株式会社ファイブスターズ アカデミー
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いくら選挙で国民から選ばれたとは言え、経済のことをまったく知らない政治家が、経済政策を担当するのはあまりに無謀ではないのでしょうか。
小泉内閣時代にこんなことがありました。
あまりに景気が低迷するので、巷では減税を望む声が日増しに強くなっていた時です。
「爺」と呼ばれる年配の財務大臣がこんな趣旨の発言をしました。
「国の予算は赤字で大変なのだから、もしも今年減税を実施するなら、減税となった分は来年と再来年に増税したらどうか」
私はこの発言を聞いたとき、愕然としました。
財務大臣ともあろう人が、『リカード・バローの中立命題』をご存知ないとは
・・・・
これは、マクロ経済学のテキストの最初の1ページに書いてあるような基本的な話です。
一般には減税ではなく、公共事業などの財政出動に対して言われます。
解説すると、こんなケースです。
今年、減税によって所得が100万円増えたとします。
普通なら「これはラッキー」と思って、欲しかったものを買いますよね。
多くの人がこのように消費を増やしてくれれば、乗数効果により景気はまちがいなく回復します。
でも、来年は50万円の増税、再来年も50万円の増税が決まっているとしたらどうでしょう。
あなたは、今年手にした100万円を遣ってしまいますか?
私なら、100万円をそのまま預金して、来年・再来年の増税に備えます。
これが、『中立』ということです。
つまり、今年所得が増えたとしても、人々が近い将来の増税を予測するならば、その増えた分は消費に使わずに貯蓄に回してしまうので効果がないのです。
こんな経済学のイロハのイを、こともあろうに財務大臣が知らなかったとは・・・・
しかし、政治家にも言い分はあるでしょう。
『そもそも、どんなに経済学の知識があったとしても、現実の経済政策運営はまったく別モノである』と。
今こそ経済学者は、自らの存在理由を賭けて、高らかに反論の声を上げるべきではないでしょうか。
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