株式会社ファイブスターズ アカデミー

なんだか自分を「カリスマ講師」と呼ぶのは大変気恥ずかしい思いがしているのと同時に、そう言っていただけるまでになった自分を少し褒めたい気持にもなっています。なぜなら、講師になってずっと「カリスマ講師と呼ばれるようになりたい」と思ってがんばってきましたから！

講師になって18年、何の取り柄もない主婦から一念発起して専門学校、短大の非常勤講師となり学生にビジネスマナーやビジネスコミュニケーションを教えていました。（※この間のいきさつはHPの社長インタビューに詳しく書いてあります。）そんなことを8年くらいやったでしょうか。学校の非常勤講師は結構楽しかったのですが、一つ困ったことがありました。それは7月、8月、3月、4月は学校がお休みで収入がないということです。そこで新聞の求人広告欄の「企業研修講師募集」と言う文字を目にした時、正直思いました。「非常勤講師やっているんだから研修講師なんてちょろいもんだ！これならすぐにやれそうだ」と・・・・

さっそく、研修会社の講師募集に応募しめでたく研修講師としてデビューすることになりました。が、ことはそれほど簡単ではありませんでした。というのは、研修は授業と違って「テーマ」が同じでも、業界や対象者（新人なのかリーダーなのか、はたまた管理職なのか）によって研修内容が微妙に違ってくるということです。最初のうちこそ、学校の非常勤と研修講師の二足のワラジをはいていましたが、「ここは一つ研修講師を極めよう」と非常勤をやめ研修講師一本でやって行くことにしました。

その後約７年間、研修講師としてやってきましたが、駆け出しのころはいつも失敗ばかりで受講者の厳しいアンケート結果に涙したものです。その時は先輩から「研修を成功させるには常に『何のためにやっているのか？』を考えること」とアドバイスをもらいました。「何のために？」と何回も自問自答しながら研修を組み立てて会場に臨んだものです。

「何のために？」が少し見えてくるようになりましたら、今度は「そのために必要な内容とスキルが不足している自分」に気がつきました。そこで合間を縫っては研修講師の幅を広げるためにパフォーマンス、アサーション、カウンセリング、話し方講座、インストラクター講座・・・・・数えればきりがないくらい自己投資をしてセミナーに通い、収入は殆ど自分の勉強のために消えていきました。が、それだけ一生懸命勉強したからといって「一流講師になれたか？」というと・・・答えは「NO！」です。

講師という商売、さらに厄介なのは、研修があまりうまくいかなかった場合でも、研修担当者から直接「ダメだし」されることがないのです。たとえ「良くなかった」と言われても間に入っているエージェントの営業からは「すばらしい研修ありがとうございました」の言葉に摩り替わって講師に伝えられるのです。ただし「リピート」が来ないだけなのです。こういった風土ですから研修業界では「自分は一流だ！」と勘違いしている人の多いこと、多いこと。びっくりするくらいです。

そんな業界ですが、私が次に所属した研修会社では「そんなんじゃ通用しない！」「何やってんだ！」と剣もほろろの厳しい指導を受けていました。自分が講演しているところのビデオを見ながら「なんで、あんなに無駄にうろうろ動くんだ！」「内容がぶれている！」「ホワイトボードの書き方がなってない！」「最後のお辞儀がきちんとできていない」など、それこそ重箱の隅を針でつつくような細かいことまでも注意されました。このように言われると「まな板の上の鯉」の気分で正直言って、辛くて嫌でした。この会社ではさらに、年に二回、会社の社長はじめ講師全員が合宿してお互いに遠慮なく厳しい批評をしあう「地獄の特訓」がありました。私はこの特訓も嫌いでした。できるものなら逃げ出したいと思っていました。

しかし、今思うと「私のすべて」はこの時の「地獄の特訓」で培われたのだと思います。言いにくいことを他人は口にしません。まして講師となると周りの人はなおさら本当のことを言いません。が、それでは講師の力量が上がらないのです。つまり、講師は本当の自分の実力が見えなくなるからです。

私が他の講師の人達と違う点があるとするならば、この「地獄の特訓」で生皮剥がれて成長してきたということでしょう。ですから私の会社では「カリスマ講座」なるものを開き、ベテランも若手講師も一緒にカリスマ講師になるべく「地獄の特訓」をやっているのです。

「カリスマ講師は一日にして成らず、生ぬるいお湯では育たず」です。