株式会社ファイブスターズ アカデミー
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相模屋食料は売上30億の時に、それを上回る40億の借金をして完全オートメーションの豆腐工場を作りました。
それが、現在の300億円超の売上に繋がっています。
本田宗一郎もオートバイを量産するため、4億5千万もする工作機械を導入したことがあります。
この時のホンダの売上はたったの600万。
ところが、社運を懸けて発売したスクーターがさっぱり売れません。
まさに絶体絶命。
ネックになっていたのは、スクーターの運転には原付免許が必要なことでした。
そこでホンダは、各販売店で免許取得のための無料教室を開催することを思いつきます。
生きていくための知恵を生むのは「知識」ではありません。
「この場所で生きていく」という「覚悟」です。
一方の本田宗一郎は、ホンダの知名度を上げるため「世界レースで優勝する」と全従業員の前で宣言してしまいます。
その7年後、ホンダは本当に世界初の全クラス総合優勝という快挙を達成します。
これこそまさに四六時中生き残る方法を考えて、必要とあらば髪を振り乱して取り組む「覚悟」がもたらした勝利でした。
もっとすごい例もあります。
フィギュアで有名な、「海洋堂」の創業者・宮脇修が模型店を始めたきっかけです。
満州から引き揚げた後、三十以上の職を転々とするもうまく行かず、止む無く自ら商売することを決めます。
でも、何の商売を始めたらいいのか?
その決め方が凄かった。
木刀を立てて、こっちに倒れたらうどん屋、こっちなら模型屋と決めて手を離します。
一歩間違えれば「手打ちうどんの店・海洋堂」になっていたと、宮脇は笑いながら述懐します。
これが「覚悟」です。
人間がやることの意味は、ここにあるような気がします。
論理的に成功する確率が高いものを示すという能力では、人間は絶対にAIには勝てません。
もし、ロシアのプーチン大統領がAIを参謀にしていたら、おそらくウクライナ侵略という判断は下さなかったでしょう。
そういう意味では、AIを導入した方がいいのは、政治の世界の方かもしれません。
日本でも官僚の負担を軽減するために、将来的に国会答弁の作成の際にChatGPTを活用したいという大臣も現れました。
政治にAIが導入される日は、そう遠くないのかもしれません。
ところが、一方のウクライナに目を向けてみると、全く逆の結論に至ります。
ロシアが侵略を開始した時、支援を求めたウクライナに対してドイツの高官はこう言い放ちました。
「3日で陥落する国に、一体何の支援ができるというのか!」
ドイツだけではありません。
ヨーロッパの多くの国が、ウクライナは3日しかもたないという判断のもと降伏を提案しました。
でも、ゼレンスキー大統領だけは違っていました。
ゼレンスキーは、3日間徹底的な抗戦に打って出ます。
そこには、絶対に国を守り抜くという「覚悟」がありました。
この行動が、世界中の人々の心を動かします。
ウクライナの覚悟を目の当たりにしたヨーロッパは、一転して支援の方向に舵を切りました。
思えば、この「心が動かされる」ということも、AIには絶対できないことです。
なぜなら、AIには心がないからです。
心あるものだけが「覚悟」することができ、その覚悟がまた人の「心を動かす」。
でも、普通のサラリーマンが「覚悟」を求められる場面なんてそう多くはありませんよね。
いや、ほとんどないと言っていいでしょう。
自分自身を振り返ってみても、転職する時くらいのものでした。
そこで、「覚悟」とまではいかなくても、まずは日頃から相手に「熱意」を伝えることを意識してみてはどうでしょうか。
あなたの熱意で相手の心を少しでも動かすことができたら、あなたはAIより優位に立ったことになります。
現在、IQテストにもっともよく使われているのは「ビネー式知能検査」。
今から百年以上前にこのテストを考案したフランスの心理学者アルフレッド・ビネーは、知能を支える三大要素として次のものを挙げています。
①論理力
②言語力
③熱意
心を動かせるのは、熱い心を持った人間だけです。
AIと人間の違いはそこにあるはずです。
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