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5☆s 講師ブログ

「水」詐欺(1)

振り込め詐欺に騙される人が後を絶ちません。
犠牲になるのは主に高齢の人たちですが、高齢者だから引っ掛かるというわけではありません。
騙される理由は「文系人間」だからです。
若くても、文系人間は詐欺のカモになる可能性が高いのです。

あなたが文系人間かどうか一発でわかる質問を、脳科学者の池谷裕二が紹介してくれていますので、ぜひ挑戦してみて下さい。

【問題】マラソンで4位の人を追い抜いた。今何位になった?

どうです。
わかりましたか。

私は自信満々で「3位」と答えたのですが、残念ながら正解は「4位」でした。
なぜかというと、前に4位の人が走っていたのだから、追い抜く前のあなたの順位は5位ということになります。
毎年、正月の箱根駅伝をテレビ観戦しているのに間違えてしまいました。
これからは、もっと真剣に観ないとダメですね。

池谷によると、こんな“小学生の算数レヴェル”の問題を間違うのは大抵文系の人だそうです。
でも、間違ったからといってがっかりする必要はありません。
生成AIだって、初期の頃は「3位」と答えるものが多かったそうです。
どうやら、生成AIも文系タイプらしいです。

こんな「文系人間」が詐欺の餌食にならないためには、論理的な思考を身につけるしかありません。
実は、「詐欺には引っ掛かったことがないから大丈夫」と胸を張る人でも、日常的に詐欺的商法に引っ掛かっているのです。
それは何かというと、「水商売」。

といっても、ネオン街の話ではありません。
「水」に関する飲料ビジネスの話です。

世間には「水道水は不味い」とか、「ミネラルウォーターは安全だ」という認識が広がっていますが、本当にそうでしょうか?
左巻健男著『水の常識ウソホント77』の中に、具体的な「水」商売の巧妙な手口が記載されていました。

かつて、「アルカリイオン整水器」というのがバカ売れしたことがありました。
1965年に、なんと当時の厚生省が薬事認可してしまったという曰く付きの商品です。
その後、国民生活センターなどの調査で効果に疑問符がつきブームは下火になりましたが、「水」商売が極めておいしいビジネスであることを世間に知らしめるきっかけとなる事件でした。

他には、いかにもオカルトっぽい「水のクラスター」や「波動水」、さらには水道水を磁石に通すと美味しくなるいうものなど、バカ売れとまではいきませんが怪しい商売は山ほどあります。

ちょっと前には、「海洋深層水」というのがヒットしました。
深海の海水と聞くと、なんとなくミネラルが豊富というイメージを抱きますが、もちろん海水をそのまま飲むことはできません。

そこで、「逆浸透膜法」という化学的な方法で脱塩するのですが、この時にミネラルや栄養分も一緒に取り除かれてしまいます。
こうなると、もはや「ただの水」。

そこで、ごく少量の海洋深層水や濃縮海水を後から添加します。
要するに、水道水にほんのちょっとだけ海水を混ぜたものと同じです。
文系人間は、こんなものを有り難がって飲んでいたのですね。

でも、「おいしい」とか「体にいい」と謳うのはまだいい方で、「水道水は危険だ」という悪質な印象操作によって売上を伸ばした商品があります。
家庭用浄水器です。

販売業者が、水道水に含まれるトリハロメタンはガンの原因物質だと、危険性を盛んにアピールしました。
もちろん、水道水のトリハロメタン含有量は基準値を下回っていますが、それでもリスクがゼロというわけではありません。
では、どのくらいリスクがあるかというと、一生の間に飛行機に一回乗るのと同じくらいだそうです。

危険といっても、要は程度問題です。
それでも水道水は危険だと思う人は、今後飛行機には絶対に乗らないで下さいね。
それから、飛行機とは比べものにならないほど事故率が高い自動車にも。
水に関する怪しい商売は、まだまだたくさんあります。

かつて「水素水が体にいい」という謳い文句で、高価な水素水製造器が販売されたことがありました。

 

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