株式会社ファイブスターズ アカデミー
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部下にとって耳の痛いことを、相手の気持ちに配慮しながら、上手に指摘するにはどうしたらいいのでしょう?
学習理論では、これを「フィードバック」と言いますが、立教大学の中原淳教授の著書『実践!フィードバック』に、そのコツが詳しく紹介されています。
それによると、フィードバックの際、まず“SBI”を伝えることが重要なのだそうです。
“SBI”と言ってもソフトバンクの子会社ではありませんよ。
まず“S”ですが、これはシチュエーションのこと。
つまり最初に、状況がどうだったかを伝えるのです。
なぜなら別の状況になれば、正解が違ってくる場合もあるからです。
次に“B”ですが、これはビヘイビァ。
すなわち、その状況下で部下がどのような行動や振る舞いをしたか、という具体的な事実のことです。
最後の“I”はインパクト。
部下のとったその行動が、周囲にどのような影響を与えたかです。
どうです?
“SBI”という語呂も結構覚えやすいですよね。
あ、そうそう、もう一つ大事なことを言い忘れていました。
SBIを伝えた時に、「僕はそう思いませんけど・・・」などと部下から反論されるケースがあります。
これは、SBIについてのあなたの認識が、部下の認識と食い違っている場合に起きます。
なのでSBIに関しては、周囲の人たちに十分なヒアリングをした上で、客観的な事実として提示することが大切です。
つまり、多くのメンバーの共通認識として提示するのです。
こうしておけば、部下の認識とあなたの認識との、二極対立構造になる事態は避けられます。
もしかしたら、周囲の人たちにヒアリングすることで、あなたの認識の方にもズレがあることがわかるかもしれませんよ。
第三者に情報収集することを、専門用語で「三角測量」と言うそうです。
これも覚えておきましょうね。
“SBI”の認識が共有化できたら、次に部下の問題点を伝えるのですが、この時決めつけるような言い方はいけません。
あくまで客観的にやりましょう。
具体的には、「(君の行動が)僕には○○のように見えるんだけど・・・」と伝えます。
つまり、部下が自分の姿を鏡に映して見るイメージで伝えるのです。
もし、部下が感情的に反論してきても、その喧嘩を買ってはいけません。
「そうか、君は△△という風に考えているんだね」と、まずは相手の考えをリピートします。
それから、「でもね・・・」とあくまで理論で冷静に反論していくのです。
もし、面談が行き詰まったら、「どうしたらいいと思う?」と相手に問いかけましょう。
焦って正解を提示するのは御法度です。
なぜなら、相手が「説教されている」と感じてしまうからです。
大切なことは、相手を説き伏せることではなく、相手に気づかせることです。
あくまで、相手の口から改善策を言わせるように持っていくのです。
どうです?
「難しいなぁ」と考えずに、とりあえずやってみませんか?
たとえうまくいかなかったとしても、続けることで段々上達していきますよ。
「フィードバック」のスキルを身につけるだけで、あなたのマネジメント力は数段高まるのですから。
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