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5☆s 講師ブログ

「改革」のどこが誤りか

まず、企業にとって小泉改革がどのような影響を与えたか見てみましょう。

新規参入を認めて業界の競争を激化させると、一体どのようなことが起こるのでしょうか。

新規参入企業が増えて競争が激化し出すと、まず、価格が焦点になりました。

世の中は将来不安から、少しでも安いものを求める風潮にありましたので、今までより安い

品物が受け入れられました。

すると、既存企業もそれに対抗するため、徹底的なコストダウンに取り組まざるを得ませんでした。

企業コストの最たるものは、もちろん人件費です。

この小泉改革をきっかけにして、世の中の企業はリストラ一色になりました。

では、つぎに、もうひとつの改革である、公共事業について見てみましょう。

小泉さんは、地方にばら撒かれていたムダな公共事業を徹底的にカットしました。

それにより、地方の建設業者を中心に、大量の失業者が生まれました。

いかかですか。

小泉改革は、景気を回復させるどころか、逆に失業者を大量に作り出してしまったのです。

断っておきますが、私は改革が必要ないと言っているのではありません。

この2つの政策のどちらも大賛成です。

ただ、問題は実施した時期なのです。

世の中の景気が低迷しているとき、とりわけデフレとなっているときには、決してとってはならない政策だったのです。

サッチャー首相も同様の改革を行いましたが、こちらは景気回復に成功しました。

なぜ、イギリスでは成功したのでしょうか。

それは、労働貴族といわれる人々が既得権益を手にして働かなかったため、物価が高止まりしていたからです。

規制を緩和して様々な競争を導入したことで、企業は価格引下げに努力せざるを得なくなりました。

そして、それが労働者の権利の見直し等につながり、経済が活性化したのです。

つまり、この処方箋は、物価が高止まりしているときや、インフレのときに有効なのです。

私は、つくづく思います。

小泉氏が経済学部の学生だったら、これほどの「痛み」を伴わなくても景気を回復させる方策を思いついただろうにと。

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