株式会社ファイブスターズ アカデミー
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少し公共事業のことに話しがそれてしまいました。
この辺で本題に戻して、なぜ人々が貯蓄に励むのかについてみていきましょう。
問題となるのは90年代後半、小渕内閣が大規模な財政出動をしたにも関わらず、その効果がほとんど見られなかったことです。
これは様々な論文で、乗数効果が小さかったことが検証されています。
つまり、人々が財布のヒモを固く締めて貯蓄に励んだということです。
では、なぜ、このとき人々は財布のヒモを固く締めたのでしょうか?
私の答えは『不安』です。
大銀行の破綻が相次ぎ、人々はいつリストラされるかわからないという恐怖に襲われていました。年金生活者は、支給水準が引き下げられるのではないかという強い懸念を抱いていました。
このとき日本丸は、信頼のおける羅針盤を持たないまま、嵐の海を漂流しているようなものでした。
人々は会社も信じられず、国も信じられず、ただただ自分の生活を防衛することで精一杯でした。
このような超異常な心理状態だったからこそ、流動性のワナとかデフレといった100年に一回しか起きないようなことが起きてしまったのです。
結果として、このようなときに貯蓄に励むという行為はまったくの誤りでした。
しかし、貯蓄に励んだ人々が悪かったのではありません。
人々の不安を取り除くことができなかった政治の問題です。
もっと言えば、政治家に対して的確な提案が出来なかった経済政策の担当者の責任です。
経済学は、象牙の塔の中で完結する学問ではありません。
経済学者には、世の中の人々を経済的に救済する使命があるはずです。
小渕首相が急逝した後、森内閣を経て小泉内閣が誕生しました。
そして、小泉首相の『痛みを伴う構造改革』路線のために、中高年の自殺者が異常に増加した事実を、経済学者は決して忘れてはならないと私は思っています。
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