株式会社ファイブスターズ アカデミー
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遺伝的に「不公平を許さない」性格を決定するのは、ドーパミン受容体D4です。
ドーパミン受容体にはD1からD5まで5種類あるのですが、D4に関してはある特定の塩基の繰り返しの回数が2回、4回、7回の3種類があります。
この時、2型と4型で性格に違いが出るというのです。
2型は従順な性格ですが、4型になると不公平を許さない傾向が強くなります。
アメリカのホンという学者が世界中の36の人種1,327人を調べたところ、従順な2型は8.6%しかいなかったのに、4型は64.3%と大半を占めていました。
日本人の場合、なんとなく従順な2型が多いような気がしますが、意外なことに日本人はほぼ全員が4型という報告もあります。
ということは、日本人は不公平に対してかなり厳しい姿勢を取るということです。
もしかしたら、日本人に過度な平等を求める傾向が見られるのはこれが原因かもしれません。
2010年11月、香港科技大学の周恕弘博士が発表した論文は、不公平を許さない4型の中でも、生まれた季節によって不満を募らせる傾向が強くなることがあるというものでした。
不満を募らせる傾向とは、不公平に対してより厳しい姿勢を取るということです。
男性の場合は夏季、女性は冬季生まれだそうです。
性格に影響するといっても、この程度のことなら大騒ぎすることでもないような気もしますが、これが学力となると話はちょっと違ってきます。
出典は、東京大学名誉教授で分子生物学者の石浦章一の著書『理数探究の考え方』。
9,500人を対象にした2003年の「国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)」によると、 中学2年生の数学と理科の学力を調査したら、生まれ月によって差が出たというのです。
4月~12月生まれの人の学力はほぼ同じでしたが、1、2、3月生まれは学力が下がっていたというのです。
数学と理科というと、まさに「理系」。
「科学」のド真中ではありませんか。
こんな話を聞くと、早生まれの人は心穏やかではありませんよね。
しかも、この傾向は最終学歴にも見られました。
26万人を対象にした2002年の「就業構造基本調査」では、1、2、3月生まれの人は、4月~12月生まれの人に比べて四大卒の割合が少ないという結果が出ています。
ただし、これはあくまで「相関関係」があるかもしれないというだけで、「因果関係」があるというわけではありません。
なぜそうなるのかというメカニズムが解明されない限り、「因果関係」が証明されたことにはならないからです。
その好事例が、同じく石浦の著書『日本人はなぜ科学より感情で動くのか』に掲載されています。
厚労省の資料によれば、メタボ健診を受けた人は、受けていない人に比べて1年後の血糖値や血圧が大きく改善するそうです。
これだけ見ると、何となくメタボ健診は効果がありそうだと思いがちですが、本当にそうでしょうか?
というのは、もともと健康意識の高い人がメタボ健診を受けている可能性があるからです。
もしそうならば、「因果関係」は逆になります。
つまり、「相関関係」があるからといって、「因果関係」があるとは言えないのです。
新型コロナの問題を国会で取り上げた時、「相関関係」と「因果関係」を混同して質問している議員がいましたが、まるで自分の科学リテラシーの低さを全国に宣伝しているようなものでした。
あの議員は果たして何月生まれだったのでしょうか?
ただし、この生まれ月と学力の関係については、もっと多くのデータが集まらないと「相関関係」があるとは言えないでしょう。
学力に関することなら、大手学習塾の模試や大学入学共通テストなどのデータがたくさんあるはず。
ですので、今後に期待したいと言いたいところですが、一方でこの研究はあまり進まないような気もします。
なぜなら、「知りたい」人よりも、「知りたくない」人の方が圧倒的に多いと思うからです。
星占いの運勢は知りたくても、自分に都合の悪い学力のデータなどは知りたくない。
物事を科学的に見ることが難しい原因は、案外こんなところにあるのかもしれません。
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