株式会社ファイブスターズ アカデミー
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フジテレビの問題について、ここでは「報道機関として」という視点に絞って考えてみましょう。
問題は二つあると思います。
一つ目は、報道機関なのに報道に携わる人間を、タレントや芸能関係者の接待要員として使うことが常態化していた点。
この会社では、「報道」という仕事は、どのように定義づけられていたのでしょう?
もしかしたら、「バラエティ」と同義だったのかも。
二つ目は、トラブルがあった事実を長期間隠蔽していた点。
不祥事の隠蔽は、メディアがもっとも厳しく追及していた点ではありませんか。
この時点で「報道機関」としては完全に失格なのですが、前者はともかく後者については他局も似たり寄ったりではないでしょうか。
とにもかくにも、この会見は、すでにマスメディア業界が「批判する側」ではなく、「批判される側」に立たされていることを痛感させられたイベントでした。
しかし、その10日後に今度はテレビカメラを入れて行われた2回目の記者会見では、もっと深刻な問題が浮き彫りになります。
質問に答える側はテレビ局の幹部。
テレビ局は、一応“ジャーナリズム”を標榜する報道部門を抱えています。
質問する側も、自称も含めて一応“ジャーナリスト”。
ところが、あまりにも不毛なやり取りが、延々10時間以上も繰り返されます。
会場には記者たちの怒号が飛び交い、かつて反社が大勢参加していた昭和の株主総会を彷彿とさせるものでした。
会見に参加していた元産経新聞記者の三枝玄太郎は、この様子を「まるで動物園」と評したほどです。
これでは、どちらが「アウトレイジ」かわからないではありませんか。
しかも、大声で不規則発言を繰り返していた人は、ほとんどが大手新聞社の現役社員かOBです。
残念ながら、これが日本のジャーナリズムの現状です。
国民は、フジテレビに失望しているのではありません。
日本のジャーナリズムそのものに対して失望しているのです。
この事件で、マスメディアの信用は失墜したと言われましたがそれは間違いです。
そんなことは、国民はとうの昔に気づいていたことです。
なぜなら、「ネット」という、マスメディアに代わる手段を手に入れていたからです。
もちろん、ネットにはウソとホントの情報が入り交じっていることは百も承知です。
でも、マスメディアの報道だって五十歩百歩だということも知っています。
しかも、ネットの場合は、ウソの情報はやがてホントの情報によって駆逐されてしまうのに対し、マスメディアはウソの情報であっても自ら訂正することは滅多にありません。
私たちがマスメディアのウソを知るのは、いつもネットを介してです。
これからの時代は、マスメディアでもネットメディアでも、ウソの情報とホントの情報が今以上に氾濫するでしょう。
押し寄せる真偽不明の情報の洪水に対し、私たちは自分の頭で判断し取捨選択していかなければなりません。
面倒な作業ではありますが、それが「自己責任」というものです。
国家と市民の関係がフィフティー・フィフティーであるように、メディアと市民の関係もフィフティー・フィフティーです。
自己責任こそ、日本国憲法の第12条に定められた「この憲法が国民に保障する権利は国民の不断の努力によってこれを保持しなければならない」という精神に他なりません。
私たちは、マスメディアの臣民であっても、ネットメディアの臣民であってもいけないのです。
問われているのは、マスメディアの問題でも、ネットメディアの問題でもありません。
「選択の自由」に対する、私たち一人ひとりの心構えです。
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