株式会社ファイブスターズ アカデミー
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でも、奇跡は再び起きました。
次の日、同じ夢を見たのです。
今度こそ失敗は許されません。
レーヴィはすぐに実験室に飛び込み、夢が教えてくれた方法を実行します。
まず二匹の蛙から心臓を取り出し、それぞれ容器に移します。
容器にはリンガー液が入っているので、二つの心臓はそれぞれ動き続けています。
片方の心臓に電気刺激を与えると、拍動は徐々に弱まっていきやがて停止しました。
そこで、もう一方の元気な心臓を取り出し、停止した心臓が浸かっていたリンガー液に入れてみます。
すると、なぜか次第に拍動が弱まっていき、最後には停止してしまいました。
レーヴィは考えました。
これは、先に停止した心臓から、拍動を抑制する何らかの化学物質がリンガー液中に溶け出していたからではないのか。
後に、薬理学者のヘンリー・H・デールによって、「アセチルコリン」という物質の存在が確認され、1936年に二人揃ってノーベル賞を受賞することができました。
どうやら、夢には問題を解決する力があるようです。
実は、夢が持つ「問題解決力」に関する研究も行われています。
カリフォルニア大学バークレー校のマット・ウォーカーらの実験によって、睡眠はインスピレーションに影響を与えていることが分かりました。
睡眠は知識をオーガナイズして、より深い理解へと導いているというのです。
また、ウルリッヒ・ワグナーらの実験により、脳は睡眠中でも記憶したことの中に隠されたルールや、断片的な情報から法則性を見つける作業を行っていることがわかりました。
さらには、カイらが行った三つの名詞を呈示してそれらに繋がる四つめの単語(例えば矛盾しない形容詞)を考えさせる実験では、途中で昼寝をしたグループだけ答えを思いつく確率が格段に高まったといいます。
ただし、昼寝にレム睡眠が含まれなかった場合には、変化は見られませんでした。
ということは、やはり夢が関係しているのでしょうか。
一方で、ノンレム睡眠の方が重要だという研究もあります。
睡眠の第二段階に出現する、12~16Hzの「睡眠紡錘波」という波があります。
レム睡眠中には現れませんが、なんとこの波の密度がIQの高さと関係しているらしいのです。
睡眠紡錘波というのは、学習の後でも出現することがわかっています。
例えば、左手のピアノ演奏を繰り返し練習すると、睡眠中に右脳の運動野の睡眠紡錘波が増加します。
その増加の程度から、翌日どのくらい上達しているかが予測できるそうです。
将来は、睡眠中の脳波を見れば、その人の持っている能力がわかる時代がくるかもしれませんね。
なんだか、すごいことになってきました。
「マーケットで最もすぐれた向知性薬は睡眠だ」と言われることがありますが、睡眠と知性の関係が解明される日も近いのではないでしょうか。
でも、睡眠の多くの部分は謎のベールに包まれたままです。
特に、記憶の魔法が起きるメカニズムに関しては是非とも解明してほしいものです。
冒頭に紹介したペネロペ・ルイスは、著者『眠っているとき、脳では凄いことが起きている』の中でこんなことを述べています。
「『ひと晩寝て考えなさい』という母親の言葉をだんだん尊重できるようになる理由を知る糸口にはなる」
睡眠と夢の研究はこれからが本番です。
今後の成果に大いに期待すると言いたいところですが、研究者には研究に没頭するあまり、寝不足にならないようにくれぐれも注意してほしいと思います。
というのは、レム睡眠の発見者であるアセリンスキーは77歳の時に自動車事故で亡くなっているのですが、事故の原因は居眠り運転だと言われているからです。
ちなみに私の場合は、夢の中で問題を解決した経験はありませんが、寝つきが悪いため布団の中であれこれ考えているうちに、突然素晴らしいアイデアが浮かんできたことがあります。
ところが、翌朝起きるとどうしてもそのアイデアが思い出せないのです。
そこで翌日から枕元に鉛筆とメモ用紙を置くようにしたのですが、なぜかその日からとても寝つきがよくなってしまいました。
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