株式会社ファイブスターズ アカデミー

先日、「静かで、にぎやかな世界～手話で生きる子どもたち」という
NHKの番組がイタリア賞を取ったとのニュースがありました。

手話だけで授業を行うろう学校を舞台に、子どもたちが生き生きと生活する
日常を描いた番組とのことでした。（オンデマンドで見られるかしら？）

私が「え？」と心ひかれたのは、この番組のタイトルです。
「静かで、にぎやかな世界」とは、なんてドンピシャなタイトルでしょう！

思い返せば今から20年ほど前、私は手話を2年間学んでいました。
その時実際に聴覚障がいの人たちと親しく交流して、手話をかなり鍛えた
ものです。

その時、私が感じたのがまさにこの「静かで、にぎやかな世界」という
手話の世界でした。

忙しく手を動かしながら、それに加えて口の形や表情、体のふりを
付け加えて、本当に全身で自分の思いを相手に伝えようと、ひどく
忙しかったのを思い出します。

にぎやかな声が飛び交うことはありませんでしたが、一緒にいた彼らは、
それはそれは矢継ぎ早に、面白おかしく手話での会話を楽しんでいたのです。

しかしそれからすると、言葉を交わせる私たちの、手はスマホのメールを打ち、
目はスマホの画面を追い、耳はイヤホンで音楽を聞くという現状は、
周りの人との関係を自ら遮断しているようで「もったいなさ」を禁じ得ません。

さしづめ「静かで、孤独な世界」ということでしょうか？

「果たして、これで良いんでしょうか？」と悩み深いです。