株式会社ファイブスターズ アカデミー
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マネージャーに必要とされる能力のひとつに、「リーダーシップ」があります。
一般に「リーダーシップ」というと、組織の先頭に立って素早く的確な判断を下し、メンバーを鼓舞しながら、組織を成功に導く人物像を思い描いてしまいがち。
早い話が、軍事組織の指揮官のイメージです。
ところが、意外にも軍事組織が理想とするリーダー像は全く逆で、一方的に命令を下すだけの指揮官は最低なのだそうです。
まず、軍事組織における「リーダーシップ」と「マネジメント」の言葉の定義からみてみましょう。
「リーダーシップ」は「統率(Lead)」、「マネジメント」は「指揮(Conduct)」と表現するそうです。
指揮とは、オーケストラの指揮者のように、決められた譜面通りに演奏するべく、各奏者を調整する能力のことです。
現代の会社組織では、部下が担当する職務の明確化・細分化が進んでいる上に詳細な作業マニュアルも作られているので、統率力のないマネージャーであっても取りあえずマネジメント業務をこなすことはできます。
でも、不測の事態が発生したときに、モノを言うのはやはり統率力。
そもそも軍事組織自体が、不測の事態に対応するために作られた組織ですので、リーダーに優れた統率力が要求されるのは当たり前です。
アメリカ海軍の教本では、「リーダーシップ」をこう定義しています。
「ひとりの人間が他の人間の心からの服従、信頼、尊敬、忠実な協力を得られるようなやり方で、人間の思考、計画、行為を指揮でき、かつそのような特権をもてるようになるアート、サイエンス、ないし天分」
難解な言い回しで理解に苦しみますよね。
特に、「1人の人間が心からの服従、信頼、尊敬、忠実な協力・・・」のくだりなどは、会社組織に当てはめると違和感があります。
というのは、会社では部下の「心からの服従」などは有り得ないことだからです。
そもそも、最低ラインの「忠実な協力」さえ得られていない上司が指揮をとっている組織だって存在します。
統合幕僚学校長などを歴任した元海上自衛隊海将の伊藤俊幸は、この難解なリーダーシップの定義を、実に簡単な言葉に翻訳してくれました。
曰く「この人についていこうという力を引き出すスキル」
もう少し丁寧に説明すると、「上司が部下に働きかけることにより、部下に『このリーダーについていこう』という意志が芽生え、最終的に部下が自発的な行動をとるようになる」ことです。
まだ難しいですか?
では、具体的に解説しましょう。
伊藤は、リーダーが下すべき判断はたった2つしかないと言います。
その2つとは、「了解」と「待て」です。
つまり、自分からあれこれ細かく指示することはせず、まず部下に考えさせます。
次に、部下が持ってきた結論でいいのか、あるいはもう少し検討すべき点があるのか、という判断をします。
リーダーの仕事は、その2つだけだというのです。
伊藤が目指していたのは、上司に積極的に進言する部下を作ることでした。
例えば、部下が状況だけを報告してきたら、「で、君ならどうする?」と結論を求めます。
もし、結論だけを提案してきたら、「その根拠は?」と結論に至るまでの論理的な説明を求めます。
すると部下は、次回から彼らなりのフルパッケージの答えを持って報告に来るようになります。
報告が問題なければ「了解」で事足ります。
もし、どこか見逃している点があるなら、「待て」と言って足りない部分を指摘し、もっと深く掘り下げるように促します。
だから、上官は「了解」か「待て」しか言わなくてよくなるのです。
伊藤は、自衛隊生活の1/3を潜水艦乗りとして過ごしましたが、日本やアメリカで起きた潜水艦の事故のほぼすべてが、ワンマンタイプの艦長の船によって引き起こされているそうです。
もちろん緊急事態においては、ワンマンタイプのリーダーでないと乗り切れないことも事実です。
でも、絶対君主制が長引くと、リーダーの周りにはイエスマンしかいなくなってしまいます。
その失敗の典型例として、伊藤は太平洋戦争のミッドウェー海戦をあげています。
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