株式会社ファイブスターズ アカデミー
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同じアングルから撮られた2枚の写真が、ネット上で話題になっています。
現在のトランプ・タワーが建っている辺りからニューヨーク5番街を撮った、1900年と1913年を比較した写真です。
前者に写っている乗り物は全て馬車ですが、後者は自動車で埋め尽くされています。
調べてみると、T型フォードの発売が始まったのは1908年。
ということは、たったの5年間で世の中がガラリと変わった計算になります。
もしかしたら、今から5年後の世界は、私たちの想像もつかないものになっているかもしれません。
でも、もっと驚くことがあります。
後者の写真が撮られた1913年から16年後の1929年、全米の自動車販売台数は540万台に達します。
人口比で見ると4.5%。
これがどのくらい凄い数字かというと、2020年の全米の自動車販売台数が1,458万台ですので、人口比は4.4%。
なんと、90年前の方が車は売れていたのです。
本当に、あっという間に自動車が普及したのですね。
しかし、この時景気は明らかに行き過ぎてしまいます。
急激な生産力アップは供給過剰をもたらし、需給バランスが大きく崩れました。
その結果、1929年10月24日、アメリカの株式市場は運命の日を迎えることになります。
世に言う「暗黒の木曜日」。
世界恐慌の始まりでした。
自動車販売台数は大きく落ち込み、再び同じ水準に戻るまでに20年もの歳月を要しました。
イノベーションの凄まじいパワーは、時として深刻な副作用を引き起こすこともあるのですね。
思えば東日本大震災の時、私が持っていた携帯はガラケーでした。
外出中だったため、交通機関の情報を集めるのにとても苦労したのを覚えています。
その後わずか10年でスマホが急速に普及し、もうすぐ5Gの時代が到来しようとしています。
もしかしたら、現在私たちの身の周りで起きている変化は、馬車から自動車以上の変化なのかもしれません。
ところで、イノベーションを起こす原動力は一体何でしょう。
どんな人がイノベーションを起こしているのでしょう。
私見ですが、それは「空気を読まない変り者」ではないかと思うのです。
というのは、「変り者」が人類の進化をもたらしたという説があるからです。
数万年前まで、ユーラシア大陸には3種類の人類の亜種がいたことがわかっています。
ヨーロッパから中央アジアに住んでいたネアンデルタール人、西シベリアの洞窟で発見されたデニソワ人、そして私たちの祖先のホモ・サピエンスです。
互いに多少の交雑はあったようですが、なぜかホモ・サピエンスだけが生き残りました。
その理由について、マックス・プランク研究所とミシガン大学の研究者が、大変興味深い説を発表しています。
ホモサピエンスだけが“generalist”であると同時に、“specialist”を志向する能力と性格を持っていたというのです。
ただし、彼らによれば、“specialist”とは「何かを極めた専門家」という意味ですが、“generalist”の定義は「いろんなことに挑戦する人」だそうです。
ネアンデルタール人やデニソワ人は、限定された地域でしか生活の痕跡が見つかっていないのに、ホモ・サピエンスの方は海を越えてオーストラリアに到達したり、あるいは北の果てのベーリング海峡を経由してアメリカ大陸にも渡っています。
さらには極寒地や高山、砂漠にまで進出しました。
命の危険を冒してまでチャレンジを続けたホモ・サピエンス。
彼らは、一体なぜこんな冒険をしたのでしょう。
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