株式会社ファイブスターズ アカデミー
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日本は「貿易立国」ではなく、完全なる「投資立国」です。
なぜこんな状況になったかというと、90年代以降日銀の金融引き締めの影響で、日本はとんでもない円高になりました。
そのため、日本でモノを作って輸出しても全く採算が取れなくなります。
そこで、メーカー各社は海外に工場を建て始めました。
日本国内でモノを作って海外に輸出するのではなく、海外にお金を投資して現地に工場を建て、その工場で作ったモノを世界各国に輸出する形をとったのです。
これなら、円高という為替リスクをヘッジできます。
話を「貿易黒字」に戻しますね。
「貿易収支」が黒字になるのは、日本国内の工場で生産したモノを海外に輸出して儲けた時です。
でも、今説明したように、国内工場で輸出品を生産するケースはかなり少なくなりました。
現在の貿易のビジネスモデルは、海外の工場で生産したモノを世界各国に輸出して儲けるというものです。
この時、モノの購入代金は工場のある国に送金されます。
当然、この代金は日本の「貿易収支」には計上されませんが、この工場が得た利益を日本に持ち込むと「貿易外収支」が黒字になります。
だから、日本の「貿易収支」が赤字であっても、「貿易外収支」が黒字なら何の問題もないのです。
ただし、「貿易収支」が赤字になることに全く問題がないわけではありません。
特に、「情報革命」が始まってからは大きな問題となりました。
どういうことか説明しますね。
「貿易収支」には二種類ありました。
「モノの貿易収支」と「サービスの貿易収支」です。
日本は海外工場でモノを生産しているので、「モノの貿易収支」は赤字でも構わないこともお話しました。
ところが、「サービスの貿易収支」が赤字であることは問題です。
昔の経済学では、「サービスの貿易収支」はほとんど無視されていました。
当時の経済学のテキストで、「サービスの貿易」は無視して構わないことを説明するためによく挙げられていた例えが「理髪サービス」。
サービス業は、そもそも国内で成立する事業なので、理髪サービスを輸出することは考えにくいですよね。
サービスのノウハウやスキルや、経営システムをビジネスモデルとして輸出すること自体は不可能ではありませんが、大きなビジネスにはならないため「サービスの貿易」は無視してよいとされてきたのです。
ところが、「情報革命」時代になると全く状況が変わりました。
現在、日本のサービス収支は5.2兆円の大赤字ですが、その大部分は「デジタル赤字」。
デジタル赤字とは、IT関係のソフトの使用料などの赤字のことです。
2022年のデジタル赤字は驚くなかれ4.7兆円。
この年のトヨタの純利益が約2.5兆円ですから、いかに大きな金額かおわかりいただけると思います。
つまり、「モノ作り」の企業がどんなに頑張ったところで、ITソフトが海外に依存したままでは日本の経済は永遠に苦しいのです。
これが「二番じゃダメ」な決定的な理由です。
例えば、マイクロソフトの「オフィス365」のサブスク料金は、現在最低12ドル程度ですが、GPT-4では月額20ドル(約3千円)を予定しているといいます。
このサービスを多くの日本人が利用した場合、日本のサービス収支の赤字はもっと膨らみます。
サービスの分野で敵わないなら、その分モノ作りの分野が頑張ればいいだろうと言う人もいます。
確かに、半導体製造のサプライチェーンにおいて、日本企業は非常に重要な役割を果たしています。
半導体の基盤となるシリコンウェハや、半導体を切り離すダイシング装置における日本のシェアはダントツです。
でも、決定的なのは、モノ作りの場合は同じ製品を作るのに費用がかかることです。
でも、ソフトは費用がかかりません。
先述したように「限界費用」がゼロなのです。
だから、利益率が圧倒的に高いのです。
もし、このまま日本がAI研究でビリから抜け出せないでいると、トップとの差は永遠に拡大していくでしょう。
でも、そんなことよりもっと困った事態が起きます。
それは、貧富の差が拡大することです。
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