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5☆s 講師ブログ

十八不徳(1)

「人望」のないリーダーの下では働きたくない。

部下なら誰でも思うことです。
でも、「人望」とは具体的にどのようなことを言うのでしょう。

山本七平は、かつて企業の経営者と話した時、「人徳」がないと「人望」は得られないという話をよく耳にしたそうです。
では、「人徳」とは、どんなことを言うのでしょう。

「人徳」の定義で最も有名なのは、舜帝(しゅんてい)の臣、皋陶(こうよう)が語ったとされる「九徳」です。
その9つの徳目とは、以下のとおり。

①寛にして栗(りつ)・・・寛大だが締まりがある
②柔にして立・・・柔和だが事が処理できる
③愿(げん)にして恭・・・真面目だが丁寧でつっけんどんでない
④乱にして敬・・・事を収める能力があるが慎み深い
⑤擾(じょう)にして毅・・・おとなしいが内が強い
⑥直にして温・・・正直、率直だが温和
⑦簡にして廉・・・おおまかだがしっかりしている
⑧剛にして塞・・・剛健だが内も充実
⑨彊(きょう)にして義・・・豪勇だが正しい

この「九徳」は、太宗の『貞観政要』や、朱子の『近思録』にも登場すると言いますから、中国ではかなりオーソライズされた考え方のようです。

でも、この9つの徳目を見て、「なるほど、その通りだ」と膝を打つ人はいないでしょう。
なぜなら、列挙されている9つの相反する言葉の対は、至極当たり前なことばかり。
しかも、とても抽象的な表現で、具体的なイメージが沸きません。

これを見て、セルフチェックしてみようなどと思う管理職がいるとは到底思えません。
そもそも、管理職に決定的に欠けているのは、自分を客観的に評価する「メタ認知」能力。
なので、この「九徳」をざっと見渡して、「俺はだいたいクリアできているな」と自分に合格点を与えてしまう人が大半でしょう。

結局のところ、「人望」があるかどうかの基準にするには、役に立たない代物のように思えます。
ところが、山本は全く異なる視点からアプローチを試みました。

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