株式会社ファイブスターズ アカデミー
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2018年8月のブログ『ハトの方が賢い?』で、「モンティホール・ディレンマ」という課題をやらせると、人間よりハトの方が成績がいいというデータを紹介しました。
随分とプライドを傷つけられる話でしたが、今回紹介するのはその続編。
今度はなんと、人間よりネズミの方が頭がいいという話です。
ウィリアム・アンド・メリー大学のパクリサヌ教授が、1967年に行った実験です。
くじ引き用にAとBの2つの箱を用意するのですが、それぞれの当たりの確率が違います。
Aは75%、Bは25%です。
Aの箱から引く方が有利なのは誰でもわかりますが、残念ながらくじを引く本人は確率に差があることを知りません。
200回連続でくじを引いてもらうのですが、最初は当然のことながら、みんなAとBそれぞれの箱からランダムに引きます。
だから、2つの箱の選択率は大体50%ずつになります。
でも、ほとんどの人は100回くらい引いたあたりで、AとBの箱の確率が違うことに気づくそうです。
すると、残りの100回に関しては戦略的に選ぶようになるので、選択率が安定してきます。
どう安定するかというと、Aが75%、Bが25%という割合です。
どうです?
くじの当たり確率とピタリと一致しますよね。
でも、これをもって「人間は賢い」と思ってはいけません。
もっと賢い動物がいるのです。それはネズミです。
ネズミも最初のうちはランダムに引いていますが、後半はAからしか引かなくなります。
では、戦略が決定した後半の100回分について、どちらの戦略をとった方が儲かるのか計算してみましょう。
1回の当たりにつき、100円の賞金が貰えると仮定して獲得総額を比較してみます。
まず、ヒトです。
Aから引く率は75%ですから合計75回で、Aの当たり確率は75%。
Bから引く率は25%ですから合計25回で、Bの当たり確率は25%。
以上より計算式はこうなります。
(75回×75%×100円)+(25回×25%×100円)=6,250円。
結構儲かりましたね。
では、次にネズミです。
ネズミはAの箱からしか引きません。
よって以下の計算式となります。
100回×75%×100円=7,500円。
ネズミの圧勝です。
なんと1,250円もの大差がついてしまいました。
でも、ご安心下さい。
必ずしも、すべての人間がネズミより頭が悪い訳ではありません。
ネズミと対等の勝負ができる人間もいるのです。
それは幼児です。
幼児は、ネズミとほぼ同じ戦略をとるそうです。
ところが、ちょっと成長して3歳児になると、Aから引く確率は90%に落ちてしまいます。
つまり、人間は成長するにつれて、「非論理的」な“バカ”になってしまうというのです。
なぜでしょう?
それは大人になればなるほど、Aでハズレが出たときのショックを過大評価してしまい、感情論に流されやすくなるからだと考えられます。
つまり、大人になるほど非論理的になる理由は、「感情のコントロール」がうまくできなくなるからです。
私たちは今まで逆だと思っていました。
子どもの方が感情のコントロールができなくて、大人になるほど感情を抑えて論理的に判断できると思っていました。
しかし、それは完全な間違いです。
でも、大人の人間がなぜこんな非論理的な行動をとってしまうのかについては、ちゃんとした理由があります。
なんと、人類が生き残るためには必要だったというのです。
どういうことかと言うと、自然界は常に変化し、想定外のことが頻繁に起こります。
今回の実験では、AとBで当たりの出る確率はずっと一定でしたが、自然界ではいつ何時この確率法則が崩れるかわかりません。
場合によっては逆転することだってあるでしょう。
そうなると、非論理的な行動をとる人の方が、生き残る可能性が高くなります。
まさに「逆転人生」。
一言でまとめると、種の存続のためには将来環境が激変した場合に備えて、「感情のコントロール」ができずに非論理的な行動をとってしまう人が、集団内に一定数存在していた方が有利なのです。
でも、大人になるほど非理論的になるということですが、会社組織の場合は偉くなるほど非論理的な人が多くなるような気がするのは私だけでしょうか。
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