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5☆s 講師ブログ

こころのうしろ側(2)

憲法というのは、改正することが難しい「聖典」なのでしょうか。
日本では、憲法改正をタブー視する人が大勢いますが、ドイツで憲法に当たる「基本法」は1945年5月の旧西独時代に制定されて以来、現在までになんと63回も改正されています。

80年近くの間、1回も憲法を改正していない国というのは世界に例がないのです。

改憲反対論者の中には、「憲法で戦争放棄を明記しているから平和が保てているのだ。だから、憲法に手をつけることはまかりならん」と主張する人もいます。
憲法に明記することで戦争が防止できるのなら、振り込め詐欺も憲法で禁止したらどうでしょう。

精神論だけで戦争を抑止できるという考え方は、精神論だけで戦争に勝てると信じていた戦前の軍人たちに通じる部分があります。
私たちは、もっと現実を直視すべきではないでしょうか。

国際関係論という学問で、2国間における戦争の可能性を低く抑えられる条件というのが明らかにされています。
その条件とは以下の2つです。

①両国が民主主義国家である
②両国の戦力が拮抗状態にある

これが世界的な常識です。
その意味では、今最も危険なのは、南沙諸島を巡る中国とヴェトナムの対立かもしれません。

東アジアから東南アジアにかけては、社会主義国や軍事政権の国がひしめいている危険な地域です。
戦争を抑止するためにはどうしたらいいのか、精神論ではなく世界に通用する論理で考えるべき時が来ているのです。

そもそも「護憲」を声高に主張する人たちは、ある医科大学で、女性受験者の点数が男性より高いのに不合格とされたことをなぜ告発しなかったのでしょう。
日本国憲法は第14条で権利の平等を説いており、そこには性別による差別の禁止も明記されています。
これほど明確な憲法違反はないではありませんか。
それとも、9条は護るが14条はどうでもいいということなのでしょうか。

私は、9条の問題はさておき、早急に憲法を改正して「緊急事態条項」を盛り込むべきだと考えます。
なぜなら、本当のパンデミックはこれから起こるからです。

今回の新型コロナウイルスというのは、感染力は非常に強いのですが、日本の致死率を見ると1.05%とかなり低い水準にあります。
同じコロナウイルスでも、2002年に流行が始まった「SARS」(重症急性呼吸器症候群)の致死率は約10%、2012年の「MARS」(中東呼吸器症候群)は、約35%と厚労省のHPに記載されています。
ただし、MARSについては感染者数がキチンと把握できていないので、必ずしも正確とは言えないそうです。

2020年に、コンゴで11回目の流行が確認された「エボラ出血熱」の場合は、致死率が以前より格段に下がったとは言えそれでも43%。
「エボラ出血熱」は「1類」ですが、致死率1.05%の新型コロナは約10%の「SARS」と同じ「2類相当」に分類されています。
ちなみにコレラはそれより低い「3類」です。

そのため、多くの民間病院が「風評被害」を恐れて、コロナ感染者の受け入れを拒否したのです。
流行当初、コロナ用の病床として準備できたのは、全病床のわずか2~3%しかありませんでした。

人口1,000人当たりの病床数が13.1と、OECD加盟国平均の4.7を大きく引き離して世界一を誇っていた日本の医療体制が、世界でも最低に近い感染率にも関わらず、あっという間に「医療崩壊」に直面した真の原因はここにあります。

テレビでは、戦場のようなコロナ病棟の様子が紹介されましたが、大多数を占めるコロナ患者の「受け入れを拒否した」病院の方を取材したワイドショーは皆無でした。
また、政府を批判する医師は大勢いましたが、医療機関の摩訶不思議な対応について改善を提言した医師も皆無でした。

何か不文律でもあるのでしょうか。

ペンシルベニア大学のドリュー・ワイスマン教授とともに新型コロナのmRNAワクチンを開発した、ドイツのベンチャー企業ビオンテック社のカタリン・カリコ博士はこう言います。
「ビオンテックはmRNA技術を進化させ、より効率的な製法も開発しました。ファイザーのような大企業が規模を一気に拡大し、臨床試験を実施しました。学術界も小さなバイテクノロジー企業も大企業も、それぞれがベストを尽くしました。
今回はみんなが協力し合ったとてもよい例です」

しかし、日本の医療に関する限り、「オール・ジャパン」でコロナに対応したとは到底言い難い状況です。
全ての医師が協力したのは、ワクチン接種だけでした。
その接種にしても、医師以外の者に注射を打つことを認めてしまうと医師の既得権益が損なわれるため、医師会が承諾するまでかなりの時間を要しました。

それをなんとか説得してワクチン接種を進めたからこそ、オリンピック期間中に新規感染者が爆発的に増加しても死者数はそれほど増えなかったのです。
しかし、ここでもワイドショーは「さざ波」以下の死者数を完全にスルーし、「新規感染者数」の“1本足打法”を貫きました。

現在までのコロナによる死者は、1日あたりで見ると27人。

ちなみに、2020年の自殺者数は1日当たり57人です。

もちろん、すべての自殺者の自殺理由が経済苦ではありませんが、もし政府がワイドショーが主張するような経済活動のストップ政策をとっていたら、コロナ死をゼロにすることはできたかもしれませんが、自殺者の方は急増していたことでしょう。
その時、煽った側に責任はないのでしょうか。

言論の自由とは、発言する側にも責任が伴うものだと思うのですが、皆さんはどのようにお考えですか?

次回は、日本人の「こころのうしろ側」に原理について考察を深めます。

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