株式会社ファイブスターズ アカデミー
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遺伝しない性格、つまり後天的に作られる性格というのは次の3つです。
①自己志向
②協調性
③自己超越性
①の「自己志向」とは、自立心のことを言います。
具体的には、自己責任を感じる能力や臨機応変に対応する能力のことで、「自己受容」というのも含まれます。
自己受容のできる人は、「もし自分が○○だったらよかったのに」などと思うことは決してありません。
だから、自立心が弱いという人は、自分の性格を遺伝のせいにしてはいけないのです。
でも、育った環境が原因だとなると、親の責任が全くないとも言いきれなくなりますが・・・。
次に、②の「協調性」。
他人の気持ちを考えたり、同情したり、あるいは協力しようとする性格のことです。
さらには、「自分が得するとわかっていても友人を裏切れない」という性格も含まれるそうです。
協調性が遺伝ではなく後天的な性格というのは、何となく納得ができますよね。
というのは、兄弟や姉妹が全員協調的という家族はあまり見かけないからです。
大体末っ子は、どちらかと言うと自由奔放な人が多いような気がします。
おそらく、末っ子という環境要因が影響しているのではないかと思われます。
さて、最後の③の「自己超越性」とは、オカルトを信じるかどうかということです。
具体的には霊的現象を信じたり、自分が自然や宇宙と一体となる感覚などを言います。
また、我を忘れて熱中しすぎる傾向なども含まれるそうです。
いずれにせよ、宗教を信じるか信じないかは、遺伝ではありません。
なお、性格ではありませんが、球技のテクニックというのも遺伝しないそうです。
そういえば、親子揃ってプロ野球の名選手というのは聞いたことがありませんよね。
ところが、アメリカではそういう例は結構あるそうです。
これはどう考えたらいいのでしょう?
一般論として、小さいときから野球に慣れ親しんだ影響と言われていますが、環境による影響というのなら、日本だって野球選手の子供は小さい時から野球をやっていたはず。
もしかしたら日本では、アメリカのように楽しみながらプレーするのではなく、『巨人の星』みたいにスパルタ式でやらされていたからかもしれません。
歌舞伎や陶芸の世界では、世襲によって代々その家系を継いでいくケースがありますが、これこそ環境が人を育てる代表例と言っていいでしょう。
一方、政治の世界でもこの世襲性が蔓延していますが、こちらはどうしても環境が人を育てているようには見えません。
ただ単に、父親の「地盤」があるから継がないと勿体ない、という理由で政治家になっているケースが多いのではないでしょうか。
誤解のないよう断っておきますが、私は世襲議員がダメで、「タタキ上げ」がいいといった単純な話をしているのではありません。
政治家に期待することはただひとつ。
経済を良くして、国民を豊かにしてほしいということです。
マトモな経済学の知識を身に付けて、適切な財政・金融政策を遂行できる政治家であれば、正直誰だっていいのです。
昨年の自民党総裁選挙に出馬したある候補者が、記者からマクロ経済政策のヴィジョンを問われ、「東京一極集中の解消」と答えていました。
経済学におけるマクロ政策というのは、財政政策と金融政策の2つしかないことは、経済学部の大学生なら誰でも知っています。
この程度の知見しか持ち合わせていない政治家が一国の首相に立候補していたという事実を、私たちは重く受け止める必要があります。
もし、この候補者が首相になっていたら、コロナ禍で巨額のGDPギャップが生じる中、一体どのような手を打っていたのでしょうか。
そう考えると背筋が寒くなりませんか。
経済学の知識は遺伝ではありません。
世襲議員もタタキ上げも、そして与党も野党も、もっと真剣に経済のことを勉強してもらいたいと思います。
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