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5☆s 講師ブログ

目先のマシュマロ(3)

長期的報酬のために短期的報酬を我慢する体験をしてもらうために、二つの問題を用意しました。

【問題1】あなたは、①か②のどちらかを選べます。
①今すぐ5,000円もらえる
②1年後に1万円もらえる

この実験では、ほとんどの人が①を選びました。
なんとなくわかりますよね。
でも、次はどうでしょう。

【問題2】
①5年後に5,000円もらえる
②6年後に1万円もらえる

今度は、さっきとは逆に②の方が多くなりました。
タイムラグはどちらも同じ1年なのに。

これは行動経済学で「双曲割引」と呼ばれるものです。
この実験の意味するところは、「人は待ち時間が長くなると合理的な判断ができるようになる」ということです。

さて、この問題を会社に置き換えてみましょう。
5年後の売り上げ5,000万円か、6年後の1億円かと言われたら、後者がいいに決まっています。
でも、今年度の5,000万円と、来年度の1億円だったらどうでしょう?
ちなみに、会社の経営は安泰で、来年度の1億円も確実なものとします。

ほら、それでも目先の5,000万円の方に食指が動くでしょ。
ただ、この判断には別の要素も絡んでいますよね。
もし、あなたが来年度の1億円の方を選んだとしても、あなたの上司はそれを許してくれるでしょうか。
上司は、目先の成果の方を欲しがるのではありませんか。

現実のビジネスは複雑です。
「マシュマロ実験」とは違います。
でも、目先の成果だけを追い求めるのであれば、マシュマロを我慢できなかった子どもたちと同じではありませんか。

目先のマシュマロを追い求める経営は、はっきり言って「自転車操業」です。
豆腐業界に革新をもたらした相模屋食料の社長・鳥越淳司は、こんな例え話をしています。
「階段を昇っている人がいるとします。フウフウ言いながら汗をかいています。

『どこまで行くんですか?』と尋ねると、『いや、いま忙しいからかわらない』という答えが返ってきます」

笑い話ではありませんよ。
あなたの会社は、どこに向かっているか答えられますか?
階段の、次の段を昇ることしか考えていない会社は世の中にたくさんあります。

どこの会社にも、「中期計画」という“絵に描いた餅”が掲げられていますが、大切なことは「会社が何を考えるべきかを考えているか」です。

分かりやすく言うと、現在大きな利益を稼ぎ出しているビジネスモデルから敢えて目を逸らし、5年後に大きな利益をもたらしてくれるビジネスモデルは何かを考え、そのために今何をすべきかを考えることです。
幼稚園児の場合は18年後に大きな差となって現れましたが、ビジネスの場合は18年もかかりませんよ。

もし、会社が将来のマシュマロを待てない体質ならば、どんなにIQの高い優秀人材を採用しても会社の行く末は知れています。

自分の欲求や考えをコントロールする能力のことを、心理学や神経科学の用語で「実行機能」ということは先述しました。
でも、これは日本語訳で、もともとの英語は「エグゼクティブ・ファンクション」です。
エグゼクティブとは、企業の上級管理職のこと。

つまり、「実行機能」を直訳すると「上級管理職機能」となるのです。

さて、あなたの会社はどうですか?
上級管理職は、目先のマシュマロを我慢できる人ですか?

 

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