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5☆s 講師ブログ

円安対策は簡単!(2)

予算を余すことなく遣い切ることができる、補助金以外の政策とは「減税」です。

しかし、減税にも障害はあります。
それは、財務省が強硬に反対していることです。
財務省が反対する理由は、減税すると税収が減ってしまうからです。

ガソリンに関して言うと、元々1リットル当たり約53円の税金が上乗せされています。
私たちが車にガソリンを入れる時、支払う金額のなんと1/3は税金なのです。
大変な負担額ですよね。

ですので「トリガー条項」といって、一定の条件を満たした時には税金を25円ほど値引きしてもいいと決められています。
これが発動されれば、ガソリンは随分安くなりますよね。

でも、2010年にトリガー条項という制度が導入されて以来、発動されたことは一度もありません。
表向きは東日本大震災の復興財源確保のためとなっていますが、実は財務省が強硬に反対しているからです。

財務省は、庶民の生活がどれほど苦しくなっても、減税だけは絶対やらないというスタンスを頑なに守っています。
実際、財務省が過去30年で取り組んだ減税と言えば、法人税の減額と高額所得者の所得税の減税だけです。

「富裕層には減税」を推し進める一方で、「庶民には増税」で対応してきました。
増税とは消費税率アップのことです。

今回の円安により、海外に進出している企業が納める法人税はかなり増えることが見込まれますので、その増収分を財源にして消費税率を一時的に下げることは十分可能です。
消費減税が難しいというのなら、社会保険料の軽減でもいいです。
これでも遣い残しは出ません。

もし、法人税の増収なんて先のことだからわからないというのなら、もっと手近な「埋蔵金」が政府のすぐ手元にあります。
数量政策学者の高橋洋一が指摘するのは、「外国為替資金特別会計」、通称「外為特会」と呼ばれる資金です。

「外為特会」とは一体どのようなものでしょう。
その昔、日本が円高に苦しんでいた時、政府は米国債などのドル建て債券をせっせと買い込みました。
「ドル買い」は「円売り」を意味しますので、ドル債購入は円安誘導を狙った為替介入に他なりません。

そうやって買い貯めしたドル債が、帳簿上100兆円以上あります。
これが「外為特会」です。

ドル債を買い入れた時のレートは、平均すると1ドル100円強だそうです。
ということは、ザックリ言って今回の円安によって40兆円くらいの「含み益」が生まれている計算になります。
なんと、この円安で国はボロ儲けをしているのです。

10月6日、衆議院の代表質問で、財務省OBの野党党首がこの事実を指摘し、「国の特別会計は円安でウハウハです」と発言しました。
そして、この含み益を緊急経済対策の財源に充てることを首相に提案しました。

ところが、なぜかマスメディアはこのことを一切報道しませんでした。
庶民の生活が苦しいことは一生懸命伝えるのに、国のボロ儲けのことはなぜ報道しないのでしょう。
経済のことを知らないからでしょうか?
だったらもっと勉強すべきです。

ドル債を売れば「含み益」は「実現益」となり、国は巨額の現金を手にします。
それを財源にすれば、消費減税など簡単に実現できます。

赤字国債など発行しなくても、経済対策は十分可能なのです。
ところが、この時の岸田首相の答弁は実に奇妙なものでした。
要約すると、「これは将来の為替介入の財源であり、(略)今ドル債を売ると為替介入になってしまう」

まるで禅問答ですよね。

為替介入をやるのかやらないのか、さっぱりわかりません。
でも、この答弁をした直後の22日未明に政府は覆面介入を実施しました。

もし、為替介入をしたことがバレては困るというのなら、ドル債が償還される時にロールオーバー(買い換え)しなければいいだけの話です。
そうすれば世間を騒がすことなく、3年くらいで含み益を現金化することができます。

特別会計と一般会計は別物だから難しいと言う人もいますが、実はドル債から得られる利息分は、毎年一般会計に繰り入れられています。

その額およそ2~3兆円。
預金金利の低さを考えると、かなりの運用益ですよね。

一方で、心配もあります。
せっかく貯め込んだ「外為特会」をなくしてしまっていいものでしょうか。
後で困ったりしないのでしょうか。

そもそも、政府が認めているように、為替介入は他国から非難される行為です。
日本は、その非難される行為の財源をシコタマ貯め込んでいることになります。
つまり、巨額の「外為特会」が存在すること自体が国際的には大問題なのです。

固定相場制の国は、為替市場に常時介入しなければならないので必ず外貨準備を持っています。
一方、変動相場制を採用している国で、日本の「外為特会」のような勘定を持っている国はありません。
似たような準備金があったとしても、その額はごくわずかです。

日本だけが、異常なまでに突出した残高を持っているのです。
これを吐き出せばいいだけの話なのに、財務省はなぜかひどく嫌がっています。
財務省OBでもある高橋は、埋蔵金を吐き出してしまうと役人の天下り先がなくなるからだと推測しますが、本当のところどうなのでしょう?

「外為特会」は本来あってはならない会計ですし、そもそも、これは財務省の財産ではありません。
「外為特会」の含み益は、日本国が資産運用をした結果の運用益です。
つまり、日本国の資産です。

値上げで国民が生活に苦しんでいる今こそ、その運用益は国民に還元されるべきではないでしょうか。

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