株式会社ファイブスターズ アカデミー
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脳トレは、本当に効果があるのでしょうか?
多くの人が抱く疑問です。
心理学者の妹尾武治の結論は「微妙」。
記憶課題や計算課題を繰り返し行うことで、はたしてその能力が高まるかどうかに関しては、肯定的なデータと否定的なデータの両方があり、混沌としているというのが現状だそうです。
だからと言って、「効果がある」と謳って商売するのは危険です。
アメリカで、脳トレは仕事や勉強の効率を向上させるとか、アルツハイマー病や認知症に効果があると宣伝して脳トレゲームを提供していた会社が、米連邦取引委員会から科学的根拠がないという理由で処分を受けました。
罰金額は、驚くなかれ日本円にして2億4千万円。
今後、この処分をひっくり返すような研究が発表される可能性はゼロではありませんが、取りあえず現時点での心理学者の正式見解としては、「効果なし」の立場をとった方が無難なようです。
今回の米連邦取引委員会の判断の背景には、2010年に『ネイチャー』誌に掲載された、オーウェンらの論文が関係しているようです。
彼らは、実験に参加してくれる被験者をネットで集めたのですが、応募者数は11,430人にも上りました。
とんでもなく大規模な実験ですよね。
平均年齢は約40歳といいますから、結構な大人が参加しているようです。
もっと驚くのはその男女比で、女性が男性の5倍ほどいました。
女性の方が、脳トレに興味があるということでしょうか?
実験では、まずこれらの被験者全員に、比較的ポピュラーな認知処理の能力テストを受けさせます。
内容は、心理学では定番中の定番である推論課題、音声短期記憶課題、空間ワーキングメモリ課題、対連合学習課題といった、ざっくり言うとIQテストのようなものです。
その後、被験者は3つのグループに分けられるのですが、Aグループには推論や問題解決能力に関するトレーニングをしてもらいます。
Bグループにもトレーニングをしてもらいますが、内容は本格的な脳トレゲームで、具体的には短期記憶や注意、視覚的空間処理、数学的思考に関するゲームです。
A、Bそれぞれのグループのトレーニング量は1日最低10分で、週最低3回以上のノルマを6週間ほどこなしてもらうというものです。
あくまで自主的に取り組んでもらうのですが、さすが自分から志願しただけあって、実際にトレーニングを行った回数は平均24.47回と結構なオーバートレーニングとなりました。
さて、最後のCグループですが、このグループは対照群ですので特段何もしません。
そして6週間後に、A、B、Cの3つのグループに、再度IQテスト的な問題に取り組んでもらいます。
もし脳トレが効果があるのなら、Bグループがダントツ1位になるはず。
2位はAグループか。
少なくとも、何もしなかったCグループは最下位を免れないでしょう。
確かに結果は、AもBも6週間前の成績より向上していました。
ところが、不思議なことにCも同じくらい向上していたのです。
なぜ、Cグループも成績が向上したのでしょうか?
その理由は、同じようなテストを2度も受けたので、慣れが生じてしまったのではないかと考えられます。
オーウェンらは、決して脳トレの効果を否定している訳ではありませんが、「脳トレで頭がよくなる」と宣伝するには、ちょっと無理があるようです。
でも、変な話だと思いませんか。
いわゆるIQ系テストでいい点をとるためには、それぞれの能力の基礎的な力を鍛えるよりも、テストに出そうな問題をピンポイントで予習した方が効果的という結論になってしまいますよね。
なるほど、それで世の中「傾向と対策」が流行っているわけか。
しかし、いくらIQが高くても、ビジネスで問われるのは応用力です。
ということは、応用力を高める脳トレを開発したら、大儲けできるのかもしれません。
さて、公平を期すため「脳トレ有効説」も紹介しておきましょう。
東北大学の川島隆太のグループの研究によれば、高齢者には脳トレにより認知処理能力の向上が認められたとのこと。
ちなみに、被験者の平均年齢は68歳でした。
これは、「高齢者には有効」と言えるのかも。
私も認知症予防のために、脳トレやってみようかな。
ところで、年を取るとモノ忘れがひどくなると言われていますが、いい改善策があるのです。
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