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5☆s 講師ブログ

報道の脳死(2)

日本の食料自給率が低いことは、今や小学生でも知っていますが、本当にそうでしょうか?

実は、この「カロリーベースの食料自給率」という概念は、1983年に農水省が発表するまで、世界のどこにも存在しなかった考え方です。
理由は後で述べますが、そもそも「食料自給率」を問題にしている国など世界中探してもないのです。
もし、どうしても自給率を知りたい時は、世の中に発表されている「重量ベース」と「生産額ベース」のうち、「生産額ベース」を使って計算するのが一般的です。

なぜ、「カロリーベース」という概念が存在しないかというと、「カロリーベース」では野菜に比べて牛肉や豚肉が必要以上に高く評価されてしまうからです。
しかも、日本の場合は、豚や牛の飼料であるトウモロコシの大半を輸入に頼っているため、国内の畜産農家が手間隙かけて一生懸命育てても、その苦労は自給率にはほとんど反映されません。

例えば、鶏卵はほぼ100%国産ですが、エサの大半を輸入しているため、計算上の自給率はわずか10%前後になります。
つまり、カロリーベースで見ると、90%は輸入と見なされてしまうのです。
野菜は国産品と正当に判断されますが、残念ながらカロリーがほとんどありません。

以上のことから、「カロリーベース」という概念は、ある特定の意図を持った組織が、世論を一定方向に誘導する目的でわざわざ作り出したものではないかと推測できるのです。

では、世界標準の「生産額ベース」で見た時、日本の自給率はどうなるのでしょう?

生産額ベースでの日本の自給率はずっと70%前後で推移してきましたが、最近になって高級食材の輸入が急拡大した関係で60%前後に落ち込んでいます。
それでも、他の先進国と比べて遜色ない水準ではあります。

フランスやオランダなどの農業大国は農産物を大量に輸出していますが、彼らは同時に農産物を大量に輸入しています。
だから、「食料自給率」という考え方自体がないのです。

もう一度言いますね。
「食料自給率」という概念は日本特有のものであり、もしどうしても自給率を知りたい時は、世界標準である「生産額ベース」で見るのが普通なのです。
ところが、「カロリーベース」という基準は、日本が独自に考え出した世界には存在しない考え方なのに、農水省は世界標準の方の「生産額ベース」の発表を95年以降中止してしまいました。
そのため、現在発表されているのは「カロリーベース」だけ。

もちろん、他の国では「カロリーベース」の統計などとっていません。

では、農水省はどうやって各国の数値を弾き出したのでしょう?
実は、農水省の役人たちが、「FAO(国連食料農業機関)」の統計を基に様々な計算式を駆使して無理やり導き出したものです。
でも、その計算式は公表されていません。

あるジャーナリストが大臣官房に計算根拠を問い質したところ、「食料安全保障の機密上、出せない」という耳を疑うような回答が返ってきました。
世界中で、日本の農水省だけが提唱している謎の「カロリーベースの食料自給率」。
世界的には全く通用しないデータではありますが、マスメディアが大々的に喧伝してくれたおかげで、ついに日本の世論を形成するまでに至りました。
まさに、現代の「大本営発表」です。

「官」とマスメディアが手を組めば、国民の洗脳なんて簡単にできてしまうことがおわりいただけましたか?

でも、マスメディアが農水省と手を組んでいるうちは、補助金の増額とか天下り先の確保とかのレヴェルで済んでいますが、相手が検察庁となると事態は一気に深刻化します。

昨年末、政治家の裏金問題がメディアを賑わせましたが、ネタ元は全て検察側からのリークでした。
別の言い方をすれば、マスメディアは検察以外の情報源を何一つ持っていなかったのです。
たったひとつのニュースソースが、日本全体の世論を完璧にコントロールしていたわけです。

マスメディアは、「第四の権力」と言われることがあります。
国家が持つ権力は「司法権、立法権、行政権」の三つですが、マスメディアはそれに次ぐ四番目の権力という意味です。
マスメディアは自分たちの役割は「権力の監視」だと主張しますが、実際は自分自身が権力そのものなのです。

その「第四の権力」が、「司法権」という強大な国家権力を持つ検察機構とダッグを組んだら、犯罪者を作り出すことなど簡単にできてしまいます。

でも、今回の裏金問題を世間に知らしめた目的は、犯罪者を作り出すことではありませんでした。
マスメディアが大々的に報道してくれたおかげで、与党内で積極財政を主張していた政治家は全員パージされてしまいました。
それどころか、減税や積極財政を主張していた派閥は全て解散に追い込まれ、残ったのはただひとつ。

財務省と非常に親しい派閥だけです。

なんとなく、誰が「絵」を描いたのか見えてきませんか。
結果的に、増税に向けた環境はこれ以上ないほど整備され、手始めは子育て支援に向けた社会保険料負担の増額でした。

このようにマスメディアが何らかのキャンペーンを始める時には、その裏側にはほとんどの場合「官」のシナリオが存在しています。
だから、私たちは報道には注意して接する必要があるのです。

さて、国民を洗脳する話はこれくらいにして、国家に並ぶほど強大な権力を持つマスメディアとは、本来どのような存在であるべきなのでしょう?

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