株式会社ファイブスターズ アカデミー

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村上 徹

人望力(1)

2020年4月、世界中が新型コロナのパンデミックに陥っていた時、全長333メートルを誇るアメリカ海軍の巨大空母「セオドア・ルーズベルト」で感染者が発見されます。 当時この空母は、南シナ海で中国海軍を牽制するという任務を遂行中でした。 船内で感染者が出るとどんなことになるかは、既にクルーズ船での事例で学習済み。 一刻も早く乗組員を退艦させないと、5千人の命が危険に晒されることになります。 しかし、艦は作戦行動中なので勝手な離脱は許されません。 もし、あなたが艦長ならどのような判断を下しますか? もちろん、自分では判断しないで、上司の指示を仰ぐのがベストではあります。 これな…

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人生を変えたタクシー

便利な移動手段のタクシー。 でもそこには、しばしば人生を変えてしまうような「運命の出会い」があったりします。 あるプロ野球球団のオーナーが乗ったのは、女性が運転するタクシーでした。 乗客の職業を知った彼女は、自分の息子が大学でピッチャーをしていることを伝えます。 一度見てもらえないかという彼女の願いを聞き入れ、取り敢えずオーナーはスカウトに視察を命じました。 ところが、スカウトがその強豪大学に足を運ぶと意外な事実が発覚します。 あまりにもケガが多くて、試合にはほとんど出ていないというのです。 でも、将来性には目を見張るものがありました。 2014年のドラフト会議で、…

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強いAI、弱いAI(2)

AIに関する新しい考え方とは以下のようなものです。 最終的なアウトプットが満足いくものであるならば、判断理由などどうでもいい。 確かに、この考え方も一理ありますよね。 これは「強化学習」と呼ばれるもので、「目的」を設定してやればAI自身が試行錯誤しながら判断を重ねていき、結果として自ら成長していくシステムです。 まさに、将棋のAIがこのタイプです。 人間の行動の根本にあるのは、長い進化の過程で獲得した「生存意欲」です。 人間の好奇心も競争心も、学習欲も支配欲も、さらには後天的に獲得した道徳や倫理も全て生存意欲に繋がっています。 ということは、どうやったら生存できるかという…

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強いAI、弱いAI(1)

AI(ArtificialIntelligence=人工知能)という言葉が生まれたのは意外に古く1956年。 数学者のアラン・チューリングが、機械が知能を持つかどうかを調べる「チューリング・テスト」を発表した1950年から数えて6年後のことです。 この年、日本では手塚治虫の『鉄腕アトム』が発表されているので、当時の日本人の人工知能のイメージは鉄腕アトムだったのかもしれません。 アメリカのダートマス大学に在籍していたジョン・マッカーシーが、人間のように高い知能を持つ機械の実現を目指して、十数名の科学者に呼び掛けて開催した通称「ダートマス会議」の席上、たまたま提案したのが「AI」という名…

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スコッチ・アイリッシュ(2)

1780年、ペンシルヴァニアの市民軍の士官だったロバート・サミュエルズが軍を辞め、ケンタッキーで農業とウィスキー造りに専念したところから『メーカーズ・マーク』の歴史は始まります。 当時のケンタッキーはヴァージニア州の一部でしたが、州政府は山を越えてケンタッキー・カウンティーを開拓する者にはトウモロコシを作る許可を与えるとともに、400エーカーの土地を提供することを通達しました。 スコッチ・アイリッシュが大勢入植した理由は、トウモロコシを作るというよりもトウモロコシを使ってより高く売れるウィスキーを造るためでした。 サミュエルズ一家は規模を徐々に拡大し、3代目のテイラー・ウィリアム…

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スコッチ・アイリッシュ(1)

アメリカのウィスキーと言えばバーボンですが、独立前まではラム酒の方が多く飲まれていました。 理由は、あの悪名高き「三角貿易」。 アメリカはアフリカにラム酒を輸出し、アフリカは農園で働く奴隷をカリブ諸島に輸出し、カリブの島々はサトウキビからとれた砂糖や糖蜜をアメリカに輸出していました。 ラム酒は、アフリカで奴隷を買うための「通貨」の役割を果たしていたのです。 この糖蜜を利用してラム酒を造っていたのは、ニューイングランド地方に入植したイギリス人たち。 なにせ廃棄するしかなかった糖蜜から造るわけですから、ブランデーなどに比べとても安上がりです。 このことが、植民地争いにおいてイギ…

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ロシアを決して信じるな(2)

ロシア研究の第一人者である中村逸郎が、モスクワで最も近代的な設備を誇るシェレメーチエヴォ空港で巻き込まれたのは、手荷物が届かないという海外旅行にありがちなトラブルでした。 2個のスーツケースが行方不明になったのです。 カウンターに出向くと、すでに怒りに満ちた10人ほどの乗客が列を作っていたため1時間半ほど待たされてようやく順番が回ってきます。 担当者は、メールで各空港に問い合わせるとは答えてくれましたが、ロシアの空港職員が真面目に探すとは到底思えません。 その時、中村の脳裏に出発地のチター空港のことが蘇ります。 隣のチェックイン・カウンターで、モスクワのドモジェードヴォ空港行きの…

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ロシアを決して信じるな(1)

ロシア研究の第一人者、筑波大学名誉教授の中村逸郎が2021年に上梓した『ロシアを決して信じるな』は、中村が入手した極秘資料に記載されている衝撃的なエピソードから始まります。 1995年1月25日午前9時過ぎ、当時エリツィン大統領の補佐官で、国家安全保障担当のユーリー・バトゥーリンのもとに緊急連絡が入ります。 「ノルウェーの方角からモスクワに向けて核ミサイルが飛んできている。首都に着弾するのに20分もかからない」 当時、ノルウェー沖でアメリカ軍の原子力潜水艦が活動していることはクレムリンもすでに把握済み。 すぐに「チェゲート」と呼ばれる核バッグを持つ3人、すなわちエリツィン大…

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AIにはできない(2)

料理人や理髪業者など細かな手先の技能が必要とされる仕事が、すぐにロボットに取って代わられるわけではありません。 なぜなら、コストの問題があるからです。 一般に人間の手先のように繊細な動きができるロボットを開発することは、非常に難しいと言われています。 なので、開発には膨大な費用がかかることが予想されます。 たとえ開発に成功できたとしても、人間を雇うコストより割高になってしまうと採算が取れなくなります。 だから、低賃金の仕事は今まで通り人間にやらせておいた方が安くつきます。 ということは、技能が高いか低いかに関係なく、その仕事が低賃金ならば「人間の仕事」として残る可能性が高い…

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AIにはできない(1)

「今後10~20年のうちに、702種類の職業のうち47%がAI化されるだろう」 イギリス・オックスフォード大学のカール・フレイとマイケル・オズボーンの両博士が、衝撃の論文『雇用の将来:私たちの仕事はどこまでコンピューターに奪われるのか?』を発表したのが2013年ですから、「今後10~20年」のうちの半分くらいが経過したことになります。 この論文をきっかけに、将来多くの人が職を失うのではないかという議論が沸騰しましたが、もしこの論文が正しいなら残された時間はそう多くありません。 最近、AIに宅地建物取引士(宅建士)試験や司法試験の過去問題を学習させて、次の試験問題を予想させるという…

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