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今年6月、アメリカ財務省は日本を為替操作の「監視リスト」に追加しました。
日本のマスメディアが真っ先に思い浮かべたのは、1ドル=160円の時に財務省が行った介入を、アメリカ当局が「為替操作」と見なしたのではないかということです。
翌7月、日経新聞がアメリカのイエレン財務長官にインタヴューを行いました。
おそらく日経は、財務省の為替介入は問題であると、イエレンの口から言わせたかったのでしょう。
ところが、アメリカの疑念は全く別のところにありました。
アメリカが疑っていたのは、日本政府が長い時間をかけて円安に誘導していたのではないかということです。
つまり、1ドル=160円に至ったこと自体が、日本政府が意図的に誘導したものではないかというのです。
さらには、今回の財務省の介入は、逆に円高を誘導するものなので全く問題がないことも明言しました。
アメリカが監視対象にしているのは、あくまで自国通貨安(円安)に誘導する為替操作でした。
日経新聞の目論見は、見事に外れてしまったわけです。
でも、このインタヴューで最も注目すべき点はそこではありません。
イエレンが、「近隣窮乏化政策」について触れたことです。
近隣窮乏化政策とは、為替を円安などの自国通貨安に誘導して、輸出産業にとって有利な環境を作り出すことです。
当然、貿易条件が不利になる近隣諸国は窮乏化します。
だから、自国通貨安に導く行為は「為替操作」と見なされ、各国から批判されるのです。
そもそも「近隣窮乏化政策」というのは、経済学の中でも高校の教科書に載っているような基本中の基本です。
その基本知識を、まるで子どもに諭すようかのように、アメリカの財務長官が日経新聞の記者に懇切丁寧に教えたのです。
この記者は恥ずかしくなかったのでしょうか。
例えるならば、「数学専門誌」を自称する雑誌の記者が、アメリカの著名な数学者から微分方程式のイロハを教わるようなものです。
日経新聞は、「悪い円安」キャンペーンを大々的に展開し、めでたくその年の流行語大賞にノミネートされました。
でも、もしこの新聞社が高校で習う「近隣窮乏化政策」を知っていたなら、絶対に「悪い円安」などという馬鹿げたワードは出てこなかったはずです。
そんな新聞が、「経済」のニ文字を社名に冠しているのは皮肉以外の何者でもありません。
実は日経新聞に限らず、経済学の基本知識のない記者が、とんでもなく的外れな経済記事を書くケースはかなりあります。
ある大手新聞社のWEBサイトに、「人手不足で中小零細企業の倒産が増えている」という記事がアップされたことがあります。
記者は、人手不足を原因とした倒産件数が過去最高水準にあることを指摘した上で、「日本経済は戦後最悪の状態にある」と結論づけました。
でも、日本経済は本当に最悪の状態なのでしょうか?
一度整理してみましょう。
一般に経済学では、最悪の状況とは失業者が極端に増えることをいいます。
でも、失業者が極端に増えれば、人手不足は解消するはずです。
もし、人手不足が最悪の経済状態だというなら、失業者を増やせばいいだけの話です。
具体的には、政府は金利を大幅に引き上げると同時に財政を極端に引き締めて、日本経済を徹底的に不況に導けばいいのです。
大量の失業者が生まれることで、人手不足は瞬時に解消されます。
ただし、人手不足は解消できたとしても、失業者が就職できる保証はありませんが。
考えてもみて下さい。
人手不足というのは、失業率が低い状態だから生じる現象です。
つまり、日本経済が好調だからこそ生まれる現象なのです。
経済学の基本知識もない記者が、軽々しく「最悪の経済状態」などと書くべきではありません。
そもそも、現在日本で生じている人手不足は、働き手が存在しないために起きているわけではありません。
募集要項に提示されている賃金が低いので、就職希望者が現れないだけです。
高い賃金を提示すれば希望者は必ず現れます。
では、なぜ高い賃金を提示できないのでしょう?
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