株式会社ファイブスターズ アカデミー
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異常事態の報告が遅い部下には、どのような指導が有効なのでしょう。
アメリカ海軍史上No.1と賞賛された、ミサイル駆逐艦「ベンフォルド」の艦長マイケル・アブラショフも、そういう事態に直面したことがあります。
彼が艦長を勤めるミサイル駆逐艦「ベンフォルド」のソナーが故障した時、担当の士官は自分で修理できると甘く考えていました。
しかし、結局修理はうまくいかず、演習に向かう途中で報告を決心します。
この時すでに、発覚から2週間が経過していました。
艦長のマイケル・アブラショフは、報告者がたとえ答えを持っていなかったとしても、「検討している」と答えさえすれば決して部下を責めない上司でした。
逆に、マイケルの方から対策を提案することもありました。
ただし、今回のケースは明らかに事情が違います。
ソナーの故障はかなり深刻で、最終的に「ベンフォルド」は、演習に不参加という極めて不名誉な決定を下さざるを得なかったからです。
もし、2週間前に報告を受けていれば、その間に様々な手が打てたはず。
その選択肢の数は、部下より上司の方が圧倒的に多いのです。
当然、担当士官は厳しい叱責を受けました。
しかし、この事態はマイケルの海軍のキャリアにおいて、最初で最後の出来事となりました。
“最後”となった、すなわち二度とこのような事態が起きなかったことには理由があります。
この時マイケルが発した質問が、乗組員の間でその後ずっと話題になったからです。
マイケルは、異常報告を受けた時、最初に決まってこう質問します。
「いつから知っていた?」
この質問に対する正しい答えは、たった一つしかありません。
異常報告を受けた瞬間が重要なのです。
上司から最初に、「いつから知っていた?」と質問されることがわかっていれば、部下の報告が遅れるようなことはありません。
自分の頭で対策案を考える習慣をつけさせることも訓練ですが、対策案の有る無しに関わらず、異常事態はすぐに報告する習慣をつけさせることも訓練なのです。
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