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5☆s 講師ブログ

AIにはできない職業(2)

0.085と、ほとんどAIの影響を受けない職業もありました。
それは、皿洗いや清掃員。
どちらも訓練の必要はありませんよね。

しかも、皿洗いや清掃の仕事をこなすAIやロボットを開発したところで、絶対に採算は取れません。
要するに、専門的な訓練を必要としない職業の場合は、圧倒的にコストの安い人間を使った方がおトクなのです。
だから、皿洗いや清掃の仕事は「AIには絶対できない職業」であると言えます。
正確に言うと、「AIにやらせても採算が取れない職業」です。

まとめると、AIの影響を最も受けやすい職業とは訓練期間が長く、学位が必要で、さらには賃金が高い職業。
俗に「ホワイトカラー」と呼ばれる仕事です。

ただし、この論文は題名に「早期の見解」とわざわざ断りを入れていることからわかるように、GPT-4が登場した初期段階におけるものです。

当然、今後急速にAIが進化していくに従って、「ホワイトカラー」の受ける影響度はこんなものでは済まなくなるでしょう。

でも、AIがこれほどの脅威と認識されるようになったのはつい最近のこと。
生成AIが登場する前までは、コンピューターが人間の肩代わりをするのは困難だと考えられていました。
なぜかというと、哲学者マイケル・ポランニーが唱えた「ポランニーのパラドックス」という有名な説があったからです。

この説の趣旨は、「人は言葉で表現できる以上のことを知っている」というもの。
一般には「暗黙知」と呼ばれています。
この暗黙知が、作業を機械化する際の障害要因になると言われてきました。

というのは、コンピューターを作動させるにはプログラムに落とし込まないといけないのですが、そのためには作業を言語化する必要があるからです。
これが一筋縄ではいきませんでした。
ところが、突然ブレイクスルーがもたらされます。

機械学習やディープラーニングの性能が向上したことで、「非定型作業」を機械で置き換えることが可能になったのです。
「非定型作業」とは「暗黙知」が関わる作業。

例えば、犬と猫を見分ける作業を言語化するのは大変でしたが、コンピューターにそれぞれの写真を大量に学習させたら、簡単に見分けられるようになりました。

暗黙知の壁がこんなに簡単に破られるなんて、一体誰が予想したでしょう。

でも、先述したように、暗黙知の壁が破られたにもかかわらず、皿洗いや清掃のように依然としてAIの影響をほとんど受けない職業も存在します。

これらはなぜ影響を受けないのでしょう?

そこで第二のパラドックスである「モラベックのパラドックス」の登場です。
ロボット工学者のハンス・モラベックは、「AIにとっては、人間がよく考えて行う高度な作業は簡単だが、人間が特に何も考えずに簡単にこなしていることは難しい」と主張しました。

生成AIが登場しても、この「モラベックのパラドックス」が揺らぐことはありませんでした。
例えば、ハンバーガーを作る作業を考えてみましょう。
バンズを掴む時の指先の力の入れ加減は、ピクルスを掴む時とは異なります。
この微妙な力の入れ加減の違いを正確にプログラムし、命令通り忠実に作動するロボットを作るには莫大なコストがかかります。

ところが、人間は何も考えずにこの難しい作業をいとも簡単にやってのけます。
しかも驚くほどの低コストで。
つまり、人間は「最も安価な精密機械」なのです。

このように、ロボットやAIより人間を雇った方が安くつく職業があることはわかりましたが、間違えてはいけないことは、生成AIの進化により「影響を受ける」ことと、「仕事が奪われる」こととは全くの別物だということです。

分かりやすくいうと、仕事を助けてくれる「労働補完型」なのか、仕事を完全に代替してしまう「労働置換型」かということです。
実は、この部分は研究者の間でも見解が分かれています。

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