株式会社ファイブスターズ アカデミー
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企業にとって、コンプライアンス遵守は最優先の重要課題。
一方で、売上や利益目標も未達が許されない必達課題です。
両者の課題のせめぎ合いの中で、サラリーマンの倫理観は日々右へ左へと揺れ動いているのです。
ところで、この「倫理観」ですが、午前中はしっかりしているのに、午後になると怪しくなることが心理学の実験でわかっています。
ハーバード大学のコウチャキとユタ大学のスミスが、2013年に「サイコロジカル・サイエンス」誌に発表した、62人の大学生を対象にした実験結果は驚くべきものでした。
実験自体は単純なものです。
左右に仕切られた正方形を1秒間だけ見つめます。
正方形の中には20個のドットが散りばめられていますが、被験者は仕切りの左右のどちら側にドットが多いかを瞬時に判断しなければなりません。
右側が多かった場合は、報酬として5セント貰えますが、左側の場合はたったの0.5セント。
この試行を100回繰り返すのですが、実はこれには仕掛けがあって、被験者の答えが正解かどうかに関係なく、左右のどちらを選んだかだけを基準にして報酬が支払われるようになっているのです。
100回試行するうち、最初の50回は左右のドット数は微妙な違いに設定しておくのですが、それでも被験者はこの仕掛けの存在にうっすら気づき始めます。
そうなると、当然報酬を多く貰える右の方に答えが片寄りがちになるのは致し方ありません。
後半の50回は左右のドット数に明確な差をつけるのですが、内訳は明らかに右が多いのが16試行、明らかに左が多いのが34試行。
問題はこの34試行の方です。
正直者ならば、たとえ報酬が少くても、すべて左と答えるはず。
しかし結果を見ると、被験者全員が何回か「ズル」をしていたことが判明します。
34試行中何回「ズル」をしたかを数えてみたところ、午前にこの実験を実施したグループより、午後に実施したグループの方が「ズル」が多くなることがわかりました。
午前中は平均20.13回の「ズル」に対して、午後はなんと24.25回。
午前と比べると、午後は「ズル」が2割増しになっていたのです。
どうやら、午後は倫理観が揺らぐようです。
だから、コンプライアンス違反は午後に起こりやすいと言えます。
コンプライアンスに関わる判断は、できるだけ午前中に行うべきでしょう。
あなたの会社でも、ややこしい議案は、できれば午前中の会議にかけた方がいいかもしれません。
でも、ちょっと待って下さい!
午前中でも34回中、平均20.13回もズルが行われていますよね。
率にするとほぼ60%。
ということは、正直に答えられる環境を整えたところで、人間の倫理観は4割しか機能しないということです。
コンプライアンスを遵守させようと思ったら、個人の倫理観に訴えても限界があります。
コンプライアンスは個人の倫理観に委ねるのではなく、不正が必ず発覚するような仕組みやシステムを構築しなければならないということですね。
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