとコマです。 田野の狙いは、学生たちにナチスの行動を実際に体験させることで、「独裁」について考えを深めてもらおうというもの。 独裁と聞くと、私たちはすぐに「言論弾圧」だとか「絶対服従」、あるいは「監視社会」といった言葉を思い浮かべてしまいます。 しかし、…
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