株式会社ファイブスターズ アカデミー

最近、30年来つきあってきた心友がなくなりました。
今年の始めに病巣が発覚し、その後治療をつづけるも、
あまりに、機械的な流れ作業の中の治療体制に嫌気がさし、
「延命治療」はせず、自宅でありのままの生活を送ることを
選択した人でした。

まわりの心配をよそに、好きな食べ物を食べ、好きな所に行き、
会いたい人に会って、笑うことも度々。
本当に、残された最後の時を自宅で「自分らしく」を最後まで
貫いたとのことでした。

そして、そのお葬式も最近では珍しい自宅葬でした。
今まで過ごした部屋には、彼女が暮らしていた生活のたたずまいが
感じられ、懐かしい気さえしました。
台所を見せてもらうと、彼女らしく、新聞の切り抜きの料理メモが
きちんと冷蔵庫に貼ってありました。

今にも奥の部屋から、前掛けをして出てきそうなそんな様子に、
こみ上げるものがありました。

ささやかではありましたが、あたたかい、そんな空気の中で
近しい人たちでお見送りしました。

涙するというより、なにか「ほっと」したような気持ちになったのも事実です。
そして参集した人たちが口にするのは・・・
「本当に、いいひとだった！」
の一言でした。

自分の人生を、自分一人で幕を引いた彼女の人生劇場。
でも、アンコールのカーテンコールはなしでした。

合掌