株式会社ファイブスターズ アカデミー
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脳の側頭葉に、笑顔にだけ反応する特殊な細胞があることを発見したのは、
京都大学霊長類研究所の所長を務めた久保田競です。
なぜ、そんな細胞があるのでしょう?
その謎を解き明かすためには、まずサルの話から始めなければなりません。
変だと思いませんか?
実はサルの脳の中の、好き嫌いを決める「扁桃核」という神経核に、
ヘビにだけ反応する「ヘビ細胞」やクモにだけ反応する「クモ細胞」というのが存在します。
なぜ、そんな細胞があるのでしょうか?
その理由はこうです。
もし、危険な生物を知る手段が学習しかないとすると、ちょっと困った事態が起こります。
「変な生き物がいるなぁ」と毒ヘビを手に取った瞬間に、ガブリと噛まれて一巻の終わりとなってしまうかもしれません。
そこで、ヘビ細胞とかクモ細胞といった特殊な細胞が、警戒警報のサイレンの役割を果たしていると考えられます。
私たちは先祖代々、生き延びるために様々な知恵を生み出してきました。
もちろん大昔は、この細胞を持っていないサルもいたことでしょう。
ところで、ヘビやクモといった危険なものに反応する細胞はわかりますが、
笑顔に反応する細胞というのは一体どんな意味を持つのでしょう。
その疑問に答える前に、「笑う」という行為について考えてみましょう。
時々、「うちのワンちゃんは笑うのよ」という飼い主がいますが、これは間違いです。
でも、笑うのとよく似た表情をする動物はいます。
人間の笑顔というのは、必ず唇の端すなわち口角が上がります。
2014年9月のブログ『ヒト科4属』で書いたように、驚くなかれチンパンジーはヒト科に属しています。
ヒト科というのはヒト属、チンパンジー属、ゴリラ属、オラウータン属の4属からなっています。
その中で、チンパンジーだけが口角を上げるという動作をします。
一般にチンパンジーは極めて好戦的な動物です。
群れをつくる動物には必ず序列という格付けが存在しますが、
チンパンジーの場合は戦い、すなわち喧嘩によってその序列を決めるのです。
しかし、喧嘩するには大変なエネルギーを使います。
でも時には、相手の体型を見ただけで、明らかに負けることがわかる場合だってありますよね。
すなわちグリンとは、「私はあなたに屈します。あなたとは戦いません」という降伏のサインを意味するのです。
そして、そのサインを認識するために笑顔細胞があるのです。
しかも、DNAから直接もたらされる本能に近い情報ですので、
理屈抜きで相手への警戒心がなくなり好意さえ生まれます。
また、笑顔は伝染することがわかっています。
まず、被験者の顔に電線をつけます。
いや、笑顔だけではありません。
これも細胞の仕業です。
もし、あなたが管理職なら肝に銘じるべきです!
メンタル不全者が多発している職場なら、その原因のひとつは管理職の表情かもしれませんよ。
さらに、笑顔はその人の心を明るくする作用があるということが、ストラックらの実験で証明されています。
私たちは今まで、楽しい事やうれしい事がないと笑顔になれないと思っていました。
あなたが笑顔になることで、あなた自身の考え方も前向きになるし、
その笑顔が伝染した周りの人もまた、笑顔になって心が前向きになるのです。
最近は、医学的にも笑顔の効用が明らかになっています。
まずNK細胞です。
あとは、免疫グロブリンのIgG やIgM、さらにはγインターフェロン、補体など
数多くの免疫系細胞が活性化することもわかっています。
いいことばかりではありませんか。
でも、楽しい時に笑うのは誰でもできます。
作家の浅田次郎は、「なぜ笑うかというと、それは笑っていないと泣いてしまうからだ」と言っていますが、その通りです。
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